表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/5856

32話 デロデロデロデロデーデデレン 勇者は呪われました、教会に行っても治りません。

 32話


 センは、これまで渡ってきた世界で、一度も、『同郷の人間』が『既に、その世界で幅を利かせていた』という経験をしていない。


 それが、偶然なのか、必然だったのか、今、答えを出すことはできない。


(なんつーか、この世界、色々……これまでの99回とは違う所があるな。さすがにワクワクはしないが、少しだけ興味が湧いてきた。もちろん、終わり方は探していくが、片手間に、この世界について探ってみるのも――)



「ラムドォオオオ!!」



「おやおや、これは陛下。どうしました、そんなに血相を変えて」


「それ、本気で言ってんなら、どっかで脳の治療受けてこい!」


「ははは、実にテンプレな切り返しですなぁ」


「訳のわからんことをぬかすなぁ! てか、笑っとる場合かぁあ! なんで! なんで、あのカスを逃がしたぁ!」


「理由は明確だったと思いますが?」


「そんなことが聞きたいのではない!」


「ああ、ちなみに、陛下」


「あぁん?!」



「あの勇者になら、シッカリと呪いをかけておきましたよ?」


「……は?」



「あの勇者にとっては……くく……とびっきり、キツいやつをねぇ、しこんでおいたんですよぉ、ひひひひひひ」


「……ラムド、前から言いたかったんだが、お前、その笑い、マジでやめんか? ワシ、マジで恐いんですけど」


「さぁて、それでは、そろそろ、わしはお暇させていただきますよ。研究の続きに取り掛かりたいので」


「どんな時でもブレんなぁ、お前は……もういい、行け、行け。あ、いや、ちょっと待て」


「なんですかな?」



「すぐに腕の治療を受けろ。あと、体は大丈夫か? オーラが……なんか……縮小しているというか……とにかくエラいことになっているが……」


「ちょうど、回復系の、良い魔道具を手に入れたところですので、問題は何も……」


 と、そこで、ラムドは、


「ああ、そうそう。陛下。ちょうど、ここから先、取りかかろうと思っていた実験で、人手が一本足りないのです。ちょいと、上位魔物衆の中から、一人見繕って、部下にしてもよろしいですかの?」


「お前は、此度の闘いの功労者。もっと望みを口にしても構わんが?」


「では、今後、できるだけ、わしの研究を邪魔しないでもらいたいですなぁ」



「……本当に……ブレんやつだな、お前……」



「では、選別させていただきますよ……んー、そこの、龍人」


「はっ!」


「今日から、ぬしは、わしのパシリ。了解?」

「この上ない栄誉を賜り、心から感謝いたします。この身が果てても、御側に仕えさせていただく所存でございます」

「いや、そこまでの忠誠心はいらん」



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版35話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[気になる点] センは、これまで渡ってきた世界で、一度も、『同郷の人間』が『既に、その世界で幅を利かせていた』という経験をしていない。それが、偶然なのか、必然だったのか、今、答えを出すことはできない。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ