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陰陽鬼  作者: 成 義鷹


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1-4

「あれ、林さん?」


美月だと気がついた博夢も少し気まずそうに、どもと会釈する。互いにクラスメイトとはいえ特別接点もなく、まだ話したことすらないそんな関係。


しかも美月は、博夢が少し苦手だったりする。いや、苦手というのは少し失礼かも知れない。純粋にちょっと怖いのだ。

整った顔立ちではあるが、目つきが鋭く少し近づき難い印象がある上に、いつも無愛想で人と話してるところなんて1度も見たことがない。そんな雰囲気からしても近づき難い彼なのだが、それをさらに引き立たせる外見的特徴があった。それがシルバーがかった白髪。

入学式からそんな髪型できていたものだから、ちょっと怖そうな先輩に目をつけられて呼び出され、悪い噂のある同級生には因縁つけられ、挙げ句の果てに近隣でブンブンしてる危ないOBまででてきたらしい。

で、その相手たちは全て病院送り。彼を恐れ、学校を辞めたものや街を出たものもいると聞く。思わず世紀末覇者ですか?と突っ込みたくなる伝説を作り続けているのが、この源間博夢という男である。


「じゃあ、俺、ちょっと外でてますね」


そんな美月を察してか、博夢は踵を返して社からでようとする。入学して2ヶ月半ほど経つが、ほぼ初めましてに等しい彼の声は想像してたより優しかった。


「ダメダメ、お客さんだってば」


「いや、だから俺、外に…」


「違うよ、私じゃなくてひろくんのお客さん」


どうぞと晴香は楽しげに美月を指す。そんな彼女に博夢はいやいやと困った顔をした。


「俺今来たとこだし、全然話聞いてなかったし、そもそも晴香さんへの相談者じゃ…」


「でもクラスメイトでしょ?」


晴香は少し意地の悪い笑みを浮かべた。


「だけど、ほとんど関わりとかはなくて…」


「関わりがなければ困ってるクラスメイトをほっとんくんだ」


さいてーと晴香。非常にバツが悪そうに美月を横目で見た博夢は、普段の教室では考えられない姿だった。


「じゃ、じゃあ、まず何があったのか教えて…」


「え、めんどくさい。そもそも人の悩みくらい語らずとも察してこそ真の占い師でしょ」


「いや、俺占い師じゃないし…」


「うるさい。細かい。ほら、早く行って。困ってる人を助けて!」


「行ってってどこへ…」


「ほら行く!」


「だからどこ…」


「行く!」


「…はい」


そういうことになった。

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