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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
真I章 進撃のゼノリカ。

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26話 反省などしない。


 26話 反省などしない。


「ぅ……ぅぐ……ぅぅ……ぁっ……」


 うめき声をあげるクリミア。

 ズタボロだが、

 しかし、


 ――目は死んでいなかった。


「おお、やるな。普通のクズは、だいたい一周で灰になるんだが……お前、それなりに根性はあるみたいだな」



「ぅぅ……ふ……ふざけやがって……バケモノめ……」


 クリミアは、

 かすれた声で、

 しかし、胆力だけは込めて、


「てめぇ……上位コスモゾーン・レリックの化身だな……こんなバカげたマネが出来る存在など……それ以外にありえない……」


 自身に可能な範囲の推測でセンを捉えるクリミア。


 歯を食いしばりながら、


「領域外のバケモノが……ひ、人の命をもてあそびやがって……貴様らは……いつだって、そうだ……」


 そんなことを口にするクリミアに、

 センは、とうとうと、


「――『命をもてあそびやがって』……ねぇ。どの口が言っているんだ、と言いたいところだけど、まあ、いいや。お前に説教する気はないし、お前の勘違いを、いちいち、丁寧に正すつもりもない。俺は、そこまで出来た人間じゃない」


 などと、雑な言葉を投げかけつつ、


「……さて、それでは、二周目にいこうか。ちなみに、二周目からはゲストを呼ぼうと思っている」


 そう言いながら、センは、

 一枚の紙を具現化する。


 それは、先ほど、ミシャからもらったデータの一枚。


 センは、その紙に、再度目を通しながら、


「……胸糞悪い話だぜ、ほんと」


 小さく、そうつぶやきながら、

 その紙を、荘厳な炎で燃やす。


 紙は、数秒で灰になる。


 地に落ちた灰は、

 チラチラと揺らめいて、淡い光を放っている。


 その光は、やがて、結集して、いつしか、

 実体のないユラユラしている影をつくりだした。

 その影は、黒い涙を流しながら、罪帝を睨んでいる。


「お前に、家族を皆殺しにされ、性奴隷として弄ばれ、最後にはボロ雑巾のように殺された『匿名希望Aさん』の『思念』だ。『お前が、真剣に許しを請うた場合は、手を止めろ』という命令を下しているが、お前が心から許しを請わない限り、Aさんは、だいぶ自由だ。出来ないことは、お前を殺すことぐらい。ちなみに、ブラッディソウルゲートの中限定の話だが、思念体は、俺の攻撃系能力のいくつかが使える。さて、お前は、どこまで耐えられるかな」


 そう言いながら、

 センがまた、パチンと指を鳴らすと、


「あっ、あぁああっ!」


 また、まがまがしい腕が、クリミアを引きずり込む。


 その腕を追いかけるように、

 匿名希望Aさんの思念は、扉の向こうへと向かう。


 扉が閉まると、同時、



「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!」



 先ほどよりも、激しい悲鳴が聞こえてきた。


 中で何が行われているか、

 少しだけ知覚しているセンは、

 ドン引きした顔で、



「さすが、怨みがハンパないな。いっさい、容赦がない……」



 ――また、10秒ほど経過したところで、扉が開き、

 ペっと吐き捨てられるクリミア。


 それに追従する匿名希望Aさんの思念。

 まだまだ、やりたりないという表情で、

 かたく両手を握りしめている。


 二度の地獄を経験したことで、

 クリミアの老化はさらに進んだが、


 しかし、まだ目は死んでいない。

 その理由はしごく単純。



「な、なめんじゃねぇぞ……あと一回……たえてやる。……私は……決して……反省など……しない! カスをカス扱いして何がわるい!」




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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[気になる点] Aさんには、どの程度の意識があるのでしょうか? 怨みの化身みたいなものか、生前の記憶も性格も全部受け継いでいる肉体がない本人みたいな感じなのか……匿名希望ってことは、結構意志がありそう…
[一言] ブラッディソウルゲートに耐えても、反省の色が見られないなら、根性はあると少しだけ認めて、センが直接手を下しそうな気がします。 Aさんには、クリミアをひたすら拷問する権利と、生前にはなかった…
[一言] 真I章26話 「てめぇ……上位コスモゾーン・レリックの化身だな……こんなバカげたマネが出来る存在など……それ以外にありえない……」  自身に可能な範囲の推測でセンを捉えるクリミア。  歯を食…
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