表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
超神B章 センエース・ヌルは何者でもない。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2827/6038

24話 男自慢をするノコ。


 24話 男自慢をするノコ。


 センのことを話すときのノコはイキイキしていた。

 ノコは、とろけたような顔で、続けて、


「ウチのセンは、間違いなく、世界一の男よ。今のように『強大な強さ』を得る前から、センは、誰よりも勇敢で気高い男だった。努力家で、清廉で、根性の塊で、この世の誰よりも優しい、最高のナイト……」


 全力で、男自慢をしていく。


「ちょっと、あなたたちに聞きたいんだけど、あたしが駆逐した『流行り病』には『レベル』があるの、知ってた?」


 二人が首を横に振ったのを見て、

 ノコは、続けて、


「レベル10まで段階があって、レベル2ぐらいだと自力でも治せるんだけど、レベル5以上の疫病にかかると、体を動かすことすらできなくなるの」


 それを聞いて、ヒキーレは、


「では、私はレベル5以上だったということでしょうか? まったく動けなくなって、呼吸すらロクにできませんでした」


「そのとおり。あなたはレベル6だった。疫病レベルは、一つあがるごとに、どんどん辛くなっていくの」


「あれでもレベル6ですか……正直、10だと思っていました。そのぐらい……本当につらかった……」


「レベル10は、そんなものじゃないわ。――これは、あの病気を治すとき限定の話なのだけれど、『対象がかかっている病気』を、あたしは、ちょっとだけ『体験しないといけない』の。その特性があるから、あたしは、レベル1~10まですべて体験しているのだけれど、レベル10は、本当に、とんでもない苦しみだった。『1秒たりとも生きていたくない』とすら思ってしまったほどの地獄。実際、レベル10に感染した人の大半は、苦しさのあまり、自殺してしまっていた」


 その話を聞いたヒキーレは、


(ノコ様は、数千・数万という単位で、病気を治してきた……つまり、今の話が本当なのであれば、ノコ様は、数千・数万という単位で『重たい病気を体験してきた』ということ……この人は、『老い』という苦しみだけではなく、『病気を味わう』という苦痛を伴うことで、人々の病気を治してきたのか……)


 あらためて、ノコの偉大さを理解したヒキーレは、

 そこで、深く頭を下げて、


「私と妻、そして、多くの民衆の病気を治していただき、本当に、ありがたく思っております。そのご恩を忘れ、ガルムとともに、ここまでせめてきたこと、心からお詫び申し上げ――」


「あ、ちがう、ちがう。そんなことはどうでもいいのよ」


「え?」


 てっきり、そういう話の流れだと思っていたが、

 ノコは、まったく違う角度で話を切り出す。


「あなたが『家族を守るために動いた』ということは知っているわ。大事な人を守るために全力を尽くす。当たり前のことね。……もちろん、あたしは、殺されたいとは思っていないし、殺しにこられて普通に不愉快だけれど、『あたしの討伐に向かわざるをえなかった』という『あなたの事情』は理解できる。だから、そのことについて、とやかく言う気はないわ」


「感謝します」


「そんなことはどうでもよくて、あたしが、『あなた達に知っておいてもらいたいこと』は、センのことなの。……あなた達は、センが、『自分も病気にかかっていたのに、それでも、周りの人たちの看病をしていた』という事実を知っている?」


「いえ、もうしわけありませんが、そういう細かい事情はまったく存じ上げておりません。……正直、私が知っているのは、ノコ様が、魔法の力で、人々を救ったこと、その結果、老いてしまったこと。そして、バルディ殿下にその老いを押し付けて逃亡したこと……このぐらいのことしか知りません……というか、聞かされておりません。勉強不足の無知で申し訳ありません」


「別にいいわ。でも、これからは知っておいて」


 そう前を置いてから、

 ノコは、コホンとセキをはさみ、


「あの時、センは、レベル10の疫病にかかっていたの」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ