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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
真I章 進撃のゼノリカ。

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60話 1001倍。


 60話 1001倍。


 希望も、可能性も、すべてを失ったセン。

 あまりの絶望に、さすがのセンも、一瞬、クラっとする。


「こんな……メチャクチャ……」


 つい、声がこぼれた。

 ひどすぎる現状に対し、当たり前のグチをこぼすセン。


 そんな彼に対し、

 オメガは、


「そうメチャクチャだ。あまりにもひどい。俺も、お前と同じで、バカじゃないからな。ちゃんとわかっているさ」


 たんたんと、


「さっきも言ったが、これほどのムチャクチャを通そうと思えば、当然のことながら、『積まなければいけない前提』の『量』と『質』は膨大になる」


 オメガは、遠い目をして、


「気が遠くなるほどの時間と覚悟を積んだ……本当に……大変だった……」


 感慨深そうに、そうつぶやいてから、

 センに視点をあわせ、


「センエース。ちょっと、本気で想像してみろ。『現状』を成すために、どれだけの重荷を背負う必要がありそうか。頭をフル回転させて、一度、真剣に考えてみろ」


「……」


「想像できたか? では、心して聞け。俺は今日までに、『お前が、今、想像した地獄』の『ザっと1001倍ほどの絶望』を積んできた」


「……」


「今回の発言は、戦闘開始前に俺が言った『1000倍強い』発言と違って、ゴリゴリのマジだ。ウソは一つもない。むしろ、ちょっと謙遜しているぐらいだ」


「……」


「センエース。お前の知らない世界の裏側で、これまで、何度も、何度も、何度も、何度も、『無数の実験・検証』が行われ、『高水準な絶望』が果てなき渦をまいた。そこで得た観測結果をもとに、幾度となくリハーサルが繰り返された。すべてはお前を殺すため」


「……」


「そうやって、無数の地獄を乗り越えて、たどり着いたのが『今』なんだ。すべての絶望が結集した『今』の底で、俺たちは、こうして向き合っている」



「……」


「だから、お前は死ぬ。三人の女も死ぬ。それで、すべてが終わる」


「……」


「この期に及んで、しかし、いまだ、わずかも諦めていないな、センエース。お前の根性は、本当に、この世に存在する『命全て』に匹敵する世界の宝物だと思う。けれど――」


 そこで、オメガは、

 センの胸部に、

 右腕を伸ばした。



「――がはっっ!!」



 センの胸をえぐり、

 心臓をワシ掴みにするオメガ。


 オメガの腕を伝って、赤い血がポタリと地に流れた。

 センの裂かれた細胞が悲鳴をあげる。


 存在値1の肉体。

 ソレの、なんと脆いことか。


「――終了だ。お前は頑張ったが、しかし、結局のところ、『ここまで』が限界だった。超えてほしかったのは『ココ』なんだが、しかし、ダメだった」


「ぐっ……ぁ……」


「ムチャを言っているのはわかっている。こんな、絶対的理不尽にまみれた絶望を超えられるはずがない。だが、しかし……『お前ならば、あるいは』と期待した」


「っ……ぁ……」


「お前は、間違いなく頑張ってきた。この俺すら超えてしまった、ハンパじゃなくスゴい男……なんだが……しかし、ここで終わるなら、他の主人公たちと大差ない。いわゆる一つの『100点でなければ意味がない理論』だな。特定の視点で見た時には、99点も0点も同じ。100点以外は全部ゴミ」


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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] 心臓が頻繁に触られる作品ですね。サイケルの 時といい、今回といい、天童の絶死といい。 自分で言っててどういう事か意味不明すぎて 分からなかったw 夢落ち展開があるとか言われてますけど、 …
[一言] もしかして、バンプティの意地である仮バグが 銀の鍵を持っていたのは、バンプティが P0である事や、プライマル・オリジナルなどが 関連しているのではないでしょうか。 P0→P型センエース0号→…
[一言] 「センエース。ちょっと、本気で想像してみろ。『現状』を成すために、どれだけの重荷を背負う必要がありそうか。頭をフル回転させて、一度、真剣に考えてみろ」 「想像できたか? では、心して聞け。俺…
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