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氷の女帝と恐れられる私、SNSで愚痴っていた相手は一番仕事ができないポンコツ後輩でした。正体を知らずに攻略法まで教えてしまい、もう限界です!  作者: 水凪しおん


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番外編2:『同僚は見た!女帝陛下の変化について』

「ねえ、聞いた?最近の橘リーダーのこと」

 ランチタイムの社員食堂。凛の同僚である佐藤(おしゃべり好き)が、声を潜めて向かいの席の後輩に話しかけた。

「あの氷の女帝とまで言われた橘さんが、最近すっごく柔らかくなったと思わない?」

「あ、それ、私も思いました!前は話しかけるのも怖かったですけど、最近はよく笑うようになりましたよね」

「でしょ!?特に、結城くんと話してる時!あの時の笑顔、見たことある?マジで女神降臨って感じなのよ!」

 佐藤は興奮気味に、パスタをフォークに巻き付けながら力説する。

 思えば、変化の兆しはあった。以前はミスをすれば雷が落ちてきたのに、最近は「次から気をつけて」と冷静に諭すだけ。むしろ「この前の資料、よくまとまってたわ」なんて褒め言葉まで飛び出す始末。部下たちは、天変地異の前触れかと囁き合ったものだ。

 極めつけは、先日の飲み会だ。以前なら一次会でさっさと帰っていた凛が、二次会のカラオケまで付き合ったのだ。そして、陽向がマイクを握って流行りのラブソングを歌い出した時。

(あの時のリーダーの顔、絶対見間違いじゃないわ……)

 うっとりと、愛おしそうな目でステージ上の陽向を見つめる凛の横顔を、佐藤は見逃さなかった。まるで、世界で一番大切な宝物を見るかのような、とろけるように甘い表情。あんな顔をする橘凛を、佐藤は入社以来、一度も見たことがなかった。

「それに、結城くんも結城くんで、最近すごくない?プレゼンの一件以来、すっかりエース級の働きだし。自信がついたのか、前よりずっと男らしくなったっていうか…」

「分かります!前は可愛い後輩って感じでしたけど、今は普通にカッコいいですよね」

「そう!その二人が、最近やたらとアイコンタクトしてるのよ。誰も見てないと思って、給湯室でこそこそ話してたりとか」

 佐藤は、名探偵のような顔でニヤリと笑った。

「これは、もう間違いないわね」

「え、何がですか?」

「あの二人、絶対何かある!」

 佐藤の確信に満ちた一言に、後輩は「えー!」と驚きの声を上げた。

 氷の女帝と癒し系後輩。周囲が気づき始めるのも、もはや時間の問題。女帝陛下の劇的な変化は、今日も企画開発部の最大のゴシップとして、同僚たちの間で楽しく語られているのであった。

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