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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
F章 まさかの、ラムドがラスボス?! その発想はなかったわ
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16話 ラムドとバロール

 16話



 と、ちょうどその時だった。

 空間が歪んで、一度、バチっと電流が走る音がした。


 音がした方に意識を向けてみると、


(……ん? 誰だ?)


 そこには、猿顔の偉丈夫が立っていた。



 その姿を見つけるやいなや、UV1が、




「ば、バロール猊下?!」




 驚きのあまり大声をだしてしまった。

 その事を軽く恥じつつ、即座に片膝をついて頭をたれるUV1。


 その姿を見て、ゴートは、


(猊下……ねぇ……あの猿顔……もしかして、さっき教わった神の一柱か? ……どうやら、俺も、頭を下げておいた方がよさそうだな)


 UV1の姿をマネて、片膝をついて、軽く頭の位置を下げておく。



「顔をあげていい」



 許可をもらい、UV1が頭をあげた。

 続けて、ゴートも、クっと目線の位置をあげる。



 UV1が、


「どうなさったのですか、猊下。このような下層にまで足を運ばれるなんて」


「色々と事情が変わってな……」


 少し疲れた口調でそう言うバロール。

 シューリから急に、『もう飽きた。あとは好きにやれ』と言われてから、バロールは計画の修正に奔走していた。

 シューリのプランは『シューリがいてナンボ』という部分が多い『なかなか綿密な計画』だったので、シューリがいなくなると、色々と複雑かつ面倒な調整が必要になってくる。


 シューリの頭脳があれば一瞬だろうが、バロールの頭脳だとそうではない。

 バロールもバカではないが、マルチタスクは苦手だったりする。


(結局、こうなった……だから、終理殿下と仕事をするのはイヤなんだ。あの御方は、ゼノリカを完全にナメきっている。なぜ、あのような暴挙が許されるのか……まったく……)


 心の中で愚痴をはき、


(まあいい。下手にゴチャゴチャと口出しされるより、全部任せていただいた方が、こっちとしてはむしろ楽……神帝陛下の御命令……私が、私の才覚だけで、完璧以上に遂行してみせる……)



「猊下? どうなさいました? お顔が優れないようですが?」


「別になんでもない。気にするな。それより、ラムドはどこだ?」


「ぇ、あ、こちらに」


 そこで、ゴートに視線を向けるUV1。


 UV1の意図を理解したバロールは、ゴートを見て、怪訝な顔をして、


「なに? ……どういう……何があった?」


「あぁ、その……」


 UV1がどう説明したものかと逡巡した、そのすきをついて、ゴートが、


「お初にお目にかかります、バロール猊下。ラムド・セノワールと申します」


「ラムドは、かなり年老いた風貌のリッチだったはずだが?」


 ラムドは、老人タイプの進化種。

 だが、目の前にいるのは、壮年期の魔人。


 確かに面影はあるが――


「つい先ほど進化いたしまして、寿命が出来てしまったため、秘蔵の若返り薬を使い、このように仕上げた次第でございます」


「……ふむ。進化ねぇ……なるほど。まあ、お前からすれば、現状は、なかなかの緊急事態。そういう事もありえるか」


 納得したように頷くバロール。

 決してバカな訳ではないが、『頭を使うのが好きな訳ではない』というのも事実。

 『その卓越した肉体でもってゴリ押しする』――だけが取り柄ではないが、しかし、それが最も性に合っているのも事実。


「それで、猊下。私に何か御用ですか?」


 結果、バロールは、ラムドの変化に対して、特に頭を動かすことなく、


「うむ」


 サラっと、


「お前には、魔王国の現状維持をさせるつもりだったが、その予定を大幅に変更する」


 当初の予定通りに事を進め出す。

 そんなバロールの発言を受けて、ラムド(ゴート)は、反射的に、軽くあごをしゃくって、



「ほう」



 頭の中で、バロールの命令が何を意味するのかを必死に考えているゴートに、バロールは、たんたんと続ける。


「基本的なルートに変更はない。だが、魔王国のポジションにはテコ入れをする。ラムド、魔王国の内政に力を入れて、国力を上げろ」




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自作コミカライズ版35話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
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