表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
神F章 無限地獄の向こう側。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2145/5947

45話 最適な登場速度。


 45話 最適な登場速度。


「今こそが、もっとも幸福な時間! 神になってしまえば、いずれ、慣れてしまう。神になったという喜びは、神で在り続けることで薄れてしまう。神になれるという僥倖を最も喜べるのは、目の前に立った今! 今なんだ!」



 だから、もっと、今を楽しみたい。

 『今』という最高の瞬間を、かみしめていたい。


 大いなる希望の海で、甘く溺れていたい。


 だから、ガタノトーアは、

 紅院たちを瞬殺することなく、

 ゆっくり、じっくり、ねっとりと破壊していく。



「ああ、いい! 貴様らの命はカウントダウン! 私を神へと導く、至高の時間!!」



 変態のような顔で、

 紅院たちをもてあそぶガタノトーア。


 あまりにもウザいその行動に対し、

 紅院たちは、せめて『一発』ぐらいは、おみまいしてやりたいと願い、

 必死になって抵抗してみるが、しかし、わずかも相手にならない。


 ガタノトーアと、紅院たちの間には、

 絶対的な差がある。


「貴様らの脆さが心地いい! のびやかに駆け上がっていくのを感じる! 私は今日! 報われる! 私の全てが祝福されている!!」


 恍惚をひたすらに叫んでから、


「さあ、そろそろ、死のうか! 貴様らは私への供物! 新たな神の誕生を、その命で祝福できる幸運に感謝しながら死ね!!」


 両手に集めた膨大なオーラと魔力。


 膨れ上がっていく。

 紅院たちでは、どうしようもないほどに。

 大きく、深く、優雅に、高貴に、



「――異次元砲――」



 放たれたのは、特大の照射。

 弱い命を飲み込もうとする無慈悲な咆哮。


 その輝きを目の当たりにして、

 紅院の思考はスーパースローになった。


 ――あ、本当に走馬灯ってあるんだ――


 などと、そんなことを思いながら、

 自分の人生を、簡素に振り返っていく。

 名場面がフラッシュバック。


 色々としんどい思いもしたけれど、

 大好きな友人に囲まれて、

 それなりに楽しかった、


 ――なんて、そんなことを思いながら、

 その生涯を終えようとした。



 ――その時、






「――桜華一閃――」






 突如、切り裂かれた時空。

 裂け目から飛び出してきた閃光は、

 手にもっているゴツいナイフを横に薙いで、


 ガタノトーアの異次元砲を、

 真っ二つに切り裂いてみせた。


 その事実に、



「――っっ?!」



 誰よりも驚いたのは、やはり、ガタノトーア。

 言葉なく、ただ、口をパクパクとさせている。

 高い次元にいるからこそ、その場にいる誰よりも高速で理解できた。

 突如出現した閃光の異常さを。


 そんなガタノトーアの反応とは正反対に、

 美少女たちは、ヒーローの登場に歓喜する。

 と同時に、


「ちょっと……遅くないですか?」


 と、軽めの不満を垂れ散らかす。

 『本気で文句をいいたい』というワケでもないのだが、

 しかし、『ヒーローの実力』を考えると、『最適な登場スピード』ではない、

 と、その場にいる全ての美少女が同じ愚痴を心に抱いた。


 そんな彼女たちに、


「うっせぇ! 今、この空間は、異常なほど硬いバリアに守られているんだよ! 俺だから、この速度で突破できたんだ! 俺以外だったら、お前らを助けるどころか、ここにたどり着くことすら不可能だった! ――つぅか、そんなことよりも、なによりも、まずは、『助けていただいて、ありがとうございます、このご恩は忘れません』が最初だろ! なに、助けられておきながら、『そんなことは当然』みたいな顔して、登場速度に文句かましてんだ! シバきまわすぞぉお!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[良い点] このセンくんは神の王なわけで、かなり位が高い高いした立場にあると思うんですけど(今は忘れとるんだけども)、ビビるくらい一般人臭い、というか一般人が使うようなしばき回すぞ!とかいう言い回しを…
2021/06/18 21:32 カジュアルマニュアルパブリック
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ