2話 根源のデザイア。
2話 根源のデザイア。
センは決して夢を見ているわけではない。
ただ、少し『形』が変わっただけ。
もっと言えば、
――センの『理想』に近い形に調整されているだけ。
もっと、もっと、踏み込んで言えば、
より洗練された、というだけの話。
この『新世界1』は、『世界1』と『完全に同じではない』けれど、
『99%』は同じと言って、なんら過言ではない。
「セン……」
ふいに、アダムが、トロンとした目で、センを見つめて、
「ああ……愛しい」
あふれた想いを無遠慮にぶつけてくる。
「愛しい、愛しい、愛しい、愛しい、愛しい」
壊れてしまったかのように、
あるいは、『もともと壊れていた性質』が露呈したかのように、
アダムは、全力の『本気』をセンにかましてくる。
誰かに操作されているわけでも、
特定の感情を埋め込まれているわけでもない。
これがアダムの本気で本音。
それが、『普通』に暴走しているだけ。
あくまでも、デフォルメ。
――センエースと共にありたい。
同じ力を持ち、隣に立って、共に悩み、最後には共に死ぬ。
それが、アダムの願い。
アダムが、
――『どんなに苦しい業を背負うことになったとしても、絶対に叶えたい』とコスモゾーンに願った根源のデザイア。
そんな彼女の『ガチンコの本気』に触れたことで、
センは、彼女に対して、反射的に、
『真摯』になろうというスタンスに切り替わる。
本気の想いには、本気の姿勢で挑むのがセンの流儀。
この辺の、妙な『生真面目さ』が、センの特徴の一つ。
その生真面目さが、この『新世界1』に対する違和感を中和していく。
夢の中では、どんなにおかしな状況でも、それをおかしいとは感じない。
その『不条理でありながら、ある意味で非常に合理化された心構え』に届いたセンは、ただ、ひたすらに、アダムのことだけを考える。
「愛情を向けてもらえてうれしい限りだが……俺は、まだ、お前に愛されるに足る器になりきれていない」
「? 何を言っているの?」
「窓の外に広がっているのが『ゴールの風景』であることを疑う余地はない……ただ、俺は、まだ本当の完全なゴールにたどり着いていない。この風景を、完全なるゆるぎないものにするためには、まだ努力が足りていない。この世界には、まだ課題が残っている」
センは思い出す。
ヨグとの対話で理解した世界の真理に関して。
――ヨグほどの神が『命の全部』を『自転車操業』しまくって、それでも、枯れてしまうのが世界運営の本質だとすれば……第二~第九アルファが、どれだけ、優れた循環率を誇っていたとしても……『代償なしで永遠に運営し続ける』のは不可能だろう――
第二~第九アルファは、今のところ、問題なさそうだが、
しかし、『本質の部分』に『大きな問題を抱えているだろう』ということが分かった。
それに対処する方法を探さないといけない。
それが、『命の王』を名乗ってしまった自分の責務である。
というのがセンエースの大雑把な視点。
ヨグの記憶に触れたことで、『センは世界を支える』ということの意味を知った。
世界の創造と運営は別問題。
この土日を、フルで捧げることにより、どうにか、
43ページまで、一応、読めるレベルまで出来ましたw
仕上がっているページは1ページもありませんが、
どうにか、形にはなってきております。
あとは、残り一週間、ここからは、毎日がフル投入になる……っ




