100話 用なし。
100話 用なし。
ありえない力を持つバンプティと、シュブ=ニグラス。
――二人の闘いを見ていたゲンは、
「……も、ものすげぇ夢だ……まったく理解がおいつかねぇ……」
ビビりながら、
尻込みしながら、
しかし、ゲンは、
「……すげぇなぁ……」
二人に憧れた。
それは、極めて純粋な気持ち。
『センエース』という概念の中にある『最強への渇望』が、
P型4号であるゲン・フォースにも当然刻まれている。
これまで、ゲンは、全宮ロコを守るための力を求めて邁進してきたが、
今のゲンは、純粋に、『かっこいいから』という理由で、
『天上の力』を渇望した。
「――それが最後のピースだ、ゲン・フォース」
と、ゲンは、ボソっと口にした。
「ん?!」
いきなり、『自分の口』が勝手に動き出したので、
ゲンは、反射的に、自分の口をおさえて、
「え……へ? ……なんで、俺、今、勝手に……」
と、困惑しているゲンに、
ゲンの中にいる『ナイア』が、
「これで、完全に、お前は用なしだ。これまで、ご苦労さん。あとは俺が全部やるから、てめぇは寝てろ」
ゲン・フォースを『力づく』で抑え込み、
表面に出てくると、
そのままの勢いで、
「バンプティ! ワガママはそこまでだ! お前の力だけで、シュブに勝てるワケねぇだろう! アウターゴッドの頂点をナメんな!」
ナイアに叱られたバンプティは、
一度、ギリっと歯噛みしてから、
「……できれば、自力で勝ちたかったが……世の中、なかなか、思った通りにはいかないもんじゃのう……」
などと、諦観を口にしつつ、
「……まわれ。カオス・バンプティルーレット」
カオスルーレットは、発現した当時、完全ランダムという仕様だったが、
100万回分の積み重ねの結果、目押しができるようになっているので、
ランダムな結果に頼るようなことはない。
バンプティは間違いなく成長している。
間違いのない目押しで、
バンプティは、
『混沌融合』を引き当てる。
「――混沌融合――」
宣言すると、
バンプティの体は黒い霧になって、
ナイアの体を包み込んでいく。
ナイアの奥深くへと食い込んでいく黒い霧。
ナイアは、バンプティを拒絶しない。
すべてを受け入れる。
その結果、
「――ぶはぁあっ!!」
一致する。
混ざり合った二つの心。
「完成。……ナイアとバンプティが合体して、『ナイプティ』ってとこかな。――さらに」
そこで、ナイプティは、オーラをふくらませて、
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〈# #〉
[\(#)/]
[\ ( \ * / ) /]
「――(――【【ヒーロー見参】】――)――」
[/ ( / * \ ) \]
[/(#)\]
〈# #〉
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セリフにオプションを背負わせて、
『究極の祈り』を世界に刻み込む。
結局のところ、それはただの言葉。
けれど、信念がなければ口に出来ない狂気。
ナイプティの中に刻まれている信念が形になった証。
深淵に刻まれた信念が、
世界の中心で統合されていく。
ナイアとバンプティが磨き上げてきた全部が、
一つの器に整えられていく。
すべてがゴチャ混ぜになって、
そして、調和されていく。
互いが互いを支え合う『一つ』に昇華されていく。
――気づいた時、
ナイプティは、虹色に輝く鎧をまとっていた。
「――真・究極超神化7サイコレゾナンス。……これが、今の俺に出来る全部」
明後日『木曜日』からイベントを開催!!
作品コード「セレナーデ・アンサーソング」
かなり面白く仕上げました!
読んでいただければ幸いです(*´▽`*)
――ちなみに「婚約破棄モノ」ですが、
「次代に合わせた導入」にしているだけで、
中身はいつものセンエースです。
明日、タイトルとあらすじを発表します。




