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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
真E章 P型センエース4号の神話。

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117話 黒く、輝け、トラペゾヘドロン。

カウントダウン0


 117話 黒く、輝け、トラペゾヘドロン。


「黒い血を吐くとはねぇ……もしかして、君は人間じゃなかったのかなぁ?」


 困惑の中で、そんな質問をするが、

 ゲンはまったく聞いておらず、


「ごぽぉおお! あぁああ、げはぁ!」


 大量の黒い血を吐き出し続ける。


 その黒い血は、どんどん集まっていき、

 圧縮されていく。


 そして、最終的には、


 漆黒に輝く玉となって、

 ゲンの手の中におさまった。


「……はぁ……はぁ……うぷ……うぇ……」


 ゲンは、白目をむいたまま、

 その玉を握りしめると、

 まったく精気のない、しゃがれ声で、




「――黒ク……輝ケ……トラペゾヘドロン……」




 そうつぶやいた。

 その瞬間、

 その黒い玉から、闇色の混沌が這い出てきて、

 ゲンを包み込んでいく。


「ウゥウウガァアアアアアアア!!」


 数秒後、黒い混沌に包まれたゲンは、


「ウィイイッッ!」


 ふぃに、


「ダァァア!!」


 目をカっと開き、




「ぶはぁっっ!! はぁ、はぁ、はぁ……い、あ……い、あ……んー、ああ……」




 何度か息継ぎすると、




「うん、オッケー」




 そうつぶやき、

 首をコキコキとならして、

 肩をまわし、


「なんとか、同期できたな……よかった、よかった」


 自分の両手を見つめながら、そんなことをつぶやくゲン。


 そんなゲンに、ヤマトは当然、


「それは……どういう状態なのかなぁ?」


 疑問を投げかける。

 ゲンは、


「さぁなぁ……自分でもイマイチよくわかってねぇよ。なんとか同期できたが、しかし、全体的にあやふやだ。何もかもが非常にあいまい……俺は今の俺自身を、さほど理解しちゃいない」


 言いながら、天を仰いで、


「だが、わかることもいくつかある」


 そうつぶやくと、


「……すぅう、はぁぁぁ……」


 と、深く息を吸って吐いて、


「自由になって……だからこそ、不自由の鎖に縛られる……まるで、命みたいだ」


 理解できそうにない言葉を吐いてから、


「……なんてね♪」


 最後にそうつけたした。


 そんなゲンの様子を、

 ヤマトは注意深く観察していた。


(……不思議だねぇ……今のあの少年は……すべてが……とてつもなく静か……)


 理解できない静けさの中で、

 ヤマトは次の一手をはかりかねていた。


(この感じはいったい……)


 ゲンから目を離すことができない。

 黒い混沌に包まれたゲンを見ていると、

 ヤマトの心の奥まで不思議な静けさに包まれていく。


(あれは……さっきまでの少年じゃないねぇ……概念レベルで別の……『何か』……)


 その理解に至った時、

 ヤマトは、脊髄反射的に、

 一歩、後ろに下がった。


 そんなヤマトの様子を感じながら、

 ゲンは、天を仰いだまま、


「さすがだな『罪帝ヒミコ』。俺の特異性を正確に解するとは……やはり、調停者の血族はスペックが非常に高い。『それなりに高いコストを払って創られただけのことはある』と言ったところか。それにぶっちゃけた話、罪帝の血が最も『濃い』しな」


 そんなことを口走った。

 ヤマトは、心底驚いたように、目を丸くして、


「な、なぜ……私の『名』を……」


「知っているのかって? もちろん、知っているさ。この世界の事なら、たいがい知っている。なんせ『創っているところ』を『隣』で見ていたからさ」


「……創っているところを……見た……?」


「ああ、だから、小説にまとめられるくらい、この世界については理解している」




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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[気になる点] 創造主はまさか主人公ではない?いや流石ないか? [一言] まさか主人公が創っているところを隣で見ている存在だとは思いませんでした
[気になる点] 黒く輝くトラペゾヘドロンと、 ゴートが持っていた『コアが増える神のアイテム』 トラペゾヘドニョンの関連性。コアのメモリが 増えて、複数のシステムを積めるようになる、 というのはソルの『…
[一言] 混沌が這い寄ってきた…
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