3話*教会*
あぁ……私、確か屋上から落ちたんだっけ……?
そっかぁ……何か人生グダグダだったなぁ……。
てか、目の前真っ暗なんだけど、ここが死後の世界?
死後の世界なのに、私意識あるんだ。へぇ……。
…………ちょっと待って。ものすごく息苦しい。
うんいや、コレきっと私生きてるよ!!
だってまず私、今呼吸してるもん!!生きてる生きてる!!
本当に息苦しい、コレ窒息死するかもしれない!!
今度こそ本気で死んじゃうよ私!!!!
心の中で、一人で会話している間にも
私の居る空間内の酸素がどんどん減っていく。
どうやら私は、密室のようなところに居るらしく
そこはあまり身動きが取れない狭い場所のようだ。
こんな所で死にたくないので、とりあえず、
ジタバタと無我夢中にもがいていると、何かに足が当たった。
するとガコンッと重たい音がして、外からの光が射し込んできた。
私は箱のような物の中に入れられていたようで
その箱の蓋がズレて、隙間から光が入っきたのであろう。
私は重たい蓋をずらす様にして開けた。
「ここ……どこ……?」
新鮮な空気を吸いながら辺りをぐるっと見回すと、
私の口からぽろっと素朴な疑問が出てきた。
壁も床も天井も、全てが頑丈な石造りになっており、
部屋には、室内を明るく照らしている光を入れるための
大きな窓と、木で出来た大きな扉くらいしか見当たらない
とても質素な造りの部屋だ。
そして私は自分が寝かされていたものを見て、戦慄が走った。
私は黒い棺桶の中に寝かされていたのだ。
「うっ、嘘だよね……?ちょっと、ここ本当にどこ!?」
ここにいるのも気味が悪いので、私は目の前にある
開くか分からない扉に手をかけた。
だが、案の定扉には鍵が掛かっており
ガチャガチャと音が鳴るばかりで開くわけがなかった。
「なっ……なんで私ここに?なんで棺桶の中に居たの?
えっ?訳が分からないよ……?」
状況が把握できず、とりあえずもう一度棺桶の中に入り、
天井を数秒見上げて、起き上がる。
ちょっと棺桶の中、寝心地良いのが腹が立つ。
もう訳が分かんない。なにココドコ?
私の頭の中は恐怖と不思議で大混乱を起こしていた
きっと頭のいい人は、こういう時に
冷静に判断できるんだろうなぁぁ!!羨ましいなぁ!!
「もうヤダ……お家帰りたい……」
私は棺桶の近くに座り込み、泣きそうな自分を落ち着かせる。
大丈夫だ私。きっとここは風変わりな病院だ。原宿ファッション的な
現代の日本のカワイイ文化にちなんだ病院なんだ。きっとそうだ。
それにしても患者を棺桶に寝かせるなんて不謹慎だなぁ!!もう!!
心の中で自分を落ち着かせていると、扉の向こうから
コツコツと誰かがこちらに向かって歩いてくる音が聞こえてくる
私の中では、落ち着かせていた心が再び悪い方へと考え始めた。
私はまた、心の中で自分を落ち着かせる為につぶやく。
大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫
怖くない。怖くない。怖くない。怖くない。怖くない。怖くない。
全然平気。全然平気。全然平気。全然平気。全然平気。全然平気。
落ち着け。落ち着け。落ち着け。落ち着け。落ち着け。落ち着けッ!!!!
扉の前で足音が止み、ガチャリッと鍵が開ける音がする。
私の心はもうパニック寸前。ああ、やばい、死にそう。
ギギィッと重たい音がして、扉が開く。
私は意を決して、扉を開けた主を見た。