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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
超神B章 センエース・ヌルは何者でもない。

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18話 蝉原の弟子『文月真里(ふみつきまり)』視点(2)。


 18話 蝉原の弟子『文月真里ふみつきまり』視点(2)。


 誰が護衛につくかでモメていると、

 ――そこで、アルブムが、


「やはり、3人と言う数字にこだわらず、全員で供回ともまわりをつとめた方がよいのでは? 『バカのフリ』をして、全員でセン様についていきましょう。その方が安全ですわ」


 そんなことを言い出した。


「おにぃが嫌がりまちゅから、それはムリでちゅ。『ウチの人』は、静寂せいじゃくを好む孤高の人でちゅから、ゾロゾロと周囲をうろつかれることを大いに嫌いまちゅ」


「これみよがしに『妻面つまづら』するんじゃねぇ! いちいち、ハラ立つな、てめぇ! あと、セン様の前では、無駄にツンデレ気取きどってんのも、死ぬほど腹立つ!」


 と、そこで、私は、

 『アズライル・ノーバディ』の方に視線を向けて、


「……アズライル、ずっと黙っているが、それは、セン様の『護衛の任務』を『放棄ほうきする意志』とみなしていいのか?」


 そう問いかけると、

 アズライルは、妖艶ようえんな笑みを浮かべて、



「ああ、ウチのことは気にせんでええよ。『頭おかしいザコ』どうしで、ムダなツブし合いしとけばええ。そのブザマな姿を、安全圏あんぜんけんからながめつつ、最後に、おいしいところだけもらっていくから」



「アズライルは、ほんとに性格が悪いにゃ♪」


「オレの姉貴や、酒神も、相当な性悪しょうわるだが、てめぇには負けるぜ、アズライル。言っておくけど、オレ、お前のこと、大嫌いだから」


「ウチも、『じゅーご』のことは、嫌いやよ。ていうか、ここにおる全員嫌いやけどねぇ。セン様以外、みんな死ねばええんよ。この世に存在するんは、ウチとセン様だけでええ。それだけで、この世界は完全になる」


 そういって、『くさった性根しょうね』がにじみ出ている顔で微笑ほほえむアズライル。


 言うまでもないが、私も、アズライルのことは大嫌いだ。

 彼女とは『役職がかぶっているところ』があるので、出来れば連携れんけいしていきたいのだが、あの性格を許容きょようするだけの度量どりょうが私にはない。


 ――私の同僚どうりょうは、性格破綻者せいかくはたんしゃが多い。

 まともなのは『アルブム』と『じゅーご』ぐらい。


 『師匠せみはら』が『災厄さいやくの大魔王』なので、

 『弟子の性格がぶっ壊れる』のは、仕方ないのかもしれないが、

 できれば、もう少し、『まともな職場』で働きたかったと思う。


 セン様が『上』にいてくれているから頑張れるが、

 もし、セン様がいなかったら、

 私は、この組織から逃げ出していただろう。


 ――と、そこで、酒神が、


「あ、そういえば、みんな、気付いてまちゅか?」


 などと言ってきたので、

 私が代表して、


「……なにが?」


 と聞いてあげると、


「どうやら、あの『キショイ悪人面せみはら』、お兄の潜在能力に、気付いていないみたいでちゅ」


「……キショイ悪人面って……一応、師匠なのだから、最低限の礼儀は示したらどうだ? 私も、師の『性根の部分』は、いかがなものかと思うところがなくもないが、一応は、私たちを育ててくれた師なのだから……」


 と、そんな私の発言を、

 アズライルが、鼻で笑って、


「アホくさ……ウチらの『トップ』は、セン様だけでええ。蝉原みたいな『たいしたことない悪人面』のことなんか、テキトーに流しとったらええやろ。無駄に持ち上げる必要なんか、一ミリもあらへん」


 その発言に対し、

 デビナが、


「あたしは、師匠のこと、そこまで嫌いじゃないぜ! ちゃんと強いし、でけぇ野心がある! 大好きじゃねぇけど、大嫌いってわけじゃねぇ!」


「ソプも、師匠のこと、そこまで嫌いじゃないにゃ♪ セン様にビビっているところが、死にかけのセミみたいで面白いから、好きにゃ♪ あ、さすがに好きは言い過ぎたから、正式に訂正ていせいするにゃ♪ 大嫌いにゃ♪」


「いや、『そこまで嫌いやない』っていうとったやないかい。発言、ブレんなや、きしょいのう」


「姉貴に正論は意味ないぜ、アズライル。姉貴は、いつも、脊髄せきずい反射で口を開いているだけで、基本、なんも考えてねぇから」


 と、そこで、酒神が、


「……ほむほむ。どうやら『カルマ(業)』が『悪に寄っている弟子』は、ある程度、『あのキモヅラ(蝉原)』に対する理解があるみたいでちゅね」


「……あらあら、それでは、なぜ、『あなた(酒神)』と『アズライル』は、師の事を嫌っているのでしょうか?」


 と、アルブムが二人をあおっていくと、


「オイちゃんは『悪』じゃありまちぇんよ。『正義ではない』というだけでちゅ」


「ウチは『性根しょうねくさっとるだけ』やから。別に、あくどいことをしようとは思ってへん。悪とか正義とか、どうでもええ。――それより、酒神。話、戻してや。あの悪人面せみはら、ホンマに、セン様の潜在能力に気づいてへんの? そんなことありえる? セン様は、あんなにも美しいのに」


「もしかしたら、逆に、気付く方が特別なのかもしれまちぇん。お兄の『内なる輝き』が見えているのって、あるいは、オイちゃんたち『10人の弟子だけ』なんじゃないでちゅかね」


「それ、確かめといた方がええかもなぁ……」


 アズライルがそうつぶやいたところで、

 デビナが勢いよく立ち上がって、




「よし! じゃあ、その役目、あたしが引き受けた! あたしが、完璧に確かめてやる!」




「確かめるって……あんた、何するつもりなん?」


「どっかの町から現地人をさらってくるんだよ! で、セン様の光が理解できるかどうか確認する! それで一発だろ!」


 そう叫ぶと、

 デビナは、背中に『悪魔の翼』をはやして、

 私やアルブムが止める間もなく、

 いきおいよく、飛んでいってしまった。


 電光石火でんこうせっかすぎるデビナの行動にほうけていると、

 アズライルが、つづけて、


「それ、オモロそうやな……ウチも行こ」


 そう言って、まるで『翼のような長い髪』をはためかせて空にはばたく。


 そんな彼女に、アルブムが、


「ちょ、ちょっと待ってください! 地上に行くのであれば、さすがに、セン様の許可きょかを取りませんと! それに、一般人を誘拐ゆうかいしてくるなんて、セン様の意に反する行為――」


 と、至極当然のことを言うと、

 アズライルが、鼻で笑って、


「アホなんか、ジブン。今後、こんな、ちっさいことで、いちいち、セン様におうかがいをたてる気か? セン様もヒマちゃうで?」


「これは、小さなことではないでしょう! 『初の遠征えんせい』みたいなものじゃないですか! 慎重しんちょうにコトを運ぶ必要があります! というか、現地人をさらうというのが、ありえません! セン様に嫌われてしまう!!」


「前提として、『あの説明書に書かれとることだけ』やったら、この世界に関する情報が足らん。現地人から情報を収集しておくんは、世界征服にとりかかるための初手しょてとしてベスト。ついでに、『セン様の輝き』がウチらにしか見えんのかどうかもチェックできる。デビナのアホは、『さらう』とか言うとったけど、そんなことさせるか。ウチも、あんたと同じで、セン様に嫌われたくないねん。ちゃんと、交渉こうしょうして現地人を連れてくる。――ようするには『近くの町から、一人連れてくる』だけ。そんな『手間』でも、『あくどいこと』でもない。そのぐらい、考えたらわからんか? アホがぁ」


 そう言い捨ててから、

 アズライルは、デビナを追って、飛び去っていった。


 アルブムは、普通に不愉快そうな顔をしており、

 数秒後、ボソっと、


「……わたくし、アズライルのこと、嫌いですわ」


 その言葉に、私は同意する。


 今、ハッキリと確信した。

 ――もし、セン様がいない状態で、

 『師匠と、私たちだけ』でタイムスリップしていたら、

 『龍の女神に壊滅かいめつさせられる』というエンドをむかえなくとも、

 間違いなく、いつか、仲間割れをおこして、

 内側から崩壊ほうかいしていただろう。


 本当に、セン様がいてくれてよかった。

 あの御方おかただけが、私の光。


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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
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