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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
『0』章 反聖典物語~カドヒト・イッツガイ(門人壱番)の慟哭~

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9話 リアリストには理解できない光。


 9話 リアリストには理解できない光。


『これだけ努力している俺を置き去りにするほどの努力を、あなたたちは積んだのだろう。もちろん、俺より才能があったからというのも要因の一つだと思うが、それだけでは、その高みまでたどり着けないという想像ぐらいはつく。……すごいよ……本当に……あなたたちは……美しい……』


 本気の敬意に包まれる。


 『努力を怠った者』は『成功者』をねたむが、

 最低限以上の努力を積んだ者は『高みに至った者の狂気』に敬服する。


 狂おしいほどの絶望を知っているスールは、

 魂の底から、ゼノリカを敬愛している。


 ――だからこそ、スールは、センエースという偶像が許せない。

 『そんなくだらない嘘でゼノリカという光を穢してはいけない』

 と、心が強くわめいている。



「センエースなんて神は存在しない。するわけがない。こんな『頭の悪い妄想』に頼るべきじゃない」



 スールの本気の想いを受け止めたパメラノは、

 数秒の沈黙を経てから、


 『ふぅ』と長めの息をつき、


 天を仰いで、

 けだるげに、



「リアリストには理解できんじゃろうな。あの輝き、あの狂気」



 パメラノは、一貫して、

 『主の実在を伝えるため』に『説得しよう』とはしていない。


 『無駄だ』ということが十全に理解できているから。

 パメラノは、一般人に対して『センエースという神を理解してもらうための説得』はしない。

 しても意味がないと知っているから。

 肌で触れなければ、あの暖かさを理解することなどできるはずがないから。


 この点に関しては『一度も説得を試みずにハナから諦めている』のではない。

 これまで散々やってきて、

 今でも『見込みのあるやつ』に対しては説得を続けているが、

 『結局、まともには理解されなかった』というそれだけの話。


 九華十傑の第一席ジャミ・ラストローズ・B・アトラーは主を信じていない。

 パメラノは、ジャミが生まれて間もないころから、

 ずっと、ひたすらに、根気強く、主の美しさを散々といてきたが、

 しかし、いまいち、心に刺さっている様子はない。


 『あの光に触れていない者』には伝わらない。

 伝えることなど出来るはずがない。


 平和ボケした現代の若者に、地獄を切り開いた男の狂気など伝わるはずがない。




 ――誰もが明日をあきらめた『地獄の底』で、


『命令だ。前を向け』


 たった一人、


『ここには俺がいる』


 全ての命が叫んだ『助けてくれ』って慟哭を受け止めてくれた、


『見せてやるよ、希望。殺してやるよ、全部』


 あの尊き光を、


『根こそぎ、終わらせてやる。すべての絶望を殺してやる。世界を救ってやる』


 本を読むだけで理解することなど、


『お前たちの先頭には、いつだって、必ず、俺がいる!

 必ず、お前らの前に道をつくってやる!

 だから、前を見る事だけはやめるな!

 目をそらすな!

 絶対に、俺の背中から目を離すんじゃねぇえええ!!』


 ――できるはずがないのだ。




(下手に努力を積んだ者ほど、主に対する疑念をいだきがち……この世界の『あるある』じゃな。絶望の重さを知れば知るほど、『命の王』など存在するわけがないと思いたくなってしまう人のサガ――)



『全部、背負ってやるよ。

 なにもかも全部。

 全ての絶望、希望、想い、願い、命、心、全部。

 俺はセンエース。お前たち全員の王だ』



(――矮小な己を苦しめている『その壁』を、当たり前のように越えていく存在などいるわけがない、という、もはや脊髄反射ともいうべきメンタル防御思考)



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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] センエースって作品を読んで自称賢者(笑)みたいに限界をきめて行動すんのって意味ないなって良く思います。 これからも努力を続けて勝ち組wになれるように頑張ります
[良い点] 世界大戦編やバグ編、愚神編を見るだけで、未だに首筋と二の腕に鳥肌が立ちます。 特に、バーチャによってセンがワールドシンボルに埋められた後、「それでも、叫び続ける勇気を」と言うシーンは、一文…
[一言] 異世界大戦での、センの台詞ですね。 俺がヒーローになってやる、とヒーローを騙り 他の皆の希望を一身に背負って、 「ヒーロー見参」と叫びながら戦場に飛び込んだ 過去のセンエース、あれはカッコい…
感想一覧
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