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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
F章 まさかの、ラムドがラスボス?! その発想はなかったわ
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10話 終わりの始まり

 10話


 ラムドがUV1に切り返した理由は、ただ一つ。

 本当のカリスマを知っていたから。

 リーンは脳筋お花畑のバカ魔王だったが、カリスマだけは本物だった。



 ゆえに、ラムドは本気で思った。

 『神を目指す者が、カリスマ力で、リーン程度に負けるとはいかがなものか』と。


「神になるおつもりなら、ドンと構えておかれては? 責任の所在を探しまわるような小物が、天の上に立つ事などできますまい」


「ナメた事を……」


「おお、恐い、恐い。なんという殺気じゃ。ションベンをちびってしまいそうじゃのう、ひひひ」



「……ちっ」



 UV1は、軽く舌うちをしてから、ムスっとして黙った。


 なぜなら、ラムドの言う事に理があると判断したから。


 UV1はゼノリカの天下に属する者。

 合理を提示されたら頷くしかない立場にある。

 どんな時でも、決して醜い不条理には犯されてはならない。

 それがゼノリカの神法。



 ゼノリカでは、生命が愚かで醜いという事を認めている。

 そこから目をそらさないと決めた覚悟。

 その上で叫ぶ合理の結晶。

 それこそが、ゼノリカ神法の根底。


 人は善ではない。

 けれど、だからこそ、

 『それでも善であろうとする想い』は尊くなる。






 ――理を前に黙ったUV1の事など、もはや頭の中にはないようで、ラムドは、たんたんと召喚の準備を進めていく。


 そして、結果的には、十分ほどで、


「完成じゃ……ひひひ……素晴らしい……これぞ……これこそが、完全なる、理論上最高の召喚……」


 ラムドは、恍惚の表情で、


「神という、最高位の高次生命が本当に実在するのなら……召喚できねばおかしい……そういうレベルの召喚術式」


 その発言を聞いたUV1は、心の中で、


(ここにあるのは、しょせん、クオリティ10以下の素材ばかり……そんなもので、天上の方々の召喚などできてたまるか)


 UV1は、神帝陛下という存在を信じてはいない。

 しかし、天上の方々がいかに優れているかは知っている。

 信じているのではなく、知っている。


 途方もなく優れた『力』を持ち、『命』を正しく使おうとしている超位存在。

 絶対的な権力・武力を持っていながら、決して歪まず、まっすぐに、

 ただ純粋に、悪く言えば頑固なほど、『善』であろうとする、

 心から尊敬するに値する超高次の存在。


 そんな天上の方々を、この程度の術式で召喚する?

 笑い話にもならない。



「さあ……はじめよう」



 言って、ラムドは、はニタニタと笑いながら、その魔法陣に、フラスコの中の青い血を垂らした。


 その瞬間、










『?????????????????????』










 妙な声が、ラムドの頭の中に響いた。

 聞き取れなかったが、


「なっ……ぁっ……」


 何か『とてつもない事』が起きたという事だけは理解できた。


 全身が震えた。

 頭の中を、途方も無いビジョンが埋め尽くす。


「これは……いったい……」


 そして、理解する。



「た、足らん……この召喚を成すためには……素材が……」



 何が足りないか、それすら頭の中に浮かぶ。

 理解。

 上書きされていく高次理解。



「ひ、ひひひ……」



 最高次理解に至ったラムドは、



「いいじゃろう……くれてやる……わしの全部……わしの魂魄を……持っていくがいいぃいい!!」



 ラムドの発言を聞いて、UV1が、


「?! は?! なに?! ちょっと待て! 何を言っている! ラムド! お前には、これから、やってもらわなければいけない任務が――」


「ひひひ! 知ったことか! 出来るかもしれんのじゃ! 真に究極の召喚! ぬしにはわからんじゃろうが、今、わしの頭は、『どこか』とリンクしておる! ここがどこかさっぱりわからん! しかし、『世界』ではないと認識はできておる! まるで夢。幻想。何が何だかわからんが……そこから引っ張ってこられるのじゃ……わかるか? わからんじゃろう。わしにも、わからん! しかし、分かる! ひひひひひ! 刮目せよ! わしの全てを注いだ、究極の召喚を、見届けよ! さあ、来い! わしを踏み台にして、こちら側へくるがよい!」


 ラムドの魂魄が、光の粒になっていく。


「ひひひひひひひ! 最初から最後まで召喚と共にあった、この命……最後に……届いた……我が生涯に……悔いはない!」


 分解されて、拡散していく。

 そして、浸透していくんだ。

 濃度の高い方から低い方へ、

 濃度の低い方から高い方へ、


 ――混沌としたコスモゾーンの先へ、奥へ、


 運命の序列に従うように、意識が行儀よく遠のいていく、

 その一瞬、


 ラムドは確かに聞いた。









 ――よくわかんねぇが、

 ――あんたが、俺を呼んでくれたのか。






 その声は、



 ――感謝するぜ。

 ――マジで、

 ――ほんと……


 ――だから、


 ――行くなよ。

 ――礼くらい言わせてくれや。








 ――器をなくしたというのなら、俺が器になってやる。









 ラムドをすくいあげた。

 コスモゾーンへと還っていく直前の、ラムドの魂魄の欠片をすくいとって、飲み込んだのだ。











  ――  裏イベントスイッチ001 ON  ――


 ???????????????????????







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自作コミカライズ版35話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] なんか登場したと思ったらすぐにやばいものと接続しておかしなことになってて草生える やっぱりラムドさん持ってるよ、実際には究極じゃない究極召喚陣で1回目で究極の神、2回目で第一アルファ人、3回…
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