表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
究極超神C章 天。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3683/6055

73話 がんばれ、ウムル! 負けるな、ウムル! お前が積み重ねてきたものは、そんなものじゃないはずだ!


 73話 がんばれ、ウムル! 負けるな、ウムル! お前が積み重ねてきたものは、そんなものじゃないはずだ!


(この私が……ウムル=ラトが……GOOの最果てに至った神格が……こんな、ヒョロガリ一匹に、なんで、こんな屈辱を……)


 一瞬だけ、逃げ出そうかとも考えたのだが、しかし『無駄に高い誇り』が、ウムルをこの場にとどめさせた。それに、


(まだギリギリ脆弱な今のうちに殺しておかないと、手が付けられなくなるやも……っ)


 いくつかの思考が重なって、

 ウムルは、田中との殺し合いを続行することになった。

 ウムルは、とにかく、全力で田中を殺すことに没頭した。


 一度、『逃走』が頭をよぎったことで、

 ウムルの中で、意識の変革が起きた。

 屈辱による怒りと同時進行で、

 田中に対する危機感を育んでいく。


 怒りによる暴走に身を任せるのはいったんやめて、

 冷静に確実に、田中を殺そうと考えはじめる。


 だから、動きが丁寧になった。

 内面の怒りは、まだ、グツグツと燃えているので、

 それをパワーにかえることもできた。


 とぎすまされたウムルの攻撃は見事の一言につきた。

 永い時間をかけて磨き上げてきたウムルの武は美しかった。


 ――しかし、その全てが、結局のところ、

 田中を成長させるためのエサにすぎなかった。


「強いな、ウムル。お前はちゃんと強い。だからこそ、ワシは、もっと高く飛べる」


 綺麗に整ったウムルの武をパクっていく田中。

 お手本にして、型をパクって、洗練させた上で、自分の中へと落とし込んでいく。


 研磨する時間が足りないので、ディティールがかなり甘いが、しかし、下地としては、かなりの出来栄えになった。

 『完璧に仕上げる』という段階に到るまでには、相当な時間がかかりそうだが、しかし、今、この段階で、すでに、『どうにかかたちにはなっている』ので、ウムルレベルが相手なら、通すことぐらいはできた。


「ぶげはぁあっ!」


 田中の絶妙なカウンターがウムルの鼻を砕いた。

 流水のように、ひらりひらりと、たゆたって、

 田中は、ウムルを鮮やかに翻弄していく。


 ――その様を、ずっと、背景モブとして見ていたセンが、

 たまらなくなって、


「がんばれ! ウムル! 負けるな! そこだ! ああっ! 違う! そうじゃない! それじゃあ、田中の思うつぼだ! ああ、どうして、お前は、昔から、ずっとそうなんだ! そうじゃないだろ! もっと、こう、アレだろ! 何がどうとは言えんけどぉおお!」


 手に汗握って、必死になってウムルを応援する『舞い散る閃光センエース』さん。

 ――ここまで、どうにか我慢していたセンだったが、しかし、流石に限界だった。


 『努力しか取り柄がない無能の狂人』であるセンエースにとって、

 『永い時間をかけて武を磨き続けてきたウムル』が、

 『天才すぎるだけの田中』にボコられている姿は、

 胸にこみあげてくるものがあった。

 なんだか、もう、いたたまれなくなってしまった。

 田中の天才性を魅せつけられている時間は、本当に、しんどくてしかたない。


 『ウムルを殺さないと世界が危うい』だとか、『田中は人類サイドで、ウムルは敵サイド』だとか、そんなヌルい前提は、いったんどうでもよくなって、とにかく、今、『田中がウムルを圧倒している』という状態に辛抱たまらなくなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] センセースとしてはウムルにかなり同情的なんだろうなぁと思って読み進めていたら、何か本当に応援し始めて草。 流石センセース先輩、格が違う。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ