表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
神B章 究極超凡人センエースの大冒険。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1853/5999

82話 深淵をのぞくとき、深淵もまた、こちらをのぞいている気がしないでもない。


 82話 深淵をのぞくとき、深淵もまた、こちらをのぞいている気がしないでもない。


「誰でもいいから、助けて! お願い! こわい! こわい! こわい!!」


 必死になって、ツァールから逃げようとする紅院。


 ――が、当然、


「はい、おつかれぇ」


 瞬間移動で、目の前で移動してきたツァールが、

 ひどく呑気な声をかける。


「ひぃ」


 ツァールに対する恐怖心から、

 ペタンとその場に倒れこんでしまう紅院。

 そんな彼女に、


「さあ、倒れている場合ではないぞ。次に捕まえたその時、私は、貴様に対し、先ほどの数倍の拷問を通す予定だ」


「……すう……ばい……」


「もちろん、死ぬこともできない。貴様は永遠の地獄をさまようことになる」


「……」


「いやなら、必死になってにげることだ。逃げて、逃げて、逃げて、逃げ続けろ」


「……」


「そうして、苦しんで、苦しんで、壊れて、壊れて……その果てに、ようやく……貴様の死は一つの芸術として完成する」


「……ぃ、いや……」


 止まらない涙。

 心がぶっ壊れそう。

 というか、ここまでに何度か壊れている。

 しかし、ツァールが治してしまうので、

 『完全に壊れてしまう』ことすら許されない。


 終わらない絶望。

 不安と恐怖と痛みに敏感な幼女の体。


 絶望のトリプル役満のような現状に、

 紅院は、


「ぅぁああ……ぁぁあ……ぁあぁ……」


 ただただ涙を流した。

 もはや『救いを求めること』すらできず、

 赤子のように、ただただ泣いた。


 そんな彼女に対し、

 ツァールは、


「逃げないか……まあ、逃げられないだろうな……『それほどの根性』があるようにも見えないしな」


 そんなことをつぶやきながら、

 右手を、さらに凶悪な形状へと変化させ、


「それでは、拷問の続きをはじめようか。紅院美麗。貴様は、まだまだ、絶望の最果てを知らない。こんなものではない。こんなものではないのだよ、紅院美麗。本当の絶望は、まだまだ、こんなものでは――」


 と、

 その時だった。


 ギチリ……ッ……


 と、次元の裂ける音が響いた。

 それは、肉が裂ける音にも似ていた。


 音の発生源――その位置は、ツァールの足元。

 地面ではなく、ツァールのヒザの当たり。


「ば、バカな……『虚空の次元ロック』が……干渉された……そんな、ありえな――」


 最後まで口にすることはできなかった。

 セリフが完結する一瞬前に、

 次元の傷口から、

 『満身創痍の閃光』が飛び出して、




「――深淵閃風しんえんせんぷう――」




 登場すると同時、

 『疲れ果てた様子の閃光』は、

 あきらか『コンディション最悪』にもかかわらず、


 パーフェクトに美しい水面蹴りで、

 ツァールの足元をさらっていく。



「――うぉおっっっ!」



 抗い方を見失う一手だった。

 とてもじゃないが、ツァールに対抗できる武ではない。


 ――『舞い散る閃光』は、

 ツァールの体軸を思いっきり崩してから、

 その勢いを保ったまま、



「――魂魄一閃こんぱくいっせん――」



 歪なナイフ『図虚空』で、

 ツァールの首をスパァァっと切り裂いていく。


「――っ――」


 首を体から切り離しただけではなく、

 魂魄を一刀両断する一撃必殺。


 ――『己の死』を受けて、

 宙を舞っているツァールの『首から上』がボソっと、



「死――神格の私が――脆弱な人間の一撃で――死っ――そ、そんなバカな――」



 とびっきりの『不可解』を口にする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] 待ってたぞ、ヒーロー!!良くやった!! 満身創痍でも、全力に近い一撃を放てるように 練武を積んだんでしょうね。流石、センエース。 あらゆる状況でも、絶望を殺すための手段を 確保するため…
[気になる点] 満身創痍? ここまで来るのに大勢の敵と戦ったか強敵と戦ってたとかですかね? んでそんなになるまで駆けつけて助けてくれたセンにミレーが惚れてしまうとかそんな感じなのかな(-ω- ?)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ