20話 困った時の合体。
コミカライズ版センエース、9話配信記念!
一日10話投稿!!
8話目!
20話 困った時の合体。
「絶対に、俺の足元はすくえない。お前らに可能性はない」
そんなヌルの発言に対し、ズタボロで死にかけのカミノが、
「……ごちゃごちゃ……うるせぇ野郎だ……」
そう言いながら、ゆっくりと立ち上がる。まだ、いくつかのチートが働いているので、ボコボコの肉体も、だんだんと、回復していっている。
決して無限ではない『無限蘇生』。
まったく笑えない『ギャグ漫画補正』。
ヌル相手だとほぼ機能していない『あんたがたどこさ』。
どれもポンコツというか、ハンパにしか働いていないが、
しかし、一応、ほんの数秒で、ほぼ完全回復する、カミノの肉体。
「……『油断をつく』以外にも、お前を殺す方法は残っている。『純粋な実力でぶっ飛ばす』っていう、シンプルイズベストな方法がなぁ!」
そう叫んでから、
カミノは、テレパシーで、全員の意識を繋ぎ、心の中で会議を行う。
「セイバー、天童! こうなったら、もう、お前ら合体しろ! 俺は無崎と合体する! その上で、俺無崎とセイバー天童で合体だ! 『俺無崎セイバー天童』の合体×合体戦士状態で、ぶっ飛びのミラクルを決め込む!」
「4人合体とか、んなことしたら、戦闘力が終わるだろうが」
「戦闘力が終わるどころか、まともに動くことすらできねぇんじゃねないかな♪」
「華麗に舞う必要はない!! 殴り合いで勝つのは無理だから、その道は求めねぇ!」
センエース・ヌルの底力を前に、
カミノは、まともに闘うことを諦めた。
「封印系の魔法を、あのやろうにたたきこむ! とにかく時間さえ稼げればそれでいい! 『封印系の魔法の数値を底上げするため』に合体したいんだ!」
「魔法を一発使うだけとは言ってもねぇ♪ 体がまともに動かなければ、魔法の範囲内にとらえることも出来ないんじゃないかな♪」
「さっき、ヌルが、お前らの攻撃に耐えている時、お前ら全員の中に、『共鳴融合』を搭載した! 『変身時間を極端に短くするアリア・ギアス』と併用して、身体コントロールの低下を極限まで抑える!」
「俺ら全員に共鳴融合……えぐいことするな……」
「時間だ! とにかく時間があればいい!」
「だが、封印系……通るかぁ? 全員合体したところで……」
「EZZパニッシャーって、秒でぶっ飛ばされるイメージしかないよねぇ♪ なんていうか、もう、『王子のグミ撃ち』ぐらい、負けフラグ臭が漂っているんだけど♪」
「うるさい、うるさい! とにかくやるんだ! さっさと合体しろ!」
カミノの指示に、しぶしぶ従う元主人公たち。
代案が出せるのであれば、跳ね飛ばすこともできたが、
しかし、現状、誰も、ヌルに対する有効打を思いつかないので、
ワラにもすがる思いで、カミノの提案を受け入れた。
カミノの指示通り、最初に、
セイバーと天童、
カミノと無崎が合体する。
次に、
セイバー天童が、カミノ無崎の胸に手をあてて、
「アマルガメーション!!」
宣言すると、カっと光る。
そして、その光が落ち着いた時、
そこには、合体戦士×合体戦士という、
とんでもない状態のバケモノが立っていた。




