表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
178/5857

7話 バロールは緊張しぃ

ゼノリカは、これからの話の根幹になる組織なので、

少しだけ、丁寧に説明します。

なるべく省くつもりですが、どう頑張っても量が増えてしまいます。


急に情報量が増えてしまいますが、一応、毎回、あとがきで、まとめるので、

『長ぇよ』と思う方は、そのまとめだけ読んでくださる形でも問題ありません。


キャラもかなり増えてしまいますが、途中で、全体のキャラをまとめた一話を投稿する予定ですので、混乱はしないかと思います。


「なんかキャラ、多くなったなぁ、混乱しちゃうよ」と思って、

 ちょっとまとめてみたら、意外とキャラ数、少なかったですw

 7話



 そこは、『世界の中心』を彷彿とさせる場所だった。


 主により直接『桜華堂』と名付けられた大講堂であり、

 主によって創造された裏ダンジョン『ゼノリカ』の最奥にある。






 ゼノリカは、上から、


 『創玄神層そうげんしんそう

 

 『真霊上層しんれいじょうそう

 

 『式彩中層しきさいちゅうそう

 

 『世渡下層せとかそう

 

 『塔最下層とうさいかそう



 の5層構造になっており、


 『ゼノリカ内での立場が高い者』ほど、

 『創玄神層に近い場所』に――『己の世界』――を築いている。


 ゼノリカは、段積みになっている訳ではなく、

 それぞれの層が亜空間で独立しており、

 『ゲート』だけが繋がっているタイプの複合ダンジョン。




 『ゼノリカに属する者』なら誰でも入れる『塔最下層』は、

 9999階建ての恐ろしく巨大なタワー。


 『最も身分の高い者』しか入れない神層は、

 アホほど豪華な城や宮殿で溢れ返った、超巨大アルファ。




 と、各層は、それぞれ固有の特徴を持つ。



 桜華堂が存在するのは、『ゼノリカに所属する者の中でも上位17名』しか足を踏み入れる事が出来ない創玄神層。

 通称『神聖域』の最奥。


 桜華堂の外見はシックな宮殿。

 けれど、荘厳さはヒシヒシと感じる。


 内部は、どこも輝いている。

 けれど、ケバケバしさは感じない。

 整えられた美しさがそこにはあった。


 外見は、完全に『10円に書かれているアレ』、

 中身もほぼソレ。


 堂内の扉や壁は極彩色の絵画で飾られている。

 天井や柱は、抑えめな色だが、それでも比類なき美しさで満たされている。



 その中殿に位置する『主の間』。

 十七の柱に支えられた広間。

 無数に並ぶ軍配形の窓から注がれる柔らかな朱色の太陽光。

 夕暮れの輝きで満たされた幻想的な空間。




 その荘厳な広間のど真ん中にある、十七人用の円卓に、二人の男女が腰かけていた。




 男――というより『老人』は、優雅に本(分厚いハードカバー)を読んでおり、

 女――というより『少女』は、足をくんで、前後に体を揺らしながらイスをカタンカタン言わせている。


 老人は、真っ白な長い髪と顎ヒゲを生やしており、荘厳なローブを纏っていて、常に、『価値のある時間を重ねてきた者』にしか纏えない『タダものでない空気』『暴風のような威厳』をバリバリ発している。


 対して、少女は、サイズの合っていないダッフルコート(センから貰ったもので、名前はレオン)を着ている、ませた中学三年生みたいな『幼いが幼すぎる訳でもない』という風貌だった。両手をダッフルコートのポケットにつっこみ、定期的に、アクビをするフリをしている(内心、めちゃめちゃそわそわしているが、バレないように演技をしている)。



 そんな老人と少女の背後には、それぞれ2人ずつ、

 老人と少女ほどではないが、『圧倒的強者のオーラを纏った者』が、

 背筋をピンとたてて、緊張を隠さず、直立不動の姿勢で、

 ひたすらに、ただ、まっすぐ前だけを見つめていた。



 途中、緊張感に耐えられなくなったのか、

 『ダッフルコートの少女』の後ろに立っている『凶悪に高そうな鎧を纏ってる背の高い男』が、


「うぅぇ」


 真っ青な顔をさらに青くさせて、口元を抑えた。


 装備品も体格も威厳たっぷり。

 しかし、その『表情』だけは、非常に頼りないソレで、

 まるで、奇病にでもかかったかのように真っ青だった。


 普段の『彼』は、配下から『どんな地獄を前にしても泰然としている理想の超越者』と評されているほどの、圧倒的な胆力を持つ偉丈夫。

 現世においては『最上位の地位』に在る『一つのアルファを統べる王』の一人なのだが、


「うぷっ……」


 今の『彼』は、『頼りない』という概念を全力で表現しているかのような、産まれたての子ヤギ以下の酷い有様だった。


 『彼』の、そんな『極限を超えた緊張』を背中で感じとった『ダッフルコートの少女』は、視線を向けることなく、アクビをかみころすフリをしながら、


「バロール、落ちつきなさい。緊張も、度を過ぎれば不敬にあたるわ」


 変わらずイスをカタンカタンいわせながら、そう言った。

 見た目と声には幼さが残るが、発する雰囲気には幼さなど微塵もなかった。


 『少し離れた場所に腰かけて本を読んでいる老人』ほどではないが、

 『ダッフルコートの少女』も『確かな威厳』を感じさせている。


 パラリと、ページをめくる音がした。

 老人の本を読む手に震えは微塵もない。

 もし、そこに座っているのが、『その老人』以外の誰かであれば、『それ』が『どれほどの地位にある者』だったとしても、手が震えてページなどめくれないだろう。

 というか、ここで本など読めない。






「も、申し訳ございません、ミシャンド/ラ様……」






 そう言って頭を下げたバロール。

 その隣で直立している『いかつい顔』をした『おぞましく高そうなドレスで身を包んでいる、バロールよりも頭一つ背が高い女性』が、バロールの頭を見下ろして、


「偉大なるゾメガ様とミシャンド/ラ様の前だというのに、なんたる無様……」


 あきれ果てたように、顔を歪ませ、


「緊張するなとは言わない。しかし、絶対に吐くなよ? もし、この神聖域――『主の間』で、少しでも吐いたりしたら、私がこの手で貴様を殺す」


「は、吐くか、バカが。……し、しかしだな……こ、これから『神帝陛下』にお会いできるかと思うと……どうしても……うぅ……」



「ああ、みっともない……栄えある『ゼノリカ』の『天上』、『九華』の一人ともあろうものが、そのような無様をさらすとは……」



ゼノリカ。     センがつくった(ことになっている)、なんかすごく大きい組織。


バロール。     すごく偉い、一つのアルファを統べている王様。


ミシャンド/ラ。  すさまじく偉い至天帝。

ゾメガ。      ミシャと同じくらい偉い至天帝。


天帝        その世界で一番偉い者。

至天帝       天帝の上。天帝が社長なら、至天帝は会長。


九華。       ゼノリカの部署の一つ。バロールが所属している。




……最悪、このぐらいでも問題ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版35話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ