表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
『0』章 反聖典物語~カドヒト・イッツガイ(門人壱番)の慟哭~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1408/6050

62話 不退転の不具合。


 62話 不退転の不具合。


「普通のヤツにはできねぇよ。俺だって、ガキの頃には言えなかった。至極、単純な話。――いままで必死になって背負ってきた全てが、俺に不遜ふそんとおさせる」


 そう言いながら、

 センはゆったりと武を構える。


 その悠然としたさまを目の当たりにして、

 バンスールは思わず、


「お前は……いったい……なんなんだ……」


 つい、ポロっと口に出てしまった。

 もはや、すでに理解できている。

 けれど、問わずにはいられなかった。


 心が、答えを求めている。


 センは、

 ニっと微笑んで、


「俺は究極超神の序列一位。神界の深層を統べる暴君にして、運命を調律する神威の桜華――舞い散る閃光センエース」


 名乗りを受けると、

 バンスールは、かみしめるようにうなずいて、


 キっと、その視線に力を込めて、


「オレは、不条理の限界を超えた観念の結晶。存在理由を求めてさまよう領域外の破損データ。不退転の不具合バンスール」


 ゆっくりと、武を構えた。

 シンと静かで、

 どこか物悲しい。


 けれど、

 その奥にある輝きは、

 とても、無垢で、

 どこか、廉潔れんけつさを感じさせて、

 だから……




 ――ギンッと、

 硬質な音が響いた気がした。




 ゆったりと深く、

 雑味なく、


 静かに、ゆるやかに、

 時間の流れよりもしとやかに、


 両者の武が、まじりあう。



 最初は拳で挨拶。

 触れるようにやさしく、

 互いの輪郭を求めあう。


 煽情的せんじょうてきに、

 しなやかに、

 きめ細やかに、


 瞬間移動に残像を絡ませて、

 オーラと魔力が鮮やかな陰影を刻む。


 空間全体で表現する涼やかな芸術。


 この上なく贅沢な空間。

 リミットを超えた鮮やかさで埋め尽くされる。


 優雅にオーラが弾けて、

 瀟洒に魔力が弾む。


 その美しい流れの中で、

 センエースは、一定のリズムで、


「なるほど、確かに、お前からは、ソンキーを感じるよ、バンスール」


 認めた上で、

 その上で、


「しかし、少し薄いな。もう少し、ちゃんと、つかみ取れ。ソンキーの武は、もう少し、影が濃いんだ」


 センの言葉に、

 バンスールは瞠目した。


(……まだ……これでも……足りないというのか……っっ)


 気が遠くなった。

 つい、フラっとヨロめいてしまった。


 そんな『甘え』を、

 センエースは、あえて見逃した。


 同格同士の闘いであったなら、

 その手のミスを見逃したりはしない。


 ――すなわち、現状は『指導』にすぎないってこと。

 遥かなる高みに位置する神が、

 見込みのある幼子に対して、

 究理の学を刻もうとしているにすぎない。



「もっと、ソンキーを理解しろ。あいつは美しい。お前が想像しているよりもずっと」



 天上から降り注ぐ言葉。

 それは、まさに命の道標みちしるべ


しんを推動させ、を気化し、たい温煦おんくする……あいつのりゅうにノイズはない。その命すべてが神業。彷徨さまよう冒涜。コピーでは届かない世界。その最果て」


 丁寧な解説。

 だが、

 あまりにも丁寧すぎて、


(……わからない……なにも……)


 バンスールには届かない。

 当たり前の話だが、

 そう簡単に理解できる領域ではない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] 不退転の不具合 今回のタイトル こんなところにも伏線が
[気になる点] その内、イベントで人気なセリフ投票みたいな事を やってみてはいかがでしょう。 『○○○○部分の感想として書く』である程度 一箇所に投票の感想を集めたりすれば 少しは集計も楽にはなると思…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ