表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
超神G章 ザンク・ザンク・レボリューション。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3271/6054

20話 ドブゴキブリのように美しくなりたい。


 20話 ドブゴキブリのように美しくなりたい。


「じゃあ、サクっと殺してくれる? 痛くしないでよ。ここまで、散々、傷だらけのボロボロになって、みっともなく、泥臭く生きてきたんだから、せめて、最後ぐらい、サクっと綺麗に死にたい」


 と、そこで、蝉原は、軽く呆れた顔で、

 頬をポリポリとかきながら、


「あのさ、閃くん。君、ずいぶんと、晴々とした顔をしているけれど……一つ聞かせてもらっていい? ……俺は確かに、さっき、『君がおとなしく死ねば、田中ザンクは殺さない』と言ったけれど……その発言を、まさか、うのみにしているわけじゃないよね?」


「うのみにしているわけじゃない。私は、あんたの交渉に応じるだけ。『私との契約を守る』よりも『ザンクを殺す方が大事』なら、好きにすればいい。私は、あんたが、『そんなに小さなカスではない』と思っている。その信頼が『裏切られる』か、それとも、『確固たる結論』になるか――それだけの話だから」


「……脅してくれるね。『信頼のくさび』を、この俺に打ち込むのか。他の誰かの楔であれば『心底どうでもいい』と、鼻で笑うところだけれど……くくっ……『君の中にいる俺』だけは裏切れないな。正直、先のことを考えると、ここで、殺しておきたいけれど……田中ザンクは生かしておくよ。ただ、ここだけ生き延びても、いつか、どこかで死ぬよ。君とは違うんだ。テキトーなところで、何も果たせず、ぽっくりと死ぬよ、アレは」


「死なないと思う。ザンクは、私の想いを継ぐんだから。このまま、もっと強くなって、いつか、あんたを殺すよ。確実に」


「念を押すねぇ。そこまで言われたら、田中ザンクを殺すわけにはいかない。君の中の俺を、『惨めな臆病者』にするわけにはいかないから」


「……ふふ」


「ん、なにがおかしいのかな?」


「あんたのこと、嫌いだけれど……さっき言った通り、部分的には憧れていた。それは事実。あんたのカリスマは、私にはないものだったから。殺されるなら、蝉原勇吾に殺されたい――そんなことを思ったことも……何度かある。常に思っているわけじゃないけどね」


「ふふ……光栄だよ。君ほどのヒーローにそこまで言ってもらえて」


「あんたはカッコよかったよ。いつも、黒く、輝いていた」


「黒光りしていた、と言われると、ゴキブリ扱いにしか聞こえないのだけれど?」


「ドブゴキブリのように美しくなりたい。写真ではとらえきれない気持ち悪さがあるから」


「……くく……ははは……」


 楽しそうに笑ってから、

 蝉原は、


「君は本当に美しいなぁ」


 右手を、テラスに向けて、


「愛しているよ、閃くん」


 そう言ってから、

 異次元砲を放とうとした、


 ――が、そこで、

 ザンクが、






「待てや、蝉原ぁああああああっ!」






 と、それまでのキャラをぶっ壊すような勢いと声量で叫んだ。


 そのド迫力の怒鳴りに、しかし、わずかも怯むことなく、

 ピクリとも反応を示さないまま、蝉原は、


「うるさいなぁ。急にどうしたのかな? 今、俺と閃くんは、非常にエモい別れのシーンを演じているところなんだ。出来れば、黙っていてほしいな」


「……タイマンはろうや」


「……はい?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] 更新乙です。 頑張れ!! エクストラランクの評価を下されたザンクくん!! 多分裏側で主人公補正的なやつあるし、テラスさんが稼いだ10秒程度で世界の深淵の10個ぐらい覗いただろ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ