表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
超神F章 ザンクさんの景色。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3170/6051

49話  タナカ・イス・ザンクが望むもの。


 49話  タナカ・イス・ザンクが望むもの。


 タナカ・イス・ザンクには夢がない。

 叶えたいと渇望する夢が存在しない。

 絶対に正しいと信じられる夢がない。


 だから、面白そうか否かでしか行動基準をはかれない。

 ――と、そんな風に、自分をブランディングしている。


(んー)



 ザンクは、考える。

 自分がほしいもの。

 なしとげたいこと。


 自分の中の奥深くに潜って、

 自分の渇きと、真剣に向き合ってみる。

 自分に対して真剣に問いかける。

 本当に、何でもできるという状況になったその時に、

 ――お前は何をのぞむ?


(……んー)


 なかなか出てこなかった。

 自分の渇きすら理解できていない。

 その軽さが、ザンクの特徴の一つ。

 薄くて軽い。

 羽のように質量が薄いので、風がふくだけでも、軽やかに舞えるけれど、

 しかし、ただそれだけで、それ以上の意味や価値をもちえない。




 //――などという、そんな薄っぺらな幻想で自分をだます//




(んー)


 さんざん、自分自身と向き合ってみた結果、

 ザンクは、ついに、一つの答えにたどりつく。

 それは、今まで、自分の中には存在しないと思っていたものだった。


(理想のパートナー、なんかなぁ……やっぱり……)


 なんだかんだ、いろいろと、思考が錯綜したけれど、

 結局のところは、そこに落ち着いた。


 ――ありきたりな幸福を追い求める気はさほどない。

 子供が欲しいとも思わない。

 セックスに大きな魅力も感じていない。

 交際や結婚という制度に対しては『旧時代の遺物』としか思っていない。

 恋愛という概念を神聖視・特別視する風潮には、実のところ辟易している。


 ――だが、どこかで、なにかに焦がれている。

 ソレが何か、完全に理解できるほどの『ダンディズム(男の教養)』はまだ獲得できていない。

 ザンクも、しょせんは『まだまだ青い十代』でしかない。


(ザンクさんと釣り合うだけの女がおるとは思えへんけど……でも、親戚連中は、全員、『田中家の性能とはまったく釣り合わん低スペックな相手』を見つけて、よろしくやっとるしなぁ。恋とやらに落ちた場合、相手のスペックに関してはどうでもよくなる……んやろうなぁ、たぶん。経験したことがないから分からんし、正直、わかりたくもないけど……)


 理性の部分では、『パートナーなどいない方がいい』と理解できているのだが、

 奥の奥にある感情論の、そのさらに奥の方で、

 『パートナーとの時間』を望んでいる自分を感じて、

 ザンクは、鬱陶しそうに溜息をついた。


(みっともない話やで……世界一の天才を出し抜いて、神をも超えたその先に望むことが、婚活とはなぁ……どんだけダサイねんって話やで、ほんま……)


 情けなくて涙が出そうだった。

 しかし、どれだけ考えてみても、

 それ以外に望みがないことに気づき、

 ザンクは、さらに落ち込んでしまう。


(……んー……ザンクさん、薄っぺらいなぁ……まー、ええけど)


 異端ではあるが、彼も、結局のところは、間違いなく、田中家の血族だった。

 異質の塊であるタナカ・イス・ザンクといえど、己の血には逆らえない。


(……ま、未来のことは、未来の自分が考えればええ)


 そう結論付けると、

 ザンクは、『シャイニング/G‐クリエイション』の改竄に着手しようとする。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] ザンクとセンは違うところもあればにてるところもあるんですよね。 センだって最強の神になってもシューリと夫婦以上友達未満みたいな関係続けてましたし。 というか //――などという、そんな薄っ…
[一言] ザンクさんシステム深堀りしたり自己完結して冷めたり唐突にパートナーを渇望したりでもなんとなく深堀再開したりと遊属性らしく自由気ままに動いてるように見えるけど、 自分のやりたいように動くという…
[一言] 無理せずに頑張ってください。毎日楽しく読んでます!!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ