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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
真E章 P型センエース4号の神話。

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88話 アギト! 私のいうことが聞けんのか!


 88話 アギト! 私のいうことが聞けんのか!


「現状のルールで、コレを壊すことは、理にも利にもかなっていない。事故であれ、故意であれ、壊したとなれば、当然、賠償金を支払っていただきます。その額は、先ほどお兄様がコレに提示なされた額の『10倍』はいただきますから、そのおつもりで」


 そんなロコの『尋常ならざる宣言』を受けて、

 アギトは思う。


(安いものかもしれない……まだ幼いこの時期に、コレを殺しておけるのならば……その代償として『数十兆』程度の損失は……まだ……)


 アドレナリン全開のバリバリ戦闘脳の興奮状態なので、

 『まともな判断』は下せていない。


 さすがに20兆はいきすぎなのだが、

 極限状態における脳ミソで、正常な損得勘定は不可能。


 現在、アギトの脳内にあるのは、

 『ゲン・フォースの抹殺』のみ。

 その為の『必要経費』は青天井。


「殺しはしないさ。そういうルールだろう? わかっているさ……というわけで、ロコ……どきなさい」


 冷静を装って、

 しかし、明らかに殺気だっている『血走った目』でそういうアギト。


「殺す気満々の顔で何をおっしゃっているのやら……認めるわけにはいきません」


「どけよ、ロコ……なんなら……」


 そこで、アギトは、まっすぐな殺意をロコに向けて、


「ここで、まとめてやってやろうか……いや、もはや、外聞がいぶんなど気にせず、まとめてやっておくべきか……」


 ぶつぶつと、

 アギトは殺意をむき出しにする。


 ドバドバのアドレナリンに支配されて、

 周囲がまったく見えていない。


 感情のマリオネット。

 ないまぜになった情動が、アギトの全身を蝕んでいく、


(今ならやれる……間違いなく)


 ロコはまだ幼女で、『先天的支援型』でもあるため、

 戦闘系のステータスがのきなみ低い。


 対して、アギトは、気力・体力ともに充実している20代で、

 かつ、バリバリの『アタッカータイプ』であるため、

 純粋な殴り合いならば、ロコを殺しきることなど造作もない。


(今のうちに……殺しておく……それが最善)


 覚悟を決めると、

 アギトは、ロコとゲンを殺すために魔力を練り上げ、

 そして、


「死ね、イカれたクソガキども……」


 その練り上げた魔力を叩き込もうとした、


 ――その時、




「落ち着け、アギト」




 パァァァンと、甲高い音が亜空間内に響いた。

 アギトの頬が赤くなってジンジンと響く。


 殴られたと理解し、頬の痛みを感じるまでのタイムラグは二秒。


 アギトの頬を殴ることができる者は、物理的にも地位的にもかなり少ない。


 アギトの父である『全宮テラ』は、

 アギトの目をにらみつけ、


「さすがに、熱くなりすぎだ。まわりを見渡せ」


 アギトは、何も言わず、

 まっすぐにテラをにらみ返す。



(見えているさ……だからこそ……)



 『正論を背負っている時』の人間は強固。

 ゆえに、こころは変わらない。


 ――けれど、


「なんだ、その目は……アギト」


「……ぃえ……なにも……」


 『意思の強行』は出来そうにない。


 生まれた時から、ずっと父の背中を追ってきた。

 だから、テラの強さは骨身にしみている。


 テラにやめろと言われたら、やめるしかない。


(……愚かしい……『ここで止めた』ということは……父は理解できていない……ゲン・フォースの異常性……コレとロコがセットであるという事実のヤバさが……父には理解できていない……止めるべきじゃなかったんだ……あんたは……黙ってみているべきだった……クソ老害……バカ親父……)


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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[気になる点] これテラがゲンの事気に入ってしまい、アギトが手出しできなくなるパティーンかな(´・ω・`)?
[一言] ゲンの異常性に気付けるアギト、味方にならんかなぁ…
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