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誰の眼にも分かるように彼女は彼が好きなのだろう。

作者: 七瀬





”誰の眼にも分かるように彼女は彼の事が好きなのだろう。”




・・・でも、僕は彼女が好きだ!

こんな事で僕は彼女の事は諦められない。

だから僕は彼女の好きな彼を利用して、彼女と僕は付き合はじめる!

”僕は彼とは昔からの知り合いで、彼の唯一の弱みを僕は握っていた。”

それを利用して僕は彼に、彼女と僕が付き合えるように協力してもらう。




『”弦が時田さんの事がスキみたいだから、付き合ってあげてくれないかな?”』

『えぇ!?』

『げ、弦と付き合ってあげてほしいんだ!』

『・・・わ、私の気持ちはどうしたらいいの?』

『”俺は君とは付き合えないよ、ごめん。”』

『どうして? 私は佐々野君の事がスキなのよ。』

『”俺は弦に頭が上がらないから、”』

『もう分かったわ、青嶋君と付き合えばいいんでしょ!』

『・・・ううん、』

『佐々野君の事、見損なったよ、』

『・・・ご、ごめん、』

『もういいわよ、じゃあ、』

『・・・ううん、』






・・・こうして僕は大好きな彼女と付き合える事になった。

その後も、僕は何かある度に佐々野を呼び出したりパシリにしていた!

それを見ていた彼女に僕は何度か注意されるのだが、僕はやめる事はなかった。



『”どうして佐々野君? ちょっと異常なぐらい弦君の言いなりじゃない?”』

『・・・・・・』

『”何か弦君に弱みでも握られてるの?”』

『・・・・・・』

『そうなんだ、分かった、何にも話さなくていいわ。』

『・・・・・・』

『”私が弦君に探りを入れてみるから、”』

『・・・そ、それはやめた方がいいよ、』

『どうして?』

『弦は根っからの悪い奴だから、』

『でもこのままじゃ! 佐々野君は佐々野君で居られないよ!』

『・・・そ、それは、』

『”私に協力してくれたら、何とかしてあげる!”』

『えぇ!?』

『大丈夫! 何とかなるわ。』

『・・・・・・』





 *





彼女は僕と二泊三日の旅行に行きたいと言って二人で旅館を取って

泊まる事になった。

勿論! 二人で街を散策した後は、旅館の温泉でのんびりして

夜は二人の時間を満喫する!

そして彼女は僕にこんな事を言ってきたんだ。



『”明日は少し遠出をしない? 一度、行ってみたかった所があるの!”』

『あぁ、別にいいよ。でも何処なの?』

『”それは行ってからのお楽しみよ!”』

『なんだよ、じらすな~』

『楽しみにしててね!』

『あぁ!』






 *





次の日、朝早く僕と彼女は旅館をチェックアウトしてその場所に

向かったのだが、、、。

どうも山の奥深くに何かあるらしい。

ただ気になったのは? ”人気が全くないのだ!”

人が普段、踏み込まない場所に僕を彼女は連れて行きたいと言う。

僕は完全に彼女に心を許していたし、何の疑いもなくただただ彼女に

言われるがまま着いて行ったんだ。




・・・でも? 山の奥深くまで着くと? 

遠くに男が居る事に僕は気づいた!



『・・・な、なんで? 佐々野が!?』

『”私が誘ったの!”』

『えぇ!?』

『久びりだな、弦!』

『”お前! 何か企んでるんじゃ、ア、アノ事を彼女に言ってもいいのか!”』

『”言えよ! もう彼女には俺から話した!”』

『えぇ!?』

『佐々野君から聞いたわ! それは弦君、アナタが企んでた計画に佐々野君を

ハメたんでしょ! そう私に話してくれたじゃない!』

『・・・み、美知、オマエ、俺をずっと騙してたのか?』

『”そうよ、私がスキなのはどこまでいってもやっぱり佐々野君だから!”』

『・・・み、美知、』

『”弦、お前を埋める穴はもう用意してある! あそこにな!”』

『さ、佐々野、』

『今までありがとう、そしてさようなら! 佐々野君、』

『・・・・・・』

【ドーン】

【ウッ、お、お前、佐々野ーおま、え、、、】

【ドッ】

『意識がなくなったみたいだわ、さあ、直ぐ埋めましょう!』

『うん!』





・・・穴は掘り起こせないぐらい深くまで掘られていた。

僕は意識を失いながら、生きたまま埋められた。






 *





その後、佐々野と彼女は結婚をして今では二人の子供にも恵まれて

幸せに暮らしている。

”僕は今もその山に埋められ、誰にも気づかれずそこに居るのだ!”

警察も調査はしてくれはしたが、 ”僕の消息は見つからず、”

何処かで生きていると位置づけられた。




・・・その頃、佐々野と彼女はもう僕の事を記憶から忘れようとしていた。

殺した人間の記憶を忘れるという事が本当にあるのかと思うが、

ふたりの中で僕の存在は不必要なモノになっているのだろう。

”これからの幸せの為にも僕の記憶は必要ないと思っているらしい。”


だから決して人の弱みを握ってはいけない!

僕のように山奥に埋められ骨になっても、

今でも誰にも探されずココに居るのだから。



最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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