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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
真I章 進撃のゼノリカ。

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最終回 人類史上、類を見ない、斬新なオチ。


 最終回 人類史上、類を見ない、斬新なオチ。


「お前は、間違いなく頑張ってきた。この俺すら超えてしまった、ハンパじゃなくスゴい男……なんだが……しかし、ここで終わるなら、他の主人公たちと大差ない」


「……ぅ……ぅ……」


 センの頭の中が、どんどん白くなっていく。

 すべてが溶けていく。

 体が冷たくなっていく。

 命の終わりを、明確に感じる。


 そんな絶対的絶望の底で、

 しかし、センは、


(――何か――)


 終わらない闇の中で、

 必死になって、



(――考えろ――何か――なにか――)



 突破口を見つけようともがく。


 力も、心も、アイテムも、異空間も、繋がりも、

 記憶も、可能性も、希望も、未来も、夢も、

 全て、全て、全て失って、


 それでも、

 センは、


「――まだ……だ……」


 『勇気』を叫び続ける。



「まだ……終わらない……」



 ふりしぼりながら、

 残った全てをかき集めて、




「終わって……やらねぇ……」




 覚悟を、

 謳い続ける。


「……絶対に……っっ!!」


 その瞳に、かげは微塵もない。

 とても『存在値1』とは思えない覇気。



 そんなセンの姿を目の当たりにしたオメガは、

 ニっと太陽のように微笑んで、




「――それでいい――」




 そうつぶやき、

 オメガは、

 センの心臓を、


 グチャっと、

 握りつぶした。






 ★






「――はっ!!」



 目が覚めた時、

 センは、ベッドの上だった。


 『ここ』は、彼――『高校一年生・閃壱番』が『生まれ育った実家』の自室。

 決して高級品ではないが、ぬくぬくと温かいベッド。

 『理不尽な絶望』と向き合う必要などない、

 親や社会によって守られた世界。


 『いつも』と何も変わらない、

 穏やかな、『平日』の朝。


 柔らかな太陽の光が、

 窓の外から降り注ぐ。

 どこまでも平和な、日本の朝。



「……はぁ……はぁ……」



 反射的に、自分の胸部を確かめるセン。


 当然の話だが、

 別に、穴など開いていない。


 センの心臓は、

 今も、トクトクと律儀に、

 全身へ血液を回している。


 『一般高校生である閃壱番』の『胸部』が、

 『神のようなバケモノ』によって、

 凄惨かつ無残に『貫かれる』など、

 常識的に考えて、あり得るはずがない


 チチチっと、スズメの鳴き声が聞こえた。

 どこまでも静かで、優しい朝だった。



「……夢……」



 寝汗でベットリしている両手を見つめながら、

 ボソっとつぶやくセン。


 『えげつない勢いで殺される夢』を見ていた……

 ような気がするが、しかし、


(……どんな夢だったっけ……)


 時間が経つにつれて、

 『夢の記憶』は、どんどん薄らいでいく。

 それは、きっと、誰にでもある経験。

 むしろ『夢の記憶を、いつまでも意識上に保管し続けておく方』が難しい。


 夢の記憶を失っていくのは、人間にとって、至極当たり前の話。

 何もおかしくはない。

 『高校一年生・閃壱番』の『日常』に『おかしな点』は一つもない。


 ゆえに、二分も経った頃には、



(……なんも、思い出せねぇ……なんか……マンガみたいに闘っていたような気はする……すっげぇ、しんどかったような気がする……メチャメチャ大変で、苦しくて……けど、なんか……楽しかったような気も……しなくはない……)



 もはや、『そんな気がする』という程度にしか思い出せなくなっていた。

 詳細な記憶は完全に失った。


 だから、最後に残ったのは、


(夢か……全部……そうか……まあ、だよな……)


 そんな『何にもならない納得』だけ。



 ――こうして、センエースの大冒険は幕を閉じた。

 なんてことはない。

 すべては、うたかたの夢だったのだ。



?「なんというドンデン返し!

  まさかの夢オチ!

  しかし、これならば納得!

  すべての伏線は、『夢だった』の一言で万事解決!


  結果、主人公生存の完璧なハッピーエンドで、大・団・円!」


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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
ここまで来るのに10ほどかかったけどついに1番好きなセレナーデ編まで来た!!!
[一言] これは......幻覚世界に囚われたとか、そんな感じの 展開と見て良いのかな。記憶を奪われ切って、 その上で虚実の世界に閉じ込められているとか、 そんな感じの理解でいいのかな? ドラクエモン…
[気になる点] 昔感想でセンエースの世界って実はゲームの世界、もしくは仮想現実のような作り物の世界だったりしますか?って質問したときミリオンさんの回答が これは、あくまでも個人的な考えなのですが、 …
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