4.吉日
ふぅ。今日も天気がいいぜ。
え?前回の活動時間短かったって?
許してくれ。
まだ、「にちゃい」なんだ。
言葉もまだはっきりとしゃべれねぇ。まじすまねぇ。
でも、思考ははっきりとまとまっているし、1+1=田んぼの田っていうこともわかっている。
あれ、異世界でもそれつかえんのかなぁ。
宴会芸、それぐらいだったし…
新しい宴会芸なぁ。
違う違う、今日、俺がやっていきたいのは、これだ。
「ばばん」
言葉をまなびたい。
何ということでしょう。俺、レンのいる世界と地球の言語(日本語、英語、フランス語、中国語)はち、が、う、の、です、違うのです。(某議員風)
まず、会話するために、私は言葉を学ばねばなりません。
ひとは、話すことで、関係を築いていく生き物ですから。
あと、もう一つ理由があります。ある言葉を紹介しよう。受験時代の参考書に挟まっていたしおりに書いてあったことです。
学ぶ人は、変えていく人だ。(旺文社)
変えていく人は、すげぇ人だ。(レイ)
そう、学ぶ人は、(自分の考えや心の持ちようを)変えていくすごい人なのです。
あれ、なんかいまカッコで変な言葉が入れられた気がする。
まあ、いいか。
とにかく、俺は、言葉を、学ぶんだぁ。
思い立ったら、なんとやらということだしなぁ。
◇◇◇◇
それでは母さんに、どうやって言葉を学ぶのか、聞いてみましょう。
「かあさん、こおば、こおば」
「あら、レイ」
「こおば、こおば」
「こおば?」
「ううん。こおば、こおば」
「言葉って言ってるのかしら」
首を大きく振る。
「いま、しゃべってるじゃないの」
しゃべってる!俺、しゃべってるじゃないの。
いやいや、ち、が、う、だろ、違うだろー。(本日二度目)
なんか寺子屋的な何かで学べる、言葉を学びたいんだよ。ああ、そうだ、文字を、文字を学びたい。
「もじ、もじ、まなぶ、まなぶ」
「あら、文字も学びたいのね。でも、まだ早いわ、こないだ2歳になったばっかりじゃない」
いつ学びたいのか?今だよ!(某予備校講師風)
「いま、いま」
「あら、いますぐに?まあ、いいでしょう。でも、食事の時、嫌いなお野菜、残さなかったらね。そうと決まれば、昼食の準備しなきゃ」
そんな、ご無体なぁ。
◇◇◇◇
なんで、あんなに野菜って苦いんだろう。(しみじみと)
◇◇◇◇
「かあさん、もじ、もじ」
「ちゃんとお野菜残さず食べたものね、いいわよ、連れて行ってあげる」
連れて行ってくれる、だと!
母さんが教えてくれるわけではないのか!
一度行ってしまえば、野菜なんて食べなくてもよく「ありません、しっかりと、これから毎日、お野菜しっかり食べるのよ」
よまれた。心をよまれた。さては、魔法だな、待っていろよ。必ず文字を習得し、魔法にたどりついてやるからなぁ!
◇◇◇◇
村の開けた場所にて。
私は、サラ。14才。子供組の最年長にして、来年に成人を迎える。一応、村長の娘だけど、兄がいるので未来の村長ではない。
最年長なので、もう文字は書けるし、足し算引き算も4桁同士までならできる。
今日も頑張って、年下の子たちに教えるぞ!
ちなみに、ここで文字を教えるのは午後から始める。というのも、子供たちが少し疲れていないと、騒がしくて、騒がしくて。
「サラちゃん、ちょっといいかしら」
「アンさん、お久しぶりです」
今話しているのは、アンさん。2年前に子供を産んだ。確か、レイっていう子だったかしら。前に見せてもらったとき、かわいかったなぁ。
「今日ね、レイがね、文字を学びたいっていうから連れてきたの」
「ええっ。レイ君って確か2才でしたよね」
「そうよ。でもこの子が学びたいっていうから。おとなしい子だから邪魔にはならないだろうけど。邪魔になるようだったらすぐに引き取るし、お願いできるかしら」
「それなら、いいですよ」
まあ、その子がちゃんと文字を覚えられるといいですけどね。
こうやって、安請け合いしてしまったことを、当初の想定とは真逆の意味で公開してしまうことになるのだった。
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