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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
神A章 ゼノ・セレナーデ。

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13話 ただのワガママお嬢様じゃない。


 13話 ただのワガママお嬢様じゃない。


 一限目の『倫理』は、

 そのまま、主体性遠足の話し合いに使われることになった。


 それぞれ、班ごとに集まって、

 『とりあえず、どこに行くか』を話し合っていく。


 クラスの最後尾の窓際に集合した紅院たちは、

 まず、最初に、


「まず、今回の遠足における、この班の『代表』を決めたいのだけれど」


 という紅院の発言によって、

 代表決めジャンケンが行われることになった。


「文句なしの一回勝負。はい、ジャーンケーン……」


 というわけで、

 普通にジャンケンが行われ、

 結果、


「ぐおおお……あたしかい! くっそめんどくさぁああ!」


 代表は薬宮トコに決定した。


 どう考えても一番面倒くさい役割である『主体性遠足のグループ代表』というポジションを引いてしまったトコは、普通に頭を抱えて、唸り声をあげる。


「もう、マジでイヤ! ツミカ、かわってぇや!」


「前向きに検討する方向で善処するにゃ」


「断るなら、ちゃんと、真摯に正面から断れ! 意味なく迂遠うえんにすんな! 政治家の娘か! ウザいのう!」


「政治家のトップを独走しているオッサンの娘ですが、にゃにか?」


「おどれみたいな変態を育てた男が、国のドンやっとるかと思ったら、血の気が凍るのぉ!」


 本音を吐露しつつ、

 トコは、頭を抱えて、


「あー、ダルい、くそがぁ……」


 と、心底からイヤがっている様子を見て、

 センは、


「……へぇ」


 と、感嘆の声をもらした。


 その声にピクっと反応を示すトコ。

 スっと、視線を、センに向けて、


「なんやねん。なんか言いたいことでもあんのか?」


 声をかけられたセンは、

 軽く動揺したものの、


「……いや、別に……ただ『俺に押し付けないんだなぁ』と思っただけだ」


「はぁ?」


「社会的地位という視点で見た時、この中では、圧倒的に、俺がドンケツだからな。『そこの庶民、あとは任せたわ』みたいな感じで、雑用を全て押し付けられることも覚悟していたんだが……」


「そういうんは好きやない。てか、どんなイメージやねん。あたし、そんな暴君に見えるか?」


「……お嬢様はワガママなものだろ。別に、全員がそうだっていうつもりはないけど、世間様のイメージ的には」


「まあ、マンガとか、アニメとかのイメージ的には、確かにそうやな。実際、クッソワガママな『バカお嬢』も、ここにおるし」


 そう言いながら、ゴミを見る目で、紅院を見るトコ。

 その不愉快な視線に対し、

 紅院は、普通にムっとして、


「私のどこがワガママだと言うのよ」


「どの口がぬかしとんねん。我の強さ、すさまじいやないかい」


「それはワガママとは言わないわ。芯が強いというのよ」


「……言いようやなぁ……」


 呆れ交じりにそうつぶやくトコに、

 センは、


「――『俺が、お前らのグループに混ざっている』という事に対して、もっと嫌がられると思っていたが……案外、俺にも普通に接するんだな」


「そっちから近づいてきたなら、そら、払わせてもらうけど、今回の場合は、むしろ、そっちが被害者みたいなもんやからなぁ……あたしらの事情に巻き込まれて、厄介な状態になっとるんは理解できとる。逆の立場やったらと考えたら、しんどぉて、しゃーない」


 その言葉を受けて、

 センは、トコに対する認識を改める。


(……ほう。『相手の立場になって考える』ってこともできるのか)


 これまでは、ただただ『ワガママを吐き散らかすだけのキ〇ガイお嬢』だと思っていたが、ここで、センは、彼女のことを、『正常な人間』だと認めた。



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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] 今日は2話目の投稿が早いんですね。 (……ほう。『相手の立場になって考える』ってこともできるのか)  これまでは、ただただ『ワガママを吐き散らかすだけのキ〇ガイお嬢』だと思っていたが、…
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