15話 尊い主人公なんていない。
コミカライズ版センエース、9話配信記念!
一日10話投稿!!
3話目!
え?
『10話達成できたら、その狂気の褒美として、買ってやってもいい』ですって?
マジっすか?
あざす!
がんばります!
もし、あれでしたら、靴とかなめますけど?
舞い散る閃光「……そ、そこまでせんでも……」
黙ってろ。「我が子のためなら、なんでもする」って覚悟の一つもないやつが親になるなど笑止千万。
15話 尊い主人公なんていない。
圧倒的な力を持つ、二人の元主人公に、
『ほとんど首だけカミノ』は、
「セイバーさん! 天童さん! すこし、こらしめてやりなさい!」
と、討伐指示を出す。
そんなご隠居ムーブをかますカミノに、
セイバーが、
「お前も戦わんかいっ♪」
と、指パチン。
『神の慈悲』により、完全に元の状態に回復したカミノ。
普通に戦える状態になったカミノは、
はぁ、と、軽くため息をついて、
「できれば、首だけでいたかったなぁ……その方が、ヌルと対峙するより楽だった……転がっているだけでよかったからなぁ」
などと、完全に頭おかしいことをつぶやきつつ、戦闘態勢に入る。
そんなカミノに、天童が、
「……俺らだけじゃなく、他の元主人公も回収できないか? 『寿司邪神』か『オメガ』あたりがいてくれると、戦略の幅が増えて、非常に助かるんだが」
セイバーが、そこにかぶせるように、
「できれば、キズハラとタスと銃崎もね♪ なんなら、今言ったやつ以外も全部、ニチアサの映画よろしく、ヒーロー大集合でおねしゃす♪」
と、『業者級の大量オーダー』をかましてくる『注文の多い発注元』に、
カミノは、
「いくら俺でも、無限にチートをかませるわけじゃねぇ。てか、もう、チート系は使えねぇ。ぶっちゃけ、無崎を呼ぶのに、力を使いすぎた。今の俺は、ド〇クエでいうところの『MP0の魔法使い』みたいなもんだ。そこんとこよろしく」
その発言を受けて、セイバーが、しんどそうな顔でため息をつき、
「……つまり、クソの役にもたたねぇゴミってことかぁ♪ とんだお荷物じゃないの♪ ちょっとでも戦力がほしいこの場面でガス欠している場合かよって話ぃ♪ 勘弁してほしいこと、この上なしで、ハゲるぅ♪」
続けて、天童も、
「……介護はしないぞ。流石に、ヌル相手に、そんな余力はない」
「お前らさぁ……どっちも元主人公なんだろ? 主人公ってのは、こう、優しくて、あったかくて、頼りになって、弱者を包み込んでくれる……そういう『尊い存在』でなきゃいけないんじゃねぇの? その点をふまえて考えると、諸々どうかと思うなぁ、さっきの発言は」
そんなカミノの言葉を、
セイバーは鼻で笑って、
「尊い主人公なんて、この世界には、センエースふくめて一人もいないからぁ♪ そんなもんは幻想だって、ばっちゃが言ってたぞ♪ ばっちゃに会ったことないけどね♪ とりま、元主人公なんて、どいつもこいつも、真正のカスばっかり♪ そっちの天使ちゃまなんて、マザコンのクズニートだぞ、と♪ 終わってんね♪」
「そう言うてめぇは世界一性根が腐った厨二のサイコパスポエマーだろ」
事実をぶつけあう二人を尻目に、
カミノはため息交じりに、
「そして、無崎は、まともに喋れない陰キャの嫌われ者ボッチで……俺は人生完全敗北者のニコトピア依存症か。……酷いな、俺ら……」
と、そこで、セイバーが、
「ぼくちゃん達が酷いのは確かだけどぉ♪ でも、まあ、全員、センエースよりはマシだけどね♪」
続けて、天童が、
「ああ、センエースと比べれば、俺たちは全然まともだ」
最後に、カミノが、
「下には下がいるってのは、いい言葉だよな。おかげで、前を向くことができる」
そう締めると、
三人は、一斉に、ヌルへと襲い掛かる。
ここまで、無崎一人が頑張っていたが、
ここからは、全員で圧力をかけていく。
それぞれに出来る全部を賭して、
どうにか、ヌルを止めようと必死になる。




