表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
超神B章 センエース・ヌルは何者でもない。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2841/6040

38話 10000年の高み。


 38話 10000年の高み。


 ピィイインと、空気が張り詰めた。


 センは、柔らかに武を構えており、

 ブロールは、強健な武を構えている。


 ほんの数秒の静寂。

 最初に動いたのはブロール。


 綺麗な突撃だった。

 芸術的と言ってもいいムーブ。

 オーラを込めた拳でセンを殴りつけるブロール。


 そんな暴風ブロールを、

 センは、まるで柳のように、



「っっ?!」



 鮮やかなスウェーで回避する。


 リンボーダンスのクライマックス中のような体勢になっているセンは、その状態のまま、右ヒザを上につきあげた。


「ぐぶっ」


 ブロールの腹部に直撃。


 ――そんな一連の動きを受けて、

 ブロールは意識改革を開始する。


「……存在値200前後に見えているが……なるほど、高位のフェイクオーラか。あまりにも、よどみがなさ過ぎて、気付かなかった」


 自分の強さを隠す魔法『フェイクオーラ』は、

 下手な使い手だと『かくしているのがモロバレ』の変なオーラになるが、

 達人に使われると、見抜くのがだいぶ困難になる。


「今の動きから推察するに……貴様の『本当の存在値』は、400前後と言ったところか」


 その言葉に反応したのはアブライだった。


「た、たかがナイトが、王族級の力を持つなど、ありえんだろう、ブロール!」


「私もそう思いますが、事実、この者は強い。本気を出す必要がある」


 そう言って、ブロールは腰を落とした。

 オーラと魔力を、腹の下に集中させる。

 グツグツと、燃えたぎるような波動を感じさせる。

 ブロールは、まっすぐな瞳で、センを見据えて、


「名前は……なんだったかな?」


「この世で最も偉大な聖女ノコ・ドローグの剣、センエース」


「そうか。では、行くぞ。センエース」


 先ほどのような様子見の一撃ではない。

 魂を込めた『本気の一撃』でセンを討とうとするブロール。


 その一手を受けたセンは、

 まるで、『熟練の導師』のように、


「……オーラの流れに意識を傾けすぎだ。中級者にありがちのミス。たまには、目に映るものだけに注意を向けてみるのも悪くはない」


 センの動きは、常にフラット。

 川のせせらぎのように、涼やかでゆるぎない。


 そんなセンのムーブを受けて、

 ブロールは、心の中で、


(……遠い……なんだ……なんだ、この遠さは……)


 動揺が止まらない。

 目の前にいる男の『高み』に震える。



「こだわりは大事だが、とらわれたら本末転倒……という観念にも、気付けばとらわれてしまう。それが、魂の指向性における、もっとも厄介な点」



 受け攻めが常に完璧なセン。

 たった数手をかわしただけだが、ブロールは理解した。


(……勝てない……この男は、強さの次元が違う……)


 センは強すぎた。

 そして、センの強さが理解できるくらい、

 ブロールも強かった。


「力とは、ぞうしょうにするため、技とは、りゅうとするため。では、心とは、何を何にするため?」


 疑問符を投げかけたのは、

 きっと、まだ、答えに届いていないから。


 センは、

 自分が『10000年』をかけて磨き上げてきた『高次の武』を、

 ブロールに伝えようとしている。



――読者の皆様、新生活、お疲れさまです。

新しい環境、新しい人間関係、しんどいことは山ほどあるでしょう。

私も死ぬほど経験したので、気持ちはよくわかります。

……ここで、ウチのド変態からひと言。


舞い散る閃光「頑張れとは言わない。もう、あんたは十分、頑張ってきた。だから、もし、今、立ち上がれないほど疲れてしまっているのなら、そのまま寝ていていい。ただ、前を向くことだけはやめるな。あんたが前を向き続けるのであれば、『どんなに苦しくても、絶対に折れずにあがきつづけるバカの背中』を、最後まで見せつけてやることができるから」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] 力とは何かもセンに継承された要素なんでしょうね。 これもセレナーデを読むと重要なセリフだとわかるのかな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ