表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
神C章 バッドエンドシンドローム。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1887/6010

18話 この絶望は、あちらのお客様からです。


 18話 この絶望は、あちらのお客様からです。


「そのナイフは『精神負荷と引き換えに魔力量が上がる』という性質を持つ。基本的には、どんな時でも『俺に流れる』ようにしているが、その辺の調節は自由自在」


 センは、ゾーヤに対して、丁寧に、図虚空の説明をしていく。


「ちなみに、今は、俺にベクトルを向けている。精神的負荷というのが、どういうものなのか、知りたいなら、教えてやるけど?」


「……」


 そこで、ゾーヤは、ナバイアに視線を向ける。

 ナバイアは、空軍将校経験者の屈強な白人男性で、

 彼も、ゾーヤほどじゃないか、根性はかなりキマっている。


 この状況で行動を起こせるだけの根性があり、

 肉体的にも、精神的にも優れた元超位軍人。


 そんな彼が、今、白目をむき、泡を吹いてぶっ倒れている。


「……調節が自由自在だというのが本当なら、その精神的負荷というのを1パーセントぐらいに抑えることも可能かしら?」


「ああ、出来るぞ」


「では、それで、経験させてもらっていい?」


「了解。――図虚空マスター、聞いていただろ? 『1パーセントの精神負荷』を、そちらのオールドレディに」


 命令に従い、

 図虚空は、ゾーヤに魔力を流し込む。

 それと同時、ゾーヤの全身を、重たい絶望が包み込む。


「うううっ……っっ!!!」


 電気ショックでもくらったみたいに、

 イスから転げ落ちながら、

 図虚空を投げ捨てるゾーヤ。


「はぁ、はぁ、はぁ……っっ」


 真っ青な顔で、胸をかきむしりながら、

 冷や汗ダラダラの顔で、


「……今ので……1パーセント……? 本当に……?」


「ああ。ちなみに言っておくと、『ウムルなんとか』ってGOOをSATUGAIした時は、230%まで引き上げた。そのぐらいしないと勝てなかった。いやぁ、あいつは本当に強かったよ」


「……」



 いろいろあった結果、

 この場にいる全員が、

 『センエース』の異常性に気づきだす。


 ゾーヤは、心の中で、


(久剣一那を投げ飛ばしてみせた技量……異次元レベルの精神力……そして、なにより、言葉の端々から伝わってくる、病的とも思える高潔さ……なるほど……かしずきたくなる……この少年は……間違いなく王の器……『命』の頂点に立つべき存在)


 理解に届くと、

 ゾーヤは、紅院正義に視線を向けた。


 ゾーヤの視線に気づくと、正義は、ニィと、

 意味深に微笑んでから、

 その視線をセンに向けて、




「――我々は、か弱い存在です」




 それまでとは違い、

 際立って礼儀正しく、

 謹んで、


「残念ながら『合理と向き合うだけの器量』は持ち合わせていない、ひどく不完全な命。野放しのままだと、我々は、今後も、過ちを犯し続けるでしょう」


 そう言いながら、

 センの前で、片膝をついて、

 うやうやしく、頭を垂れて、


「正しい指導者が必要です。……どうか、我々の王として、我々を管理していただきたい」


 などと、言い出した紅院正義に対し、

 センは、


「……」


 『やられた』という顔で、言葉につまる。


 そんなセンに、正義まさよしは、


「我々を導けるのは、あなたしかいない。他の者では絶対に不可能です」


 たたみかけていく。

 そんな正義の迫力に、センは、『逃がさない』という強い気概を感じた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ