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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
神B章 究極超凡人センエースの大冒険。

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2話 駆逐してやる。


 2話 駆逐してやる。


(でも、もし、また昨日と同じようなことが起きたら……俺は、普通に、あいつらの前に立つだろう……)


 迷いはある。

 『死に対する恐怖』は普通にある。

 センは『心が死んでいる』のではない。

 『自殺願望がある』というワケでもない。


 『倫理のためなら喜んで死ねる』という、

 『記号的な英雄』でもない。


 むしろ、彼の心は『結構な勢い』で『生』に終着している。

 今の彼には『欲しいもの』が、確かにあるのだから。


(やっかいな性格だ……もっと気楽に生きられる性格で生まれたかった……そうすりゃ、どんだけ楽だったか……)


 彼が『勇気』を叫べるのは『英雄』として生まれたからではない。

 そうではないが、しかし、『それでも』と叫べる。

 ――その気概こそが、センエースという無能の最も特筆すべき点。


(お前らが苦しんでいるのはよくわかった。俺に妙な力があるのも理解できた。だったら、答えは一つ。……ワケのわからんバケモノどもを……一匹残らず、ブチ殺してやるよ)


 センの答えは、最初から決まっていた。

 頼まれるまでもなく、

 最初から『羅刹になる覚悟』は決まっていた。


(昨日と同じランクの化け物は、俺しか殺せない……それが絶対的前提だってんなら、やるしかねぇだろうが。選択肢なんかねぇじゃねぇか)


 先ほどのトコとの会話で、センは、『ヒーロー見参』という言葉は、ちょっとした『軽い意気込み』程度の意味しかない、などと言っていたが、実際のところ、



 ――センエースは、

 『ヒーロー見参』という言葉を、

 決して『惰性』では使わない。



 それは、彼の『本質』なので、

 『記憶』があろうがなかろうが、関係ない。


 トコの献身を目の当たりにした瞬間から、

 『仕方がねぇな』

 と、すでに覚悟は決まっていた。


(そもそもの話、どうして、薬宮の頭の中で、俺が『やるかやらないか』って話になっているのか、マジで意味不明。昨日の状況を見る限り、お前らだけに任せておけないって現状はよく理解できた。なんで、俺に、化け物が殺せるのか、いまだに、さっぱり分からんけど、事実、俺は、あの化け物どもを殺せる。どうやら、現状、あいつらを殺せるのは俺だけ。だったら……普通に、戦うだろう、合理的に考えて……というか、常識的に考えて。止められたって、行くわい。だって、俺が闘わないと、世界が死ぬもん。世界が死んだら、俺も死ぬもん。俺、まだ死にたくないもん)


 トコの中で、なぜ『センがやるかやらないか』という思考になっているか。

 それは、彼女が『クソみたいな大人』に囲まれて生きてきたから。


 『女』の中ではミレーのような、

 『信頼に足る存在』もいなくはないと理解している。

 しかし、男の中で『真に信頼に値する人間』は見たことがない。


 彼女が今までに見てきた男は3種類にわけられる。

 『土壇場で手のひらをかえすキツネ』か、

 『ピンチになると使い物にならなくなるイヌ』か、

 『他と比べればマシだが、信頼はできないタヌキ』、

 この3種類。


 アゲセンは、もしかしたら、四種類目の『信頼に足る男』かもしれないが、

 しかし、『その手の判断ができうる危機的状況』に至ったことがないため、

 『最終決断』を下すことは出来なかった。


 紅院正義は、あまりにもしたたかすぎる。

 限定条件下での信用は出来るのだが、

 全面的な信頼は出来ない。


「イベント準備」進行報告。



 ……ピンチすぎる……

 ……だれか助けて……


舞い散る閃光【助けを呼ぶのはあんたの仕事じゃない】


 ……セン、もう無理だから……

 ……マジで時間が足りない……



【なら、『誰か』ではなく『自分自身』を頼れ。甘えるな】


 ……全然、甘えてねぇだろ……

 ……今日だって、ちゃんと……


【あんたは、間違いなく『重たい今日』を積んだ。『粘りつくような弱さ』に打ち勝って、『イカれたノルマ』をこなしてみせた。今日だけじゃない。今まで、ずっと、折れることなく、自分の足で、今日まで歩いてきた。数少ない休みを皆殺しにして、仕事に行く前も、帰ってからも、『自分の時間』全部を、丸ごと、この作品にささげてきた】


 ……

 ……


【だから飛べる。だから叫べる】


 ……

 ……


【俺はあんたを助けない。『そのかわり』ってワケじゃないのは、確定的に明らかだが……特別に、今、この瞬間だけ、全力で祈ってやる。俺だけではなく、あんたも、本物のヒーロー足らんことを】






――おまえはヒーローじゃない――

――わたしもヒーローじゃない――




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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] 完璧なヒーローじゃない。 でも、だからこそ『ヒーロー見参』と叫べるまて積むことができた。 今も、多分これからも。 がんばれ!センエース、ミリオンさん! センエースが過去に壁にぶつかった時っ…
2020/12/20 22:12 なろう好き
[良い点] 後書き、いいですね。弱気になってたので 少し心配してたんですよ。過去に質問しすぎて 折れかけた、という事もあったので。 心配といっても、割合にして2%くらいで、 ミリオンさんならやり遂げる…
[良い点] いや作者様のコメントが粋すぎて鳥肌たった応援してます
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