どうしてこんなめに???
どうしてでしょう。熾天使に見つかり終われているのは。
理由ならわかってます。混が挑発したからです。そしてあいつは煽った後すぐ逃げました。
だから一人の逃亡生活が始まってしまったみたいです。最初に出会った熾天使は疲れ果てた顔をしていた。まるでちょっと前に悪魔と戦ったような感じの顔。だから攻撃すんのに戸惑った。
その戸惑いが時間の無駄だったらしくなんかすんげー強いのに見つかっちまったってわけ。
「どうして俺だけがこんな目に合わなきゃいけないんだよぉーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
くそっ
あのやろーめ!どうして煽っておいて俺だけ残すんだ!?
本当になんでか理解できないんだが。そうか、あいつ俺のような人間性が残った悪魔と違って完全なる悪魔だからそんな考え方ができるんだな。そういうことなら納得………………………
って誰がん納得できんだよっ!おりゃーそんな器でかくねーんだよ!
心の中で文句を言い続けても無駄ってことは知ってる…けどな。ストレスを発散するのは心の声しかないんだ!大声で叫べばいいじゃん?一声一声がノクターンに聞こえてやがんだよ!
だから発する言葉もきおつけなきゃいけないし、同系統の悪魔の悪口も控えることが身のためなのだよ。
そんなこと言ってもストレス発散はしたい。だからそんなときは…白組を頼る。
白組はあのおやさしいラヴィス様が名付けたからみんな優しかったんだっよ。相談にも乗ってくれるし。
一緒に愚痴を吐けるし、白組陣営での声は流石のノクターンでも聞こえないらしいし。
あっでもやべ。どうして俺だけがこんなめにぃーーってさっき大声で叫んじゃったっけ、言い訳を考えよう。あっ
「うげぇぇ!?」
疲れ果てた顔をしていた方の熾天使が精神魔法を仕掛けようとしていた。
だがその軌道が運よく見えたためかわすことができた。
まさに奇跡だった。ふふっ運が良すぎてごめんな熾天使さん。
「あら?今ので眠った方が幸せだったかもしれないのよ?私、炎系の者だから…」
そう聞くと今の精神魔法は受けておいた方が幸せだったと解釈できる。
だから運がよかったんじゃなくて、運が悪かったのだ。しかも相手がわるい。
なんかすんげー美人……………………ではなく
もう一人のほうは、熾天使じゃなくて……………………この世最大の魔素量を誇り、最大火力を持つとされている、灼熱竜だった。周りの森に被害を出さないように人型で存在している。
そんな強者のことをまだ理解できないバカな蒼はかましてしまう。
「なんだよ。てめぇーーーまだ攻撃をしていないくせに調子乗ってんじゃねーぞ_?」
「そして最後に言わせてくれっ!美しい!付き合ってくれ!」
はい人生終了の鐘。の音が森全体に響き渡る。
衝撃の告白。愚痴を言われた後の告白とか誰もが断るに決まってるだろ。
「うえぇぇぇーーーーー」
隣にいた熾天使ことセコはもうこの展開を見てられません、というようにはいた。
セコにはこの告白が気持ち悪すぎて無理だったんだろう。
「んんんんんんん?え_それ正気?」
「はいっ。正気ですっ!」
この展開を戦い中のノクターンにみられていることも忘れ、そういう。
「蒼はおかしなしもべですねぇ。どうしたらあんな状況でこくはくできるんでしょうか。」
「ほんとね。しかも相手とタイミングが悪すぎっ。相手は灼熱竜様だよぉ?ばか?」
そう。異界門の奥にいる二人はそんな会話をしていた。
ノクターンは友人一筋なので興味ないし、ラヴィネは相手とタイミングの悪さを指摘した。
「やっぱ黒組にまともな奴なんて存在しないんだよなぁ。けどあいつ普段はいい奴だぞ?」
よく一緒に愚痴を吐きあっている白組悪魔はそういった。
「灼熱竜様と言ったら嫌な思いでしか存在しませんねぇ……………………。」
そう言ってノクターンは深く考え込む。そのあと、まるでトラウマを掘り返してしまったように頭を抱え異界の空間における地に落下した。どさっ 普通の悪魔には考えられない効果音だった。
「あっははははは!マジ受けるんですけど!僕は灼熱竜様にあったことないからノクターンの絶望はわかんないや!」
あったことないからという言葉がノクターンの核に深く傷をつけた。
「痛い。痛いぃ。心が焼ける!あぁぁぁ忌々しい。」
「ふっ」
そうやばいタイミングで黒組の馬鹿が吹きだしたのだ。
上司の失敗を笑う部下。これはかくていで首切りだろう。
ギロリとめちゃくちゃ冷たい瞳でノクターンはその馬鹿をにらんだ。
「どうやらあなたはこうされたいんですね?」
と手でその行動を表現する。それは手で何かを握りつぶすという表現だった。
「混ーーーー!どこにいるんだよ!?」
俺は逃げた混の行方も気になった。だって仮にも仲間だし。仲間……………………だし。
「うぇ。なに?告白してからの浮気?キモ
またもやもう無理です回答をしたセコ。
「違うっつーの!」
「浮気の時の言い訳ってね?わかりやすいってリーダーが言ってたの。うぇ」
どうしてセコは自分の嫌いな方向の話にしてしまうのか。
いやそもそもの話。混は男だぞ???あっそういうこと?
「……………………。」
灼熱竜は広大な力のため大体のやつらの心を読み取ることができる。
だからずっと黙って観察しているんだろう。そして言葉の意味を把握した後言葉を発した。
「……………………思考がおかしいのね。理解できたわ。」
もう失望しましいたというテンションで返され蒼は強いショックを受ける。
断るならもっとストレートに返してほしいと強く願う蒼なのであった。
「あっはっはっは!予想の斜め上過ぎて面白いんですけど!」
そういいながら腹を抱えて大笑いをするラヴィスと
「やっぱこうなりましたか。どうしてこんな人間味が残ってしまったんでしょうか。」
いつ復活したんだいと突っ込みたくなるテンションで戻ってきたノクターン。
「確かにチョー受けるかも!人間性残りすぎ!そして熾天使のやつ面白っ!だから今度倒したら悪魔としてよみがえらせて仲間にしてあげよっと!」
ラヴィスはセコのことを気に入ったらしく今度自ら出向き、仲間にするんだといった。
「熾天使はよみがえっても熾天使ですよ?そんなことも分からないほど堕ちましたか?ラヴィス。」
ちょっとあおりを入れながらラヴィスの言葉に返すノクターン。
「まだ戦いの途中だったよね?」
「はい。そうでしたね。」
「再開しよっかぁ!!」
ラヴィスの言葉をきっかけにまた音速超の速さで戦いが始まる。
イライラしているラヴィスは戦力を戸惑うことなく上昇させ最大出力の魔力弾を放つ。
そして相手の本機を感じ取ったノクターンが楽しみたいために本気で戦いを始めた。
それによって周りにいる下位悪魔たちは、さっきよりもでかい空気圧によって、遠くまでぶっ飛ばされてしまった。
「ラヴィネ様とノクターン様の戦いすさまじいぃ…」
しおれた声で戦いに巻き込まれたものが感想を口にした。よく生きていたものだ。
あれほどの風圧覇だったら人間はぺしゃんこだっただろう。
それほど悪魔の力は強大であり恐ろしいものなのだ。
「ねぇ……………………あれ止めないとこの空間なくなっちゃうんじゃない?」
その辺にいる下位悪魔の一人がそう言った。コイツも前世人間だ。
「何を言ってるんだ?あんなに素晴らしい戦いを止めようとか……………………?」
コイツは根っこから悪魔だった。ちゃんと悪魔らしく戦いが好きで強者と戦うのがもっと好きだという変態でもあるがそれはしょうがない。悪魔はそういうやつだから。
「っはい」
戦いが楽しいですアピールしないと出世できないのでアピらないといけないのだ。
たとえ上司が見ていなくても。
「ラヴィスにも異界門を超えてもらいたいですねぇ。」
「ふふっやっだねぇーーー!」
異界門を超えて苦労してほしいノクターンと、ノクターンのいい方的に面倒でつらい場所だと理解し断るラヴィス。ノクターンは友人以外は誰であろうと苦しんでほしいと思ってるのでそういった。
「あぁセコとかいう熾天使は戦力外でしたが、なんであそこで出てくるんでしょう。」
あぁもう忌々しいという苦痛に満ちた声で、異界門後のつらさをラヴィスに伝えた。
「普段の行いじゃないっ?」
それはそうかもな。と納得してしまう回答を言ったのがラヴィス。
こんなのんきな会話をしているものの、外から見ると、空気圧と雷電しか見えない。
ちょっと前の戦いではその下に下位悪魔が入れたものの、今はめっちゃ遠くに下位悪魔たちが転がっていた。吹っ飛ばされて動けなくなってしまった下位悪魔≪ザコ≫姿もあった。
「私の普段の行いが悪いとでも?働かない悪魔を追放したり、異界門を部下に破らせたりしてるというのに?ちゃんと悪魔のための仕事はしていますが?」
これだからこいつはだめなんだよ。とラヴィスは大きなため息を吐き剣を取り出した。
「【アビサル・ソードノクターンも剣抜きなよ!」
そう叫びラヴィスが取り出したのは、まがまがしい漆黒の大剣だった。
この剣で数々の敵をほおむってきた相棒だったのだ。ラヴィスがこれを抜くということは、遊び相手ではなく、けんか相手≪敵≫だと認めた証。
その大剣を召還したときにでてくるオーラは、普通の人間が浴びていたら即死なくらい強いのだ。
「チッ私は灼熱竜に破壊されたからないんですよ。掘り返すなクソがッ」
丁寧な口調を最後のほうは忘れ、ため口で力強い言葉を発した。これが本性なのだ。
「ゲッノクターン様が怒った!あれの機嫌なだめるの俺らなんだから勘弁してくれぇ!」
ノクターンが怒ったらそう簡単には機嫌が元に戻んないらしく、仕事もより難関になり、超いい出来倍じゃない限りはずっと続くというある意味悪魔な本性のあるノクターン。
「あら……………………黒組上司は短気だねぇー」
白組は優雅にそう言った。だってラヴィス様は怒っていてもそれを他人に押し付けたりはしない。
そう言っていた。だからそれを聞いた黒組は、なぜ黒組の悪魔になってしまったんだろうと。
己の運のなさを改めて実感した。