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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
超神I章 チクタクダンスは終わらない。

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22話 元主人公の運命力。


 22話 元主人公の運命力。


「……何も……してあげられなかった……たくさんもらったのに……俺は……何も……」


 彼女の死体を抱きしめて、ポロポロと涙を流す紙野。


 心が壊れていくのを感じた。

 この世界に転移してから、無数の感情の渦の中で翻弄された。


「……トコ」


 必死に頑張ったのに、何者にもなれなかったこと。

 家庭環境が完全にぶっ壊れていたこと。

 バイト先でとにかくしんどかったこと。

 多くの人にニコトピアを愛してもらえたこと。

 そのニコトピアが消失したこと。

 けれど、大好きな娘に出会えたこと。

 でも、その大好きな娘を殺されたこと。


「……っ……」


 ギリっと奥歯をかみしめる。

 これまでのすべての絶望に対する『憤怒』を煮詰めて、





「……プラス……」





 誰にも聞こえないぐらいの小声で、





「プライマル……」





 異次元の領域、可能性の最果てをつぶやいてから、

 紙野は、天を仰ぎ、







「プラチナァアアアアアアア!! スペシャルゥウウウウウウウウ!!」







 絶望の水でヒタヒタになった器の中に思いっきり石を投げ込んだみたいに、

 盛大にふき上がる絶望の柱。


 グンっと、

 明らかに、

 『存在感』が増した。


 そのことに、キムロは即座に気づく。

 スペシャルが覚醒する激熱シーンは、これまでの人生で、何度か、見たことがある。

 彼は、『悪意をまき散らして、他人を追い込む側』なので、追い込まれた人間が、絶望を糧にして命を暴走させるところを見る機会は、普通に生きている人間よりも多い。


 ただ、そんなキムロでも、

 プラチナを顕現させた超絶革命シーンを見たのは初めて。

 これまでに見てきた中で最高位はゴールドスペシャルだった。


 その時は、戦闘系のゴールドスペシャルが発現したので、

 処理するのに、だいぶ手間取らされた。


(……プラチナが目覚めたか……クソほど鬱陶しいな……てか、大丈夫か? プラチナはやべぇよなぁ……)


 『プラスプライマル』の部分は聞こえていなかったので、

 キムロは、紙野に顕現したスペシャルの階級を、ただのプラチナだと誤解する。


(慈悲を見せずに、さっさと殺しておくべきだった……)


 彼女の死体を返す――というのは、キムロからすれば、かなりの慈悲。

 それだけの慈悲を、善意から与えてやったというのに、

 こんな鬱陶しい抵抗を見せられて、キムロは憤慨していた。

 飼い犬に手を噛まれた気分。

 勝手な話。


 キムロは、アリババをアイテムボックスに戻し、


「ヒガラ……こい」


 転生した時から保有しているチートアイテムの一つ『ヒガラ』を召喚する。

 キムロの命令によって召喚されたのは、手のひらサイズの二頭身ドラゴン。

 つまりは、携帯ドラゴンである。


「……どんなスペシャルが顕現したか知らんけど……もし、その、目覚めた力を俺に向ける気なら、普通に殺すからな」


 紙野に対し、『ほとばしる殺気』を向けるキムロ。

 ここまで紙野を警戒するのは、『プラチナスペシャルのエグさ』を知っているから。

 『国の中枢、上層部に属する知人』の中に、何人か『プラチナスペシャル』をもっている者がいるのだが、

 そのどれもが、狂ったような『破格の性能』を有していて、『敵対すると厄介だ』と心底から思った。


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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] 正直この程度で覚醒する程、プラスプライマルプラチナスペシャルは、甘くないと思うんですけど…(´・ω・)。これに関しては紙野自体の特別さからってのはあるとは思いますが、他の意思が入っているとし…
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