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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
超神A章 ゼノリカマストダイ。

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63話 殉教者。

本日の3話目。


 63話 殉教者。


「それでも、守りたいと思うものがあった……失いたくないもの……」


 ぐつぐつと、静かに煮立つ。

 キンと静かに張り詰めながら、

 しかし、その奥では『無数の感情』が『割れる前の風船』みたいに膨らんでいる。


「……『愛しさ』なんていう『高尚な感情』を抱くほどに……大事だと思えるものがあった……『大事なもの』の『本当の大切さ』は、なくしてから気づく……そんな言葉があるが、俺にはわかっていた。無くす前から、自分にとってどれだけ大事だったか……わかっていたからこそ……これまで、ずっと、バカみたいに頑張ってきたんだ……」


 空気がピリついている。


 さっきまで煽り散らかしていたアルテマ・ウムルの顔が引きつっている。

 『センエースの怖さ』は、誰よりも理解している、という自負があったが、

 しかし、今、アルテマ・ウムルは強く思う。


 ――これまでの自分は、センエースの本当の怖さを、わずかも理解していなかった。


 今、センは、ウムルの前で、静かに、ボソボソつぶやいているだけ。

 特に、オーラと魔力を練り上げているわけでもなく、

 本当に、ただ立ち尽くしてボソついているだけだというのに、

 ウムルは、逃げ出したくなるほどの恐怖にかられていた。

 この静かな時間に、とてつもない恐怖を覚えている。


 そこで、センは、

 自分の胸に手をあてて、


「不出来な王で申し訳ない。こんな、バカで無能で無価値な俺だが……でも……これまで、必死に積み重ねた貯金があるから、できることはゼロじゃない……」


 センエースの存在感が、

 グっと、深くなった。


 これまででも、十分すぎるほどに深かったセンのオーラが、

 一段階、ギアを上げたように、存在感を増す。


 ――実は、ウムルから『反魂術が通じない』と聞いた時から、

 ずっと、頭が爆発しそうになるほど考えていた。


 いくつかの方法を思いついて、

 その中で、もっとも確実な方法を実行する覚悟を決めた。


「お前たちは、ゼノリカを守るために……つまりは、世界を守るために、必死になって、絶望と向き合い続けた。怖かっただろう。苦しかっただろう。そんな重たい痛みと向き合って、折れることなく、最後まで……死ぬまで……闘い続けたお前たちの覚悟に……俺は『俺の命』で寄り添いたい」


 さらに膨らんでいく。

 まるで、殉教者のような顔つきだった。


 センエースを知る者は、センの狂信者となるが、

 ゼノリカに対するセンエースも、なかなかの狂信者ぶりを見せている。



 ゼノリカを守るために、何十年も続いた地獄の戦争で最前線を張り続けた。

 ゼノリカを守るために、10000体ものバグと薬漬けで殺し合い続けた。

 ゼノリカを守るために、人の身でありながら神を相手に勇気を叫び続けた。



 壊れた狂信者でなければできないこと。

 これまでずっと、センは、殉教者でありつづけた。


 今日もまた、

 センはゼノリカの殉教者になる。

 彼の、『ゼノリカに対する狂い方』は、

 実のところ、


 『センエースを愛する狂信者』が束になっても敵わない。


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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] 閃網恢恢尿にして漏れそう…意味:センエースは青天井でグイグイいっちゃうけど、根本的なところが抜けてて、全教科満点みたいなのは苦手そうだから、センエースがミスなしにベストを尽くしたけど無理だっ…
[良い点] 2700話、おめでとうございます。この数字に蝉原無双ルートの50話以上が加わって、更に多くなる事を考えると、3000話までの軌道が楽しみです。 [気になる点] 虚空の呪いがヨグ由来の物なら…
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