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8.読解①

この世界の紙は、希少だ。


村で、紙を見たのは村長宅だけだ。もっと言えば、便箋なんて、この世界で初めて見た。


では、なぜ、知り合いもそんないない俺に「魔法初級大全~初めからていねいに~」

という本とぺん(高そう)と便箋と手紙が入った包みが届くのだろうか。


前世では、「危険な荷物は即処分、じゃないと詐欺に引っかかる(返品しようものなら…)」という広告があるぐらい、不審物には厳しく当たるべきだと知っているが、どうしたものだろうか。


しかも、宛先が俺になっていることも気がかりだ。


まあ、こういうのは、サラ姉がいないから、母さんに相談だ。(洗脳の名残)


◇◇◇◇


「あら、それはサラが一年以内にレイに贈り物をするっていてたやつじゃないの?」


「えっ、そうなの?」


という形ですぐに送り主が特定でき、このとき、一か月ぶりにサラ姉に魔法に関係する本を欲しいと言っていたことを思い出したのだった。


そうと決まれば、さっそく手紙の中身を見てみよう。


~~~~


レイ君はいかがお過ごしでしょうか?


私は頑張って、魔法に関係する本を町で手に入れたので、冒険者ギルドの配達のシステムで送らせてもらいます。


あの本は、古本屋で手に入ったもので、魔法使いの人たちにはベストセラーの本なんだそうです。


私は内容がちんぷんかんぷんだったけど、きっと賢いレイ君だったら本の内容を理解できると思います。


私も町で頑張るから、レイ君も頑張って魔法使いになってね。


追記


魔法の本に添えて、ペンと便箋を添えさせていただきました。


もしよろしければ、私の荷物を届けた人に渡して、返信をしてくれますか?(着払いで)


~~~~


手紙を読み終えて、本を見てみる。


まだ折り目さえついていない本が、古本屋ねぇ。


◇◇◇◇


とりあえず、「魔法初級大全~初めからていねいに~」を開いてみる。


「まえがき。この本は、魔法を使いたいと志す諸君に向けて初歩的で躓きやすい点から、初めからていねいに仕上げることで、将来的に大成する魔法使いを育成するために書かれた本じゃ」


「じゃ」?書き言葉で「じゃ」?


「この本を隅から隅まで読んだころには、諸君は魔法使いの基礎を盤石なものとすることができるのじゃ」


「じゃ」が気になるなぁ。


「副次的な効果として、冒険者としてやっていく分には、この本程度を理解すれば、冒険者の魔法使いとしてやっていけるじゃろうて」


ほうほう。


「もっとも、宮廷魔法使いや魔法を探求していくものはこの本では心もとないじゃろう。なので、そのような諸君はこのわしの魔法中級大全、魔法上級大全を購入するがよろしいじゃろう」


ふーん。初級は初級ってことか。


「もっとも、金のない平民はこの本を買うのでも精一杯じゃろうて、がははははは」


こいつ、むかつく。


「最後になりますが、この本の執筆にご協力いただいたリングランド王国宮廷魔法使いの皆様に感謝を述べさせていただきますのじゃ。大賢者フリードリッヒ」


大賢者フリードリッヒ。お前の名前を覚えたぞ!


◇◇◇◇


こうして読み始めた「魔法初級大全」。


内容自体は非常にまともだったが、まえがきがちらつき、いらいらしたがこれからじっくりと読んでいこうと思った。


数日後、例の冒険者にサラ姉宛の手紙を渡した。

サラ姉は一体町で何をしたのでしょう?(魔法関係の本高いのになぁ)

※この小説は全年齢版です。そういう展開はありません。


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