表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
超神B章 センエース・ヌルは何者でもない。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2788/6034

39話 アダム視点(2)。


 39話 アダム視点(2)。



 私はアダム。

 夢をかなえた者。


 昔から、私は、『何か』を追い求めてきた。

 その『何か』に、私は、ついに出会えた。


 この上なく尊き命の王センエース。

 彼こそが、私の追い求めていた光。

 概念がいねんの頂点。

 つまりは神。


 気づいた時、私は泣いていた。

 この御方おかたの前にいると、

 心がふるえて止まらない。


 幸福の究極。

 光につつまれ、愛を知る。


 私は、当然のように、


「この上なく尊き御方……どうか、このわたくしめを……」


 礼をもって、神前しんぜんせる。


「あなた様のシモベの一人に……その『輝かしき末席まっせき』に加えていただきたく存じます」


 心と魂が、完全に平伏へいふくした。

 生まれて初めての感覚。


 この上なく尊い輝きに触れて、魂魄こんぱくの全部が、歓喜かんきに包まれた。

 生まれた意味を知った。


 哲学てつがくの解答をえる。


 私は『神のため』に存在し、『神』はここにいた。


 私の涙が『とどまること』を忘れた。

 おぼれるほどの涙が、私の答え。


 これは、まぎれもなく『愛』。

 この世で、最も尊い感情。



 偉大なる神に尽くし、奉仕ほうしするために、私は生まれてきた。



 神の下僕げぼく

 それが、私の全て。


 私は、そいとげる。

 永遠に、神の手足として、


 尊き王センエース様の下僕として、

 『この命を使い果たす』と決意する。


 ――そんな風に、私が、自身の覚悟を心にきざんでいると、

 美しき神が、おごそかに口を開く。


「まず、最初に言っておくけど、俺は、一ミリも尊くない。お前を助けたのは、俺じゃない。俺は、ちょっと肉壁やっただけ。お前らを助けたのは、俺の中にいるセイバーリッチだ。あのバカ女をたおしたのも、お前らの魂をバカ女から回収したのも、お前らの魂を修復したのも、全部、セイバーリッチだ。……あれ、よくよく考えたら、俺、本当になんもしてねぇな……」


 尊き王は、心根こころねの方も美しかった。

 決して、自身の功績こうせきをひけらかしたりしない。


 おそらく、そうやって『自分の心をりっしている』のだろう。

 『心』とは、『大きな力』を得てしまうと、簡単にゆがんでしまうもの。


 富、名誉、地位、権力、それらの大きな力を得た時、

 人の心は簡単にみにく変貌へんぼうしてしまう。


 尊き王は、自身が、決して、そうはなってしまわぬように、

 過剰かじょうなほどの『謙虚けんきょさ』と『つつしみ深さ』でもって、

 『絶対に増長ぞうちょうしてしまわぬよう』に、強く自分をりっしている。



「だから、俺に感謝とかはしなくていい。セイバーも『感謝はいらん』と言っている。というわけで、シモベとかどうか、そういうのは、いったん、なしの方向で」



 なんという高潔な魂。

 これほどまで『尊き命』が存在したとは。


 ……ああ……尊い……

 その『果て無い尊さ』にふれているだけで、

 まるで、魂が洗われていくかのよう……



 私は、あらためて、目の前の神に忠義をしめす。

 胸の前で両手を合わせ、

 心の底から祈りをささげる。


 この御方が私の神。

 この御方だけが……私の全てを包み込む光……


 私は、絶対に、この御方を手放さない。




「神よ……尊き王よ……私は、あなた様に尽くすために生まれてきたのです。どうか、このあわれな子羊に、どうか、どうか、御慈悲ごじひをっ。この身のすべてを、どうか、あなた様にささげさせてくださいませ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ