39話 ヒーロー見参。
本日の2話目です。
39話 ヒーロー見参。
(ジャ○プ漫画や特撮映画やあるまいし、都合よく、ピンチにかけつけてくれるヒーローなんかおってたまるか。人生ナメんなよ、ぼけぇ)
ザンクは、ヒーローに期待しない。
――『だから』と言い切るのも、正直どうかと思うのだが、
『絶対的な事実』として、ザンクは、その手の『ピンチをヒーローに丸投げするタイプ』の作品が、あまり好きではない。
というか、そもそも、創作の作品に対して興味がない。
『フィクションに時間を使うのはもったいない』と感じるタイプ。
『常識の範疇』で『人気作に目を通すこと』はあっても、物語に没頭したことはない。
冷めているのではなく、方向性が違うだけの話。
『肉好き』と『ベジタリアン』の違いと同じ。
(レバーデイン。お前には、まだ、これから先、色々と働いてもらわんといかん。というわけで、まだ殺さん。今のところは、ギリギリ生かしておいたる。――ただし、今夜からずっと、死ぬまで、おどれは、『今日をモデルにした悪夢』を見続ける。魂に刻み込んだる。ザンクさんは、家族に仇なすものを決して許さへん。お前は、ザンクさんにとって『最愛の家族』であるザンクさんを殺した。絶対に許さへん。殺しはせんけど、永遠に苦しんでもらう)
ずっと、冷めた目で、レバーデインが苦しんでいる様子を見届けている。
誰もが絶望の未来を予想した。
永遠に終わらない死のループ。
――と、その時だった。
ザンクの目が丸くなる。
(ふぇっ?!)
背後に気配を感じて、
バっと、振り向いてみたところ、
そこには、強大なオーラを纏っているイケメンが立っていた。
(……まさか……ウソやろ? ……え、どういうこと? なんで、おるん?)
ザンクが、困惑していると、
強大なオーラを纏っているイケメンは、
壊れたヘルズ覇鬼をにらみつけて、
「――ヒーロー見参――」
などと、そんなことをつぶやいた。
(えぇ?! マジで言うてんのか?!)
開いた口がふさがらないザンク。
もう、とにかく、すべてが意味不明だった。
強大な力を持つイケメン――『ドーキガン』が登場したことも。
その発言内容も。
とにかくすべてがワケ分からん過ぎて、ガラにもなく、ただただ無様に困惑していると、ドーキガンは、
「――閃光斬――」
『ドーキガンが剣を抜いた』と、ザンクの脳が処理したと同時、
ドーキガンは、知覚できない速度で、剣を横一文字に薙いだ。
そして、気付いた時には、
ブシュウゥッ!!
と、ヘルズ覇鬼の首が飛んで、大量の血が噴出していた。
『飛翔する斬撃』がヘルズ覇鬼の命を一瞬で奪い取った。
(……えぇえ……っ)
――現段階で、すでに、
ザンクは、この世界における『強者』と言うものを理解していた。
モナルッポや、レバーデインが身近にいて、
かつ、サーナや、カバノンの力を肌で感じることもできたので、
『この世界の底は、だいたい、このぐらいだろう』というモノサシは出来上がっていた。
しかし、ドーキガンは、そのモノサシの向こう側にいた。
モナルッポやサーナとは、深みがまるで違った。
『人類の救世主』という称号は伊達ではなかった。




