42話 高潔なジャイアニズム。
42話 高潔なジャイアニズム。
平熱マンの凄まじい剣技が乱れ咲く。
プライマル・プラチナスペシャル『史上究極の弟子(勇者)平熱マン』の効果。
センエースの剣技の器を、平熱マンの魂魄に重ねるというイカれチート。
『数値的』には確かに『まだまだ』だが、
しかし、平熱マンの『剣技』は、神の王の領域。
「――閃光・平熱マンスラッシュ」
コープスワールドの支援は、攻撃・防御、どちらも可能なのだが、今回は、防御に特化している。
平熱マンに集中する敵の攻撃を、無限に召喚できる『骨の盾』や『死体の壁』で守っていくスタイル。
耐久方面をシカトして、相手の懐に、問答無用で飛び込んでいく弾丸、平熱マン。
敵の方が、数値的には上だし、『元主人公』としての特質を有しているため、三至の面々は、かなり苦労しているのがうかがえる。
しかし、どれだけ大変で辛くとも、全力で、『前に、前に、前に』と、キチ○イの波動をまき散らしながら、終わることのない特攻を繰り返す三至。
その特攻を前にして、カミノたちは、普通に日和った。
しょせんは、P型。
出来損ないのコピーでしかない彼らに、『ゼノリカの天上』――その最上位に位置する化け物たちをどうにか出来るだけの胆力はなかった。
『オリジナル』なら話は違う。
『アンリミテッドのオリジナル』が相手なら、さすがに、今の三至では話にならない。
――それは事実だが、しかし、それだって、あくまでも、『今』の話でしかない。
未来は違う。
三至は成長する。
今回のP型戦闘で、三至は、『一段階上の力』を得た。
大変な戦いを経て魂魄の階段を上る。
――それを、何度も、何度も繰り返して、輝く明日を求め続ける。
その覚悟が、ゼノリカにはある。
まだまだ、精神的に、不安定かつ未成熟な部分が多いゼノリカだが、逆に言えば、その分だけ、『伸びしろ』が残っているということでもある。
ゼノリカは、これから成長するツボミ。
――と、そこで、センが飛び出して、叫ぶ。
「よくやった、お前ら! あとは、任せろ! おいしいところは、全部もらう! お前らのものは俺のもの! 俺のものも俺のものぉおおお!!」
お前の敵は俺の敵、俺の敵も俺の敵。
絶望も苦悩も責任も、全部自分が背負うという極大の覚悟を示す命の王。
あまりにも孤高で高潔なジャイアニズム。
「神速閃拳っ!!」
お得意の決め技『龍閃崩拳』は、あまりにも、体力を使うので温存。
ジャブの最高峰『神速閃拳』で、3体をまとめて屠っていくという、
とにかく体力を温存することだけ考えた『スーパー省エネ』の対応。
とことんまで、しっかりと時間をかけて、オーラと魔力を練りに練って圧縮したがゆえに可能となった、コストの低いジャブを超必殺技にまで昇華させるという荒業。
そんなセンの省エネ戦法の前に、
カミノ・キメラ・セイバーのポンコツ三人組は、
サクっと、消滅してしまった。
――いや、普通の視点でみれば、
あの三体は、まったくポンコツではなく、
敵として考えれば、エゲつないぐらいの脅威なのだが、
ゼノリカ側の成長があまりにもハンパなさすぎて、
『脅威になりきれなかった』というだけの話。
センエースだけでもエゲつない関門だというのに、
三至天帝の三者も、順調に成長しすぎて鬼門になっている。
ゼノリカの層の厚さは、世界一ィイイイイイイイイイイ!




