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115話 人を好きになったことある?

ゲンにナニかがおこるまで、

カウントダウン2


 115話 人を好きになったことある?


「もう、堂々巡りになりそうだし……そろそろ終わらせることにするよぉ」


 そう言いながら、両手に魔力をためていくヤマト。


「これから私は、異次元砲という魔法を使う。すさまじく強力な魔法で、君のオーラでは、絶対に耐えられない」


「……」


「君も、全宮ロコも、確実に死ぬ。逃げるなら、これが最後のチャンス。これが、本当に、最後の最後の最後のチャンス。それをちゃんと踏まえた上で、行動するように」


「……」


 ヤマトの忠告を受けて、それでも、ゲンの目に変化はなかった。

 狂人の目。

 ラリっている瞳。


「覚悟が決まっている目……なぜ、そんな目ができるのかなぁ……わからない……わからないから、気持ち悪い。この気持ち悪さを払拭するためにも、できれば理由を知っておきたかった……けど……まあいいやぁ」


 そう言うと、

 ヤマトは、魔力とオーラで膨れ上がった両手をゲンたちに向けて、


「じゃあねぇ」


 そう言って、魔法を放とうとしたその時、

 ゲンが、


「あんたさ」


 口を開いた。

 ギリギリのところで撃つのを止めるヤマトに、

 ゲンは、


「人を好きになったこと……ある?」


「……いや、ないねぇ。私が人間を好きになることは……未来永劫、ありえないだろうねぇ」


「そうか。俺と……同じだな。俺も……そう思っていた」


 ゆっくりと言葉を選んでいるゲン。

 時間を稼いでいるといった感じではなかった。


 だから、ヤマトは黙って聞いていた。

 いつでも撃てる姿勢のまま、


「続けてぇ」


 そううながすと、

 ゲンは、ボソボソと、小さな声で、


「一生、俺は俺のままだと思っていた……俺は壊れているから。誰のことも愛せずに終わると信じていた」


「信じていた……とは、また不思議な言葉をつかうねぇ」


「自分はこういう人間だって……どこかで『自覚』していて、そういう人間のまま、最後まで俺自身を貫き通してやるっていう『意地』みたいなのがあって……だから……俺は、俺のまま、俺らしく……死んでいくと思っていた……俺のまま死んでいきたいと思っていた……」


「それに似た感情は私も抱いているよぉ。いつまでも自分のままでありたいという願望」


「それで、だから、えっと……」


 そこで、言葉が詰まり、

 もどかしげに、頭をかきむしるゲン。



「悪いな……時間稼ぎをしているわけじゃないんだ……ただ、言葉にするのが難しくて」



「わからなくもないよぉ」


 そう言ってくれるヤマトに対し、

 少しだけ感謝しながら、

 数秒をかけて、

 ゲンは思考を重ね、

 その結果、


「――あんたは、絶対に、ロコを殺す?」


「ああ、絶対に殺すよぉ」


「俺があんたの剣になるっていってもダメ? 俺は……将来、すごく強くなると思うよ。世界で一番強くなる、権力も地位も全部手に入れる……金も……今の時点で、すでに、大量にある。まだもらっていないけど、ここを切り抜けられれば、きっと、ちゃんと手に入る。それを全部あげる……ほかにも、俺にできることは全部やる……だから……」


「だからぁ?」


「ロコを……殺さないでください」


 真摯に頭をさげるゲンに、

 ヤマトは言う。


「なぜ、そんなにまでして、全宮ロコを守ろうとしているのかなぁ?」


 その問いに、

 ゲンは、この期に及んで、

 少し迷いながら、

 しかし、

 前を向いて、



「――たぶん、その女が好きだから――」



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― 新着の感想 ―
[気になる点] ゲンにナニかが起きるまで、 順番的に 起きるまで→おこるまで ではないでしょうか? ひらがなに、そしてカタカナになっていく事で人から離れていくのを現してたりして
2020/05/07 12:44 あつりんご
[気になる点] ミシャはアダムに対して女の顔をして対抗したことがありましたけど、ミシャのセンに対する感情は、父親に向けるようなものor恋のどちらなんでしょう。 [一言] こいつ……っ! やっと気づきお…
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