15話 ダイヤモンドよりも砕けないシャボン玉。
15話 ダイヤモンドよりも砕けないシャボン玉。
「どうやら、俺の心臓は、『俺を抑えつける呪い』みたいなもんらしい……勘弁してほしいぜ……ないと死ぬが、あったらしんどい……もう、ほんと、色々勘弁してほしい……」
「……っ?! 貴様ぁ! 私から『ナグモのカケラ』をスったなぁあああ!!」
「先に盗んだのはてめぇだろ。取り戻しただけだ」
そんなセンの視線の先で、
色違いナグモの肉体が、ホロホロと崩れていく。
「ぐっ……よ、よりにもよって根幹を奪いやがってぇ……」
「よりにもよってっつぅか……それしか狙ってなかっただけだよ」
などと言いながら、センは、武を構えて、
「一部だけじゃない。全部取り戻す……ミッション了解」
自分の仕事を再確認する。
自分自身の責任と向き合う。
そうやって生きてきて、
これからも、そうやって生きていく。
「ゴミ屑の分際でぇええ!」
『崩れかけた色違いナグモ』の猛攻。
怒りに任せた特攻は、
今のセンに対応できる速度じゃなかった。
ボッコボコに殴られるセン。
色違いのナグモは、ハイになった顔で叫ぶ。
「どうやら、『謎のパワー』は使い切ったようだな! 抵抗力だけは、ギリギリ保持しているようだが、それがどうした?! すぐに全部、削り切ってくれる!」
「謎のパワー? そんな、奇跡みたいな言い方してくれんなよ。……俺は奇跡にすがらない。自分が積み重ねてきたものしか信じないし、頼らねぇ。そうやって生きてきた俺の誇りを、安い言葉で穢すんじゃねぇ」
そう言いながら、
センは、渾身のカウンターを、色違いナグモに入れようとする。
が、速度が足りない。
擦り切れてしまったセンの出力では、もはや、色違いナグモには届かない。
「搾りカスがぁ! 偉そうなコトをほざいたわりには、何もできないじゃないか!」
ボッコボッコと、センを削っていく。
とにかく、全力で、センを終わらせようと必死になる色違いナグモ。
だが、なかなか死んでくれないセンエースに、色違いナグモは、イライラして、
「くそがぁああああ! その『脆弱な肉体』を壊せないのは、なんでだぁあああああ!! 私の拳で、貴様を壊せないはずないだろぉおお! なんだ、この状況?! 夢かぁあ?! 私は、なにか、よくわからない悪夢を見ているのかぁあああ?!」
『なぜか割れないシャボン玉』をイメージしてもらえれば、
今の色違いナグモの気持ちが明瞭に分かるかもしれない。
普通なら、指先が触れるだけでも、パチンと弾けるのがシャボン玉というもの。
色違いナグモの存在値からすれば、今のセンエースなど、シャボン玉。
なのに、なぜか、どれだけ力を込めて握りしめても、踏みつぶそうとしても、いっこうに割れずに膨らみ続けるという、奇妙極まりない、ダイヤモンドよりも砕けないシャボン玉。
「俺を壊したかったら、アウターゴッドの群れをつれてこい。『夏場に放置した生魚』に沸いたウジぐらいたくさんの『大量のアウターゴッド』に襲われれば、流石の俺も、死にかけるかもな。ま、それでも、ギリ、死にはしないと思うが。銀河を埋め尽くす数のアウターゴッドに、異次元砲の弾幕を張られても、俺は、なんだかんだで、生きているだろう。それが俺クオリティってやつだ。すごいな、俺。どうなってんだ?」
ファントムトークがとまらない。
世間では、今週からゴールデンウイークとかいう、謎の一週間に入るそうですが……私に、そんなものは関係ない。
これが……社畜……っ
(/ω\)
――そんな絶望的状況下でも、
歯を食いしばって、毎日、朝4時に起きて、
夜の20時まで闘い続ける!
……これマジでやってんのよ(´_ゝ`)
頭おかしいw
――センさんが、頑張っているのに、
親である私がヌルいことやってられない、
ということで、
限界まで頑張ってみます(/・ω・)/




