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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
真E章 P型センエース4号の神話。

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70話 ゲン・フォースの可能性。


 70話 ゲン・フォースの可能性。


「来い……お前の全部を見せてみろ」


 そんなダギーの言葉を受けて、

 ゲンは、


「――虹気!!」


 自分を解放する。

 最初からフルスロットル。


 虹色のオーラに包まれたゲンを見て、

 空間の外から観察しているアギトが、


「……虹気か……レアだな……」


 ボソっとそうつぶやく。

 別に驚いているというわけでもない。

 『珍しい』という感想以外は特に何も感じていない。


 ほかの面々も、現状のゲンに対して抱いている感想はその程度。


「輝きが薄い。レアなだけだな」

「いえ、そこそこの輝きですわ。ウルトラレアではありませんが、スーパーレアぐらいの評価をしてもよろしいのではなくて?」

「……気合だけは及第点だな」

「ま、確かに、少しは根性がありそうだが……」

「しょせん、ちょっと気合が入っただけのガキ……くつがえせやしないさ」

「無意味な賭けだ」

「時間ばかりかかるルールにして……」

「私、忙しいんですけど、これ、いつまで見続けるの?」

「大人が子供を甚振っているだけじゃないか。なげかわしい」

「ま、あまり気分のいい見世物ではないな……」


 冷めた顔で、特に感情のない感想をつぶやく。

 ここにいるのは気品のあるメンツばかりなので、

 賭博黙示録に出てくる異常者連中のように、

 この状況を喜々として観察するようなマネはしない。


 他人の目がある状況で『凄惨なシーン』を目の当たりにして、よだれを垂らしながら手をたたいて喜ぶ人間など、そうそういない。

 内心で実は『ゲンがいたぶられているのを喜んでいる者』なら、この場にも、何人かいるが、少なくとも、人前で、その性癖を素直にさらすほどの愚者はここにはいない。


 ――虹色のオーラに包まれたゲンは、

 さらに、


「拳気ランク3!!」


 全力で拳にバフをかける。

 さらに、さらに、


「武装闘気!!」


 オーラの鎧を身にまとい、


「はぁああああああああああ!!」


 限界まで、魔力とオーラを練り上げていく。


 その様子を見ていたダギーは、

 心の中で、


「この年齢のガキが……ここまで……」


 素直に感心していた。


「私がお前と同じ歳だったころは……ランク2の魔法を覚えるので精いっぱいだった……ムカつくな……」


 そして、素直に嫉妬もしていた。


「なぜ、私が一番の天才ではない……」


 沸き上がってくる自己嫌悪。

 自分に対する強い期待と、

 期待には応えられない弱い自分とのジレンマ。


「一番でなければ意味がない……だが、私は一番ではない……」


 ゲンの資質を目の当たりにしたことで、

 ダギーの中で、感情がグルグルと渦をまく。


 これは決して珍しい光景ではない。

 これまで、ずっと、ずっと、ずっと、

 才能のある人間を見るたびに、

 この感情にさいなまれてきた。


 いつまでたっても、

 ダギーは、自分が許せない。

 世界一ではない自分が許せない。



 だからこそ、ダギーは、ここまで来られた。



 弱さを飲み込んで、痛みとともに、

 一歩ずつ、一歩ずつ、

 その歩を前へ、前へと進めて、

 どうにかこうにか、

 今日という日までたどり着いた。


 ――そんなダギーの視線の向こうで、

 ゲンは、さらに、


「分身ランク3!!」



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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[良い点] やっぱり、このシーンはマジで好きだなぁ...すげえ記憶に残ってる。理由はわからないんです。このシーンよりも、『センエース性』だったり、根性が輝いている場面は沢山ある。それは分かる。だけど、…
[一言] 亜門を見たら怒り狂いそうですね。亜門は 才能で言えばダギーやゲンよりも上ですから。 10歳のガキに才能で既に追い越されている屈辱。 もっと言えば、ジャミやシューリの方が才能は 上です。才能…
[一言] 泥仕合でゲンに勝てるやつなんてこの世界にはいないんじゃ……。 流石にちょっとセンエースよりは劣るが、目の前に現れた圧倒的強者に勝つのは難しいとしても、耐えるんならイケそう。イケイケ!
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