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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
真D章 『真・第一アルファ』

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88話 センエースが望んだもの。


 88話 センエースが望んだもの。



『……セン……様……あなたは……どうして……いつも……』




『どうして、か。なんでだろうな……『俺にしか出来ない事だから』……なんて言葉は正確じゃないな……んー、マジでなんでだろう……いや、ほんと、なんでなんだろうなぁ……わかんねぇ……いや、本当はわかっている』



 狂おしいほど暖かい。

 神の尊さは『その強大な存在値』ではなく、その一歩奥にある。


『あんまり言いたくないけど……でも……そうだな……』


 照れくさそうに、微笑みながら、


『きっと、たぶん……【愛してくれたから】だろうな』


 センは、ドナの目を見つめて、


『俺は孤独主義者のサイコパスだけど、愛されたくないワケじゃない。俺が欲しいモノは確かにあった。死んでも守りたいもの、たとえ他の全てを無くしても、それだけは失いたくないってもの……けど、それは、俺が望んだからって手に入るものじゃなかった。どれだけ努力しようが、どれだけ命をかけようが……俺一人だけでは絶対に手に入れられないものだった』


 消え入りそうな声だったが、

 しかし、ハッキリと、ドナの耳に届いた。


『これまで、俺は、事実、自分勝手に生きてきた。やりたいことをやってきた。俺は間違いなく気味の悪いサイコパス。常人には理解できない変態野郎。他者の理解なんて得られるわけがない狂人。そんな俺を……お前たちは愛してくれた。俺の無茶な願いをかなえようと努力してくれた』


 『神の願い』は、不条理の抹殺。

 努力が報われる世界。

 理不尽な悪を殲滅した未来。

 誰もが輝く明日を想える魂の理想郷。



『この幸運と幸福を……俺は、どうしても、失いたくない』



 心に『正しさ』を内包する者であれば、誰もが望む理想の世界。

 しかし、あまりにも難易度が高すぎるため、誰も本気では望めない理想。


 神は、そんな『無謀が過ぎる理想』を、

 『大勢の命』の代わりに望んでくれた。


 『弱い命』の代わりに、

 誰よりも狂気を積んで、

 『イカれた理想』を実現しようと闘い続けてくれた。



 『大勢の愛に応えて理想を背負ってくれた』

 などと飾れば、表面上の言葉はキレイに処理されるけれど、

 実際のところは『無茶な願望を押し付けた』だけ。

 結局のところは、おんぶにだっこ。

 それだけ――なのに、

 神は、まっすぐに前を向いて、


『だから、俺は最後まで戦うと決めた。借りっぱなしは趣味じゃないから。――返報性の原理がどうとか、純粋理性的にどうとか、そういう込み入った話じゃない。借りたら返す。それだけの話。……つまり、俺が闘う理由は【俺にしか出来ない事だから】ではなく……【これ】は【俺がやるべき事だから】――そんだけ』


 『誰にもマネできない偉業』の裏には、

 無数の『誰にもマネできない輝き』が隠されている。



 ――だから、ドナは、聖典が嫌いだった。



 どれも、神の『表面上の美しさ』ばかりをなぞっていて、

 神の『本当の美しさ』はまったく描けていないから。


 神の尊さとは、

 『最強の存在値』とか、

 『無敵の戦闘力』とか、

 『なぎ倒してきた敵の数』だとか、

 ――そんな『安っぽい数値』じゃない。



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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
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