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39話 初経験値

 39話





 ゼンは起き上がり、ゴブリンが手放したこんぼうを拾う。


「お前は、ただのモンスター……数日たったら、復活する……けど、それって、お前なのか、それとも別のやつなのか……」


 つい、なんとなく、そんな事を考えてしまった。

 けれど、すぐに、


「はっ……どうでもいいか……行くぞ、火ゴブリン。記念すべき、俺の最初の敵…………」


 投げつけられた二つの火の玉を左腕でガードする。


 ブォオオっと、前の玉よりも鋭い勢いで全身を包み込んだが、

 それも、結局、一瞬の出来事だった。


 ヤケドにも至っていない。


 ダメージは負った。

 痛みもシッカリと感じている。


 しかし、


「いてぇ……熱い……だが、覚悟を決めていれば……我慢できる……我慢出来ない分はカットされる……つまり、俺は、いつだって、最後まで闘える……あとは、気合いと根性……なら、俺は行ける……いや、そうでなくたって、きっと……」


 眼帯が見通した火ゴブリンの残りMPはゼロ。

 動くこともままならず、死にかけで、魔力も尽きた子供サイズの敵。



 もはや、負けはない。



 距離をつめ、こんぼうをふりあげ、


「倒すとか、勝つとか、やっつけるとか、成敗するとか、駆除するとか、そんな綺麗な言葉は使わねぇ。これは殺し合いだ。手前勝手に、お前を殺して、俺は生きる。……俺のエゴで、お前の命を奪う。俺はこれから……そうやって、生きていく」



 宣言。

 頭がヒリついた。


 腹の底から湧き上がってくる『明確な殺意』に対して、『歪んだ喜び』は感じなかった――その事に安堵しながら、


「うらぁああああ!」


 思いっきり頭部に叩きつけると、


「グ……ギ……」




 ようやく、ゴブリンはぐたっとして動かなくなった。




「はぁ……はぁ……よしっ」



 ゼンは、その場に座り込みながら、グっと拳を握りしめた。


 動かなくなってから5秒ほど経過すると、ゴブリンの全身から、よくわからない光の粒が、湯気のようにチラチラと放出される。

 やがて、それらは、ゼンの体に入っていった。


 ゼンは、そんな光景を見ながら、数真で自分のステータスを確認する。




 000000000000000000000000000000000000000



 《レベル》     【2】

 《GODレベル》  【236】


 [生命力バリア]  【5375/5375】

 [MP]      【1273/1273】

 [スタミナ]    【8/32】


 「攻撃力」       【2】

 「魔法攻撃力」     【1】

 「防御力」       【2】

 「魔法防御力」     【1】

 「敏捷性」       【1】

 「耐性値」       【2】

 「バリア再生力」    【1(+2000)】

 「魔力回復力」     【1(+2000)】

 「スタミナ回復速度」  【2】

 「反応速度」      【1】


 「隠しパラメータ合計値」【159】


 「獲得経験値」     【3】

 「ネクストEXP」   【1】




 111111111111111111111111111111111111111




(GODレベルの上がり方が、ホントにエグいな。……隠しパラメータってのも、なんなのかよくわからねぇけど、まあまあ上がっている……)


 凄まじい成長率。

 毎秒、強くなっていく。


(でも、経験値は3……あんだけ苦労して3かよ……7倍になってないところから察するに、強敵とは認められなかったってことか……今の俺からすれば、まあまあ強敵だったんだが……それとも、経験値3で、7倍になっているのか? ありえなくもない話だが……モンスターごとの経験値表が欲しいところだな……てか、攻略ウィキが欲しい)


 などという思考が、一瞬、頭を埋め尽くしたが、すぐにゼンは、


(ないものねだりは時間の無駄だ。現実だけ直視しろ。……レベルはあまり上げられそうにないけど、バリアの耐久度はドンドン上がっていて、回復速度もスゲェはやいから、ずっと闘い続けていない限り、そうそう死ぬことはないだろう。最悪、死にそうになっても、全力で逃げて、どっかでバリアを回復させてから、もう一度挑むっていうのを繰り返せば、どうにかなると思う……)


 『ふぅ』と、これからの戦闘に対する目途がたった事に安堵し、息をつく。



 それから、ようやく、



「さて……それじゃあ……記念すべき、最初のレベルアップといこうか」




 

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