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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
真E章 P型センエース4号の神話。

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110話 最後の最後。


 110話 最後の最後。


「どうですぅ? 『絶死のアリア・ギアス』とか積んで、再挑戦してみませぇん?」


 ヤマトの提案を聞いたロコは、鼻で笑って、


「死んだら……あんたに勝っても意味がない。あたしの目的は、あんたに勝つことなんかじゃない……」


「ま、そりゃそうでしょうけどねぇ。でも、このままだと死ぬだけですから、試しにやってみませぇん?」


 ニコニコと笑いながら、

 そんな提案をしてくるヤマトに、

 ロコは、気力の抜けた顔で、


「もし……生まれ変われるのなら……」


 どこか遠くを見ながら、


「こんな壊れた世界じゃなくて……ちゃんとした世界に……生まれたいなぁ……」


 そうつぶやいた。


「あらら。戦意が消えちゃいましたかぁ?」


「まだ残っているわよ……多少だけど……覚悟の分は……残っている……」


 そう言いながら、深呼吸をして、


「願いぐらい……口にしたっていいでしょ。叶わないことくらいわかっているわ。けど……夢ぐらい見させてくれたっていいじゃない」


「誰も悪いとは言っていませんよぉ。夢を見るのはご自由にぃ。ただ、あなたのメルヘンな夢に付き合う気はないので、現実逃避のトリップは勘弁してもらえませんかぁ? もし、次、メルヘンが暴走したら『対話の時間は終了』と断定し、迷わず殺しますよぉ」


「……子供相手に、そんなに厳しくしないでよ。いいかげん、泣いちゃうわよ?」


「どうぞ、ご勝手にぃ」


「……はぁ」


 ため息をついてから、

 ロコは、魔力を高めていく。


「おしゃべりはもういいわ……言いたいことを全部言ったわけじゃないけれど、あんたとは会話にならないってことがよくわかったから」


「そうですかぁ? 結構、うまく会話できていたと思いますけどぉ」


「あんたがそう思うんならそうなんでしょう。あんたの中ではね」


 そう言って、ロコは、ヤマトに向かって殴り掛かった。

 魔力を込めた拳。

 『これが通る』だなんて1ミリたりとも思っちゃいない。


 今のロコが、ヤマトに勝てる理由はない。

 ヤマトはロコを遥かに超えている超人。


 どれだけあがこうと、ロコは、ヤマトに殺されるしかない。

 だから、もう策は練らない。

 隠し玉も奥の手も使う気はない。




「最後の最後にぃい! 景気よく暴れて! このくそったれな人生を終わらせる!!」




 叫びながら、ロコはヤマトの顔面に拳を叩き込んだ。

 よけようと思えばいくらでもよけられる一撃。

 ――だが、ヤマトはあえて仁王立ちで受け止めた。


 ガツンと、ヤマトの脳天に響いた。

 間違いなく響きはした――が、それだけであって、ダメージにはなっていない。


 ヤマトは、カウンターを決めることも、

 ロコの拳をつかむこともせず、

 しみじみとした口調で、


「気合の入った『いい一撃』でしたねぇ……追い詰められた命が最後に魅せる輝き……非常にみやびな一撃でした」


 そう言ってから、


「あなたの……全宮ロコの未来を見てみたいという感情もなくはないのですが……しかし、ここは、全宮アギトの依頼を優先させていただきます。義理や道理からではなく……なんといえばいいのでしょうか……うん、よくわかりませんねぇ。結局のところは、たんなる気まぐれ。あるいは、やはり、私なりのプライドでしょうか。なんにせよ、非常に私らしい理由」


 などと、中身のない言葉をダラダラと並べてから、


「それでは、さようならぁ」


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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[一言] 最近キャラが散らかり過ぎている気がする、ここらへんでセンエース登場!って感じで良いと思う。
2020/05/04 09:41 高月マコト
[一言] 次話にはゲン視点に飛んでいる気がします。 センエースエンジン起動で、何かやりそう。 ゼノリカが既にこの世界に来ていたら、 魔力の高まりや魔法の連射などを感知して 既に来ている可能性があり…
[一言] ()内は妄想w ・ゲンが助ける(ロコが惚れたりしないかなぁ)→逃げ切る。 ・ゼノリカ介入。……誰かにバフをかけられるなどなど。 ・普通に死亡(第二〜第九アルファにそこそこの存在値と記憶を持…
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