３９話 負のエネルギーに打ち勝つエネルギー。
３９話 負のエネルギーに打ち勝つエネルギー。
Ｆ魔法を司っている中枢システム――『統制のアリア・ギアス』に介入することで、本来ならば、熟練度を上げない限り上昇しないはずの変換率にテコ入れをして、カスみたいな魔力でも高火力を実現できるように調整を施す紙野。
その結果、
クリミアの腹部に風穴が空いた。
本来、『紙野のスペック』で撃てる異次元砲では、オーラ・魔力共に最大ブッコミの５～６発分でも、クリミアに大きなダメージを通すことはできない。
のだが――たったの一発で致命の損傷を受けたクリミア。
クリミアは、いまだ何も見えていない……が、
しかし、自分の死が間近であることだけは理解できている模様。
「……ぁ……あっ……」
その場に膝から崩れ落ち、
自分の腹部が吹っ飛ばされたことを、手探りで確認してから、
「……そんな……ゴミみたいな魔力で……なぜ……」
残っているオーラと魔力を生命維持にフルブッパすることで、
どうにか、まだ、命を保っているが、
しかし、もはや、風前の灯火。
ハッキリと意識が薄れてきている。
「なんで……こんな……私は……世界のために……尽くして……きたのに……」
などと、ナメたことをほざくクリミアに、
紙野は、
「お前がどう思おうと、どうでもいいけど……流石に、その言い分は、間違っているんじゃないかなぁ、と俺なんかは思うかなぁ」
呆れを隠さずに、そうつぶやいた。
実際のところ、紙野にとって、クリミアの感想などどうでもいい。
しかし、たとえば、テレビを見ている時に、イカれたコメンテーターが、『政治や歴史や宗教などの、繊細な問題に対し、明らかに、不愉快かつ間違っている謎のコメントをかましている』という場面に遭遇したら、『こいつ、やべえなぁ』とドン引きの感想を抱くのが普通の人間の反応だろう。
今の紙野の心境は、まさにソレ。
別に、クリミアの思想を『正論で指摘して正したい』と思っているわけではなく、
ただ、純粋に『こいつ、イカれてんなぁ』とドン引いているだけ。
紙野は、クリミアのログを確認しながら、
「負のエネルギーが世界を循環させるってのは、まあ、確かにそうなんだろう。絶望が強いエネルギーとなり、世界という器を支える……その視点は事実だから別にいいんだけど、お前は、ただ、欲望に溺れただけだろ？ 自分の欲望に忠実……それが悪いという気はないよ。俺も、俺の欲望のために、この世界を絶望で染め上げる気でいるから。でも、その行動を、『世界のために尽力した』なんて『おためごかし』に変換する気は毛頭ない。それは、あまりに不誠実が過ぎる。美学が死んでいる」
自分の感想を口にしていく。
説教をしているわけではない、
後悔を求めているわけでも、反省を促しているわけでもない。
これは、あくまでも、
『俺はこう思いました、まる』という、
なんの意味もないクソレビュー。
「あと、これだけは言っておこうか。『ゲスな欲望』による絶望は、確かにすごいエネルギーなんだけど、『そのゲスな欲望に打ち勝つエネルギー』の方がもっと大きいんだ。あんたが、本当に、世界のために頑張る気があるなら、『自分の弱さ』に立ち向かうべきだった。楽な方に逃げたカスが、大層な口を利かないほうがいい。みっともないから」
九華の十席。残りの名前。
１６位「ジョー・カンパネルラ」
１７位「カーミライム・ヘルファイア」
１８位「ダイナマイト・ダリィ」
１９位「クウリュート・ヤマティ・A・ノーロッチ」
２０位「ミケランジェイル・スカー」
２１位「グレイ・リュートマ・O・ノッカイ」
２２位「アンドレ・アルトマ・O・ノッカイ」
２３位「ジョー・ミネディ」
２４位「ビアラ・モスト・D・アークホーン」
２５位「エバ・マイマイン・ツンデレラ」
やはり、「御伽族」は高性能な模様ｗ
「質の高い御伽族」として生まれ、ちゃんと努力した者は、普通に天上に上がる、みたいな感じｗ
御伽族の中でも、ランクがあり、最高位の御伽族でないと、神族には上がれない。
神族に上がれるのは、流石に「最高格の御伽族」だけだが、御伽族として生まれれば、どのランクであっても、ちゃんと努力すれば、百済や楽連には入れる。
ウィキを見ない人のために、御伽族について、少しだけ、書いておきます(*´▽｀*)
・御伽族。
第二アルファでたまに生まれる特別な個体。
いわゆる突然変異。
だが、御伽族としての特性は、遺伝することが多いので、突然変異と言っていいのか微妙なところもある。
基本的には第二アルファ限定の個体なのだが、
ごくごくまれに、第二アルファ以外でも、御伽族が生まれることがある。
パメラノやジャミやアクバートなど、変に長い名前を持つ者があてはまる。
彼らの「奇妙な名前」は第二アルファにおいて、きわめて数少ない、天才型・希少種の証。
第二アルファにおいても「親から名前をもらう」のが一般的なのだが、
ごくごくまれに「生まれた瞬間から名前を持っている者」が生まれてくる。
※ アイ系で確認すると、命名される前から名前がついている。
ほかの世界でも、たまに「名をもつ者」が生まれることもあるが、
たいていの場合「ちょっとした世界の不具合」として処理される。
「特別な赤子」として変に奉る世界もあるが、たいていの世界では、
「よくわからん、妙な赤子」という扱いをうける。
・御伽族の希少性は、遺伝することが多いが、遺伝しないこともある。
・御伽族は、例外なく、ステータスが高く、特別な資質を持っている。
・御伽族は、第二アルファにおける貴族的な立ち位置にある。
「貴族」という「正式な家系・体系」があるというより、
――「御伽族は、特別な教育を受け、支配者層に加わる」
というのが、第二アルファにおける基本的なルールといった感じ。
『ニュ〇タイプは、優先的に政府運営に参画する権利を持つ』みたいな感じである。
※ ゾメガの場合、ロギアネームであるため、少し例外だが、系統は同じで、ゾメガも御伽族。
そこらの御伽族とは格が違う、御伽族の中でも最高位の存在である「不可思議御伽族」の中の、さらに最高位の存在。
ジャミも「不可思議御伽族」なのだが、「格」で言えば、少し劣る。
パメラノも「不可思議御伽族」で、格としても、けっこう上だが、ゾメガよりはハッキリと劣る。
グレイとアンドレは不可思議御伽族の中で、最底辺（潜在能力的には最高格になれる可能性もある）。
ワイトマジェスも最底辺（正直、不可思議御伽族の中ではザコい）
ビアラは不可思議御伽族の中で「中級」といったところ。
アクバートやズシオーは普通の御伽族。
クウリュートも御伽族だが、「龍族の御伽族であり、御伽族の中で最高格。上位の不可思議御伽族に匹敵する破格の潜在能力を持つ。御伽族としての質・格だけで言えば、アクバートやズシオーよりもだいぶ上。ワイトマジェスやビアラやグレイやアンドレぐらいなら楽勝でボコボコにできる」
