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38話 『センエース』VS『P型カミノ』

本日の2話目です。


 38話 『センエース』VS『P型カミノ』


 『対処の対処の対処の対処の対処』という、なかなか高次の読みあいを経て、


「うべっ!」


 カミノは、足元をすくわれて、体勢を崩した。


 そこにセンは、さらに、『崩し』をくわえようとしたが、

 『そこまでの暴挙』は流石に許さないカミノ。


 瞬間移動で距離をとって建て直そうとして、

 しかし、センも瞬間移動でついてきて、追撃。


 どうにか、対応しようともがいているが、

 ポコポコと、ボコスカに殴られ続けるカミノ。


「ぐっ……ふっ……っ……どらぁああ!」


 と、重たいムーブで、

 どうにか、こうにか、センの動きについていこうと必死。


 軽やかに拳や蹴りを入れていくセンとは対照的な、ラグっているような鈍い所作。

 センは、適切にギアを上げていきながら、


「数値は大したことねぇし、戦闘力に関してはゴミだな、お前ぇええ!」


「ぐぅうう……」


 カミノは、センの猛攻を、普通に、さばききれずに、

 ボコボコと殴られて、


「げはっ!」


 顔面に、クリティカルな一撃をいただいて吹っ飛ぶ。


 ここまでの、ほんの数秒の『武のラリー』を経たことで、

 センは、『多く』を理解した。

 まず、このP型カミノとかいうゴミが、

 『ちょっと強い超神』レベルでしかない、ということ。


(存在値は2兆ぐらい……『基礎存在値が1500ぐらいで、一応、究極超神化は出来ている状態』……戦闘力は、かなりのゴミ……楽連の連中より下……)


 センエースの敵ではない。

 話にならないと言ってもいい。


(……『一般的な目線』で言えば、『存在値2兆の化け物』は、かなりの難敵だが、『俺の敵』を名乗る資格はねぇなぁ……ま、とはいえ……)


 ただし、ついさっき戦ったバグの一件があるため、

 安易に、『楽勝すぎてあくびが出る』、という油断はうまれない。


(どうせ、『殺したら強化状態で復活』だろ? 『バグの特質をもっている』――もしくは、『P型特有の学習能力を持っている』ってところか? ……どっちが正答か知らんし、もしかしたら、『それ以外のパターンを魅せてくる可能性』もあるが……かなり、めんどくさいウザさを魅せてくるであろうことは、容易に予想がつく)


 『殺しきった直後に、また強化されて復活』というパターンが簡単に予想できた。

 だいぶ前に戦った『己のP型1号』がそのパターンだったこともあるので、余計に、その可能性が脳裏をチラつく。


(さて、どう対処するかな……ここを乗り越えても、まだ、タワーは二つ残っている……今の『低下しまくった体力』を考えると、出来る限り、温存したいところ……さて……)


 と、センが、今回の面倒事の『処理』に対する体力分配について考えていると、

 そこで、カミノが、渋い顔をして、


「くぅ……やっぱ、強いなぁ……俺は、別に前衛じゃねぇから、普通にタイマンはったら、絶対に勝てないんだよなぁ……」


 しんどそうにそうつぶやいてから、


「というわけで……」


 懐から、禁止魔カードを取り出すと、

 破り捨てながら、


「――前衛職の脳筋ども、助けてくれ! センエース相手に、後衛専門の俺一人じゃ、話にならん!」



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