9.新命
お寺の話ではないです。
新しい命のことです。(紛らわしくてごめんなさい)
少しずつ本を読み始めていたある日の夕食。
母さんから、急に改まって。
「レイに話しておかなきゃいけないことがある」
と言われ、父さんも珍しく真剣な表情をして、話を切り出した。
「実はな、あと二、三か月で新しい子供が生まれそうなのだ」
「それは、おめでたいですね。俺もようやく兄になるっていうことですか」
「そうだ。だからお前も少しだけでいいから俺の手伝いをしてほしいんだ」
「わかりました」
こうして、俺の日常に、新たに父の手伝いが加わった。
◇◇◇◇
この日は珍しく、子供組でも年長な人たちが午前中の遊びにいなかったので、8~4才の子供たちだけで遊ぶこととなった。
そこで同世代の子供たちを紹介しよう。
年長組に交じって、勉強していた、俺。
図体もでかく、器もでかい、将来大成しそうな、トム。
まだやんちゃなところが抜けきっていない、ヤム。
以上男子。なんかクンみたいなやつがいないかなぁ。カップヌードルの味みたいになるから。
さぁて、お次は女性陣。
コミュニケーション能力が高い、ココ。
素直で、表裏がない、ノノ。
以上5人が同世代の子供たちだ。
さぁ、何で遊ぶ。
◇◇◇◇
「家を、土の家を作ってみたい」
と切り出したトム。家を作るってかっけぇ。
「確かに、それはたのしいね」
とココ。瞬時に肯定を入れるのは、さすがっす。
「でも、つまらなくない?」
と内心を吐露したのは、ノノ。おおっと、いきなり喧嘩勃発か?
「いや、家を作って壊すのが楽しいんだろ?」
やんちゃ、お前、一回黙っとけよ。
「う~ん。そうかもねぇ」
と顔を引き釣らせながらも肯定を入れた、ココ。とりあえず肯定できるのまじぱねぇ。
「壊すって…」
怒ることをせず、悲しそうにしているトム。怒らないのはえらい。
「じゃあ、レイ君はなにしたい?」
とココ。このキラーパス、さ、さすがっす。
「うーん。ちょっとまって?」
まず状況を整理しよう。
トム……家作りたい
ヤム……壊したい
ノノ……家作るのつまんない
ココ……???
俺……特にない
とりあえず、ココはやりたいことに合わせて、肯定してくれるはずで、要件を満たさなきゃいけないのは、トムとヤムとノノか。最悪、ヤムの意見は無視してもいい。
う~ん。家を作るのに加えて、何か面白いことができたらなぁ。
あっ。人形遊びとか加えればどうだ?
「じゃあさ、まず家を作って、そのあと、人形遊びを加えたら楽しそうじゃないかな?」
「面白そう」
とココ。その肯定にいつも助けられています。
「家は、人に住んでもらってこそだからな」
とトム。器のでかい男は、見てる世界のスケールが違うぜ。
「結構たのしそうね」
とノノ。君が認めてくれるなら、話が決まりだ。
「壊すのは?壊すのは?」
おい、やんちゃ。お前はいろいろとひどい。
「家は、いつかは壊れてしまう。その役目をお前に任せたい」
とトム。さすが兄貴。やっさしい。
「えっ、壊していいの?やった、やった」
やんちゃ、お前はそれでいいのか。
こうして、無事同世代どうしで喧嘩することなく、遊ぶことができました。
※あまりにも土の家の出来が良かったため、おままごと終了後、ヤムは壊すのをためらったため、土の家は壊されませんでした。めでたしめでたし。
サラ(☆∀☆)「レイ君さすが。全員が納得できる方法を思いつくなんて」
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