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8話 はじめての、れべるあっぷ

 8話



 命令を受けると、ワンダーナイトは、コクリと頷いて、

 スゥっと長剣を抜きつつ、オーガのもとへと進んでいく。


 ※ ちなみに、正確に言えば、召喚獣が殺しても召喚者に経験値は入る。ただ、直接殺した際に得られる経験値と比べると、かなり低くなってしまう。






「――シンニュウシャ、コロス」


 オーガは、同じ事を言いながら、ワンダーナイトに飛びかかった。

 所持している大ナタをワンダーナイトの頭部にむかって振り下ろす。

 力強い一振り。

 が、ワンダーナイトの兜に、キィンと弾かれた。

 ワンダーナイトには、傷一つついていない。


「ワンダーナイトは、カースソルジャーを例外とするなら、俺が召喚できる中で最強の召喚獣。存在値は60。魔法が最も得意なくせに攻撃力も防御力もかなり高めというチート騎士。存在値20ちょっとのオーガの攻撃はきかないねぇ」


 スリーピース・カースソルジャーがブ○ーアイズ・アルティメットドラゴンだとすれば、ワンダーナイトは、さしずめ、『ブラッ○マジシャン』。


 正式なラムドの切札。

 ラムドが最も信頼しているエースモンスター。

 剣の腕も防御力も優れているが、実は最も得意なのは魔法(最大でランク6の魔法が使える)という高性能(というかぶっ壊れ)ぶり。

 ラムドの切札『優れすぎている魔法騎士』として、この世界の上層部ではかなり名が通っている。



 ――オーガは怯まず、本能のままに、ナタを振り回している。

 オーガの攻撃を受けたワンダーナイトは、しかし、ずっと、まったく意に介していない様子。

 まるで、蚊でもはらうように、スパスパッっと、


「グォオオオオ!」


 オーガの両腕を斬り飛ばすと、剣を腰に収めて、オーガの顔面を右手でグっと掴み、床に向けて叩きつける。


「ガァア!!」


 強制的に仰向けにさせられたオーガ。

 ワンダーナイトは、まだまだ反抗的なオーガの顔面に、五発ほど拳を叩き込んだ。


「ガ……グ……」


 瀕死になったのを確認すると、ワンダーナイトは、オーガから離れて、ゴートをチラ見した。


 まるで、『命令は遂行しました』とでも言わんばかりの堂々とした態度。


 その姿を確認すると、ゴートは、


「流石だ。よくやった、休んでろ」


 パチンと指をならしてワンダーナイトをジオメトリの向こうへと返しながら、背後にいるUV1の方に視線を向けて、


「どうです、俺の準エースモンスター。なかなか強かったでしょう?」


「ワンダーナイトくらい、私がその気になれば、100体いても瞬殺できる」


「いや、まあ、でしょうけれども」


 ポリポリと頬をかきながら、ゴートは、亜空間倉庫に手を伸ばす。


 取りだしたのは魔銃。

 さほど威力がある訳ではないが、『使用者の魔力を媒体とした闇属性の魔弾』が常時自動装填され続ける魔道具。


 ラムドが召喚した異界の武器で、安定したダメージが出せるシングルアクションリボルバー型の銃。

 名前は『エボボ』。


 ゴートは、撃鉄を起こして、瀕死で倒れているオーガの頭部めがけて撃ち込んだ。


「あれ?」


 ガッツリと外してしまったゴートは、


(銃は必死に練習したから、今では得意な方だってのに……なんか、感覚がおかしい。俺なら、流石に、こんな距離ははずさねぇ。もしかして、ラムドと合体したことで腕が鈍った? んー……俺とラムドって、単純な相性が悪すぎるんだよなぁ。合体したことで、全てのステータス・スキルがシッカリキッチリと弱体化している。10+1で9になるっていう。なんでだよ。……ピッコロとネイルの関係? どこがだよ。これじゃあ、ゴクウとサタンの合体だ。で、この場合のサタンは俺っていう……ヘコむぜ)


 仕方なく、撃鉄を起こしながら、オーガのすぐ近くまで寄り、頭部に銃口を当てて、ゼロ距離で、ズガンと撃ち込んだ。


「まだ、死なんのかい」


 ゴートは、その後、二発撃ち込んだ。

 そうすることで、ようやくオーガは死んだ。

 オーガの体から、よくわからない光の粒が、湯気のようにチラチラと放出される。

 やがて、それらは、ゴートの体に入っていった。






 ――てれれってってー。

   ゴートのレベルが上がった。

   賢さが上がった気がした。

   柔軟さを無くした気がした。

   かっこよさが『1』上がった。

   ラスボス力が『6』上がった。

   コスモゾーンとの乖離値が『290000』あがった。





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