41話 『3』VS『3』の乱戦。
41話 『3』VS『3』の乱戦。
「ほんまに、人の命令を聞かん連中だなぁ、おい……組織の上下関係、機能してなさすぎだろ……最近、誰か、俺の命令を、ちゃんと遵守したやついる? たぶん、一人もいないよね? 俺、ほんとうに命の王か? 都合のいい時だけ祭り上げられて便利に使われて、都合が悪くなると、全員に無視される……最悪だな、俺の状況」
タメ息を混じらせつつ、グダグダと愚痴ってから、
「まあ、いいや……軽く殺し合ってみた感じ……あいつらの処理は、確かに、お前らに任せた方が、効率はよさそうだし……」
そう言いながら、
頭の中で、
(存在値の数値的には、三至の方が下だが……フィニッシュまでの『場』を整える『削り』の作業だけでみれば、たぶん、余裕……)
ポケ○ンバトルで例えれば、『いかく』をまいて敵の攻撃力を下げたり、『毒・麻痺』を散布したり、壁を張ったり、ステロをまいたり、毒ビシをましたり……そういう、『抜きエースにつなぐ』ための『おぜん立て』なら、三至でも出来る……というか、ビルド的には、むしろ、そっちが十八番。
面倒な途中作業を任せて、フィニッシュだけ決める――という方法なら、そこまで、体力低下を気にしなくてよい。
センは、一歩下がって、
「命令だ。トドメは俺がさす。削るだけでいい。無茶はするな。無理もするな。命をかけることは許さない」
センの命令に対して、三者は、それぞれ、力強い返事をする。
超力強く返事をしているものの、
しかし、いざという時になれば、
三至は、余裕で命を賭すだろう。
三至にとって、センの命令など、センの安否に比べればハナクソみたいなものでしかない。
そして、センは、そんな三至の思想を理解している。
だから、最悪の時は、自分が盾になろうと画策している。
イカれた過保護合戦。
感情論のウロボロス。
互いが互いを守り合うと言えば聞こえはいいが、
結局のところは、ワガママの押し付けあいでしかない。
それが、ゼノリカの現在の本質!
ミシャ、ゾメガ、平は、
それぞれに出来る全力を賭して、
カミノ・キメラ・セイバーの三者に挑む。
それぞれとタイマンではなく、
3VS3の乱戦。
その流れを、一歩引いた場所で見守りつつ、
センは、トドメのための魔力とオーラを練りこんでいく。
できるだけ、最小限の労力で、最大火力を出すための努力に勤しむ。
そんなセンの視線の先で、
三至天帝たちは、華麗に舞う。
それぞれに可能な最高格の力を乱舞させて、
カミノたちに、盛大な圧力をかけていく。
ゾメガのオルゴレアム・オーバーロードで、
ミシャのコープスワールドを強化・支援しつつ、
コープスワールドの支援を受けた平熱マンを、
炸裂弾的な役割で突撃させるという手法。
平熱マンの凄まじい剣技が乱れ咲く。
プライマル・プラチナスペシャル『史上究極の弟子(勇者)平熱マン』の効果。
センエースの剣技の器を、平熱マンの魂魄に重ねるというイカれチート。
『数値的』には確かに『まだまだ』だが、
しかし、平熱マンの『剣技』は、神の王の領域。
「――閃光・平熱マンスラッシュ」
永いメンテだった……




