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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
神A章 ゼノ・セレナーデ。

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54話 特製ソウルゲート。


 54話 特製ソウルゲート。


「魔法とは、幽界の虚数エネルギーを顕界けんかいへと確定させていく高次演算。その処理過程は、当然だが、複雑で難解。貴様らのようなほんの数年しか魔法に触れていないガキが、優に数千年を超える修練を経てきた私に、魔力を用いた闘いで勝てる訳がない」


 首をしめられ、苦しんでいる紅院。

 そんな彼女の顔を、ロイガーは、嗜虐的な顔で眺めながら、



「どうだ。低級のGOOとは、すべてにおいて、格が違うだろう? これが、S級GOOの力だ。貴様ら人間が、どんな兵器を使おうと、相手にならない高み。私はそこにいる」



「はな……せぇ……」



「ん? なんだ、はなしてほしかったのか? ああ、構わないぞ。はやく言ってくれればよかったのに」


 そう言うと、本当にあっさりと手を放した。


 地に落ちた紅院は、喉をおさえながら、


「げほっ、ごほっ」


 と、酸素をかきこむ。


 そんな紅院を見下ろしながら、

 ロイガーは、自尊心全開、優越感MAXの顔で、




「――貴様ら『ソウルゲート』を知っているか?」




 その質問に、

 少し離れた場所で『紅院の支援』に徹していた黒木が、

 おずおずと、


「……神様だけが使用可能な……自分で使用時間を設定できる……『精神〇時の部屋』みたいなもの……」


 いつもとは違い、場の空気を読んで、

 端的に、短く答える。


「的確な認識だな。魔導書に書いてあったか?」


「……ええ……」


「GOOは低位でも、一応、『神格』としてカテゴライズされる。だから、私の前にも扉が開いた。実を言うと、つい数時間前まで、私は、いまよりもはるかに弱い神格だった。しかし、ソウルゲートで『2000年』という永き時を積んだ結果、この領域にまでたどり着くことができた」


 ロイガーは、自信満々の顔で、


「おまけに、私の前に開いたソウルゲートは、魔力の総量を上げることも可能な特注品でな……厄介な『アリア・ギアス(不退転の呪縛)』を背負うハメにはなったが、おかげで、私は、最高位のGOO……『S級のグレートオールドワン』へと昇華することができた」


 自分の功績を誇示する。

 続けて、


「苦しかったぞ……2000年……想像できるか? いや、出来ないだろう。貴様ら人間のような『体も魂も脆弱な下等生命』では、私の苦悩、私の地獄を、想像することすらできないだろう」


 そこで、ロイガーは天を仰ぎ、


「本当に、苦しかった……ただひたすらに『己が魔力と向き合うだけの日々』を、2000年……辛かった、地獄だった……幾度となく灰になりかけた……」


 ソウルゲートでの日々を思い出し、

 つい、涙ぐんでしまうロイガー。

 続けて、


「だが、私は乗り越えた。そして、GOOの最果てにたどり着いた。私は神格の中でも、格別な『器』を持つ最高位の高次生命。人ごときが抗える存在ではないのだ」


 堂々と、そう言い切ってから、

 ふところ広く、両手を広げて、


「自己紹介はこの辺にしておこう。――さあ、まだまだ闘いは始まったばかりだ。存分にあがけ。これが、人類最期の闘いだ」



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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] おっちゃん、思ったよりずっとカッコええな!2000年の重み見せたってや! でも一億年ボタンとかでも思うけど、並みの脳じゃせいぜい数十年くらいのことしか記憶できなくて、長生きしてる老人が別に…
2020/12/04 01:06 退会済み
管理
[一言] センエースが「命のかけら」を自称したり、 ゴートが「ちっぽけなかけら」を称するのは 文字通り、原初のセンエースの魂魄か いくつかのカケラに分かれているから、 というのもあり得そうですね。ゼン…
[一言] 幽界は死後の世界。しかし、この世界は 魂魄循環という形で、記憶も何もかもを 消しての生まれ変わりなんですよね。 魂が循環している以上、本来、魂が 死後にいく世界は存在しないはず。となると、 …
感想一覧
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